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オジサンのための料理講座 ←イラスト (C) SweetRoom 2008.3.19 |
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健康維持食の進め方…食で健康維持といきたいなら、人のアドバイスを聞く前に、先ずは自習。 その位の気力があれば、自炊は必ずできるようになる。 ・第一にすべきことは、欠乏している成分がないか、調べ、対応策を考えること。 手間はかかるが、たいして難しくはない。 ・第二に、健康増進成分で取りたい成分があるなら、やってみたらよい。 必須ではないが、結構面白いのではないか。 ・取りすぎ対策は、これらが終わってから。 体に悪そうな食事など、勉強などしなくても、なんとなくわかっているのが普通。 料理が楽しくなければ、自炊は続かないゾ。 最近の料理本に登場するメニューの説明を読むと、健康増進とか、疾病抑制を謳っていうことが多い。それはそれで結構な流れだが、料理をこれから始める人にとっては、そんなことまで気を遣うだけの力は無い。 初心者にとっては、一皿の料理メニューを真似るのが精一杯であり、全体バランスまで考える余裕などないからだ。 それではどうすべきか。 お勧めは、栄養ガイドラインに目を通し、自分が多用する食材を予め決めておく方法だ。 → 「日本人の食事摂取基準(2005年版)について」[6. 別添より基準数値のページへ] (国立健康・栄養研究所作成) 例えば、骨粗鬆症が気になるなら、カルシウム摂取のガイドラインを参考にしよう。1日700mg程度が推奨されていることがわかる。 罹患している人は別だが、こんな数字を覚える必要はなかろう。栄養士でもないのに、食事の準備に、使う素材の重さを量り、いちいち表を見て計算していられるものではないからだ。それより、こうした数字がどの程度の食事量に相当するかとの、感覚をつかむことが重要である。 どういうことかと言えば、簡単にカルシウムを摂取できそうな食事シーンを考え、それが一日量のどの程度に当たるのか知るというだけのこと。食べそうな素材を思い浮かべて調べること。この程度の手間を惜しむべきではない。 → 「JST 食品成分データベース 」 (文部科学省開発 試験的公開) 市販の500g入りプレーンヨーグルトなら、1/5を食べると120mgに当たることがわかる。 このことは、もしヨーグルトがお好きなら、毎朝食べるのは結構お勧めということ。 ただ、これだけでは、700mgにはとても足りそうにないと感じたなら、カルシウムの塊のような食材を使うとよい。 干しエビはどうだろう。 これなら、乾物売り場にたいてい置いてある。1袋50g程度が多い。ただ、価格は同じでも、質はピンキリだから要注意。誰でもがよく使う商品ではないようである。袋が美麗なだけの高級品も少なくないのだが、その一方で、高品質な無添加国内産品を廉価販売している店もある位なのである。ともあれ、酸化しかけている売れ残り商品をつかまされないように注意した方がよい。 余計な話をしたが、干しエビなら、5g食べるだけで、カルシウムは355mg摂取できる。塩気があるから、卵焼きの味付けを兼ねる手もある。(干しえびそのものに塩がきついものが多いから、味付けは要注意。) 蝦味は好きな人が多いから、工夫すれば様々な料理で使うことができる優れた食材だと思う。 そして、生揚げなら、半分位(70g)食べれば168mgに達する。大豆製品だからといっても、にがりを使う訳ではないから、納豆は1パック(50g)を食べても、45mgである。 まあ、上記3品を食べれば、安心できる量を摂取していることになる訳だ。 ただ、カルシウムを骨に定着させるためには、ビタミン類も重要だ。 KとDが関係することが知られている。 Kは、普通に食事をしていれば不足することはないと思われるが、生活が不規則だと腸が不調となり、不足するのかも知れない。 そんなことが気になるのなら、納豆がよいだろう。1パック50gを半分食べれば、ビタミンKを150μg摂取できる。これだけで、一日の必要目安量の倍だ。 ビタミンDについても、重要な働きをするが、こちらは毎日日光に当たっているなら、なんの問題もないが、部屋の中ばかりいると不足するかもしれない。日本の目安は1日5μg摂取。上限量50μg。 気になるなら、脂分を感じる魚を食べればすぐ取れる。鰯の丸干しの半分位(50g)、塩鮭の切り身(100g)を食べれば、どちらでも25μg程度は取れる。ロースターの後片付けが面倒という人は別だが、焼くだけだから、初心者でも簡単にできる料理である。 この先高血圧が気になるから、カリウムをしっかりとっておきたいと考えるなら、同様にガイドラインと素材を見ておくとよい。1日目安量は2,000mgだが、予防には3,500mg摂取が望ましいとされている。先の食事では、ヨーグルトで170 mg、干しエビで74mg、生揚げで84mgでしかない。かなり心して選ばないと難しそうである。比較的取りやすいのはバナナで、1本(150g)で540mg。高カロリーになりかねないので、沢山食べる訳にはいかないが。 栄養成分の勉強をする場合は、先ずは、上記のように、自分の普段の食生活で不足していそうな成分がありそうか、考えてみること。 不足成分がないように対処できそうだと思ったら、その次は健康に寄与しそうな成分を積極的に取ることをお勧めしたい。 と言って、健康によいが、美味しくないという食事は止めよう。そんなことが長続きするとは思えないし、精神衛生上よろしくない。 例えば、緑黄色野菜は健康にプラスと言われている。それは、栄養成分で言えば、カロチン系統を多くとろうということだろう。それにはどうしたらよいか考えてみればよい。 含有成分量を眺めれば、皮を剥いた生人参の摩り下ろしは、結構多量に摂取できることに気付く筈。 人参が嫌いな人はどうしようもないが、これに好みの調味料を加えれば、結構楽しめる料理になりはしまいか。ほんの少量(10g:1本で200g位はあるのが普通.)で、β-カロテン当量で820μgも摂取できるのだ。これなら、常食にしてもよかろう。 さらに緑野菜を1/4把程度食べる習慣はどうか。 この辺りで、健康に気遣う食材選びを終わりにしたいところなのだが、現実は上記に述べたようなことより、健康を阻害しかねない成分の取りすぎ防止策を考えることに力が入る。 まあ、それも悪くはないが、マイナス思考は楽しくなかろう。 食べすぎず、揚げ物のような高カロリー食品を少なめにする程度で対応したら如何かと思うが、どうだろう。
しかし、それがどの程度問題かは、食全体のバランスで見る必要がある。小生は、 揚げ物を余り食べないから、油脂摂取量で見ればバターの数値が影響を与えるとは考えていない。 市販の半ポンド紙箱入りバターは180g。一回使う量などたかが知れている。小生の場合、せいぜい5g。 健康のために、美味しい食事を切るのは考えものである。大量に摂取しないようにすればよいだけのこと。 バターに限らず、動物性の脂がお好きなら、脂リッチな食事をハレ食にしたらどうか。普通の日は、安物の脂を食べず、そのかわり、特別な日の食事として、高価で美味しい脂食にするのだ。そうすれば、脂食の楽しさは倍増するのではなかろうか。 食の設計はあくまでもプラス思考で行きたい。嬉しさなき食事など御免こうむる。・・・これが、初心者が食事作りを続ける上での鉄則。 バターにしても、ビタミンA(レチノール)は1gには5μgも含まれているのだ。それに対して、マーガリンはゼロ。 ただ、そうは言っても、バターは高コレステロールであることは確か。溶かしバターでギラギラしている料理を日常的に食べることはよそう、程度は必要ではある。 もっとも、そんな食生活をするとバターの消費量が減ったりすると、バターが酸化してしまったりするから、注意を要する。酸化した油脂にはどんな成分が含まれているかわかったものではないからだ。 --- 参照 --- (栄養成分のデータ) JST 食品成分データベース http://fooddb.jp/ にんじん/根、皮むき、生 http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06214_5 糸引き納豆 http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04046_5 生揚げ http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=4_04039_5 バナナ/生 http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07107_5 有塩バター http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=14_14017_5 ソフトタイプマーガリン http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=14_14020_5 ヨーグルト/全脂無糖 http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=13_13025_5 干しえび http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10330_5 しろさけ/新巻き、焼き http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10138_5 まいわし/丸干し http://fooddb.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10052_5 「料理講座」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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