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2008.3.26
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味がわかってきたらマヨネーズ自作…


 泡立て器(ホイッパー)には、結構色々なものがある。金属部分に様々な工夫が凝らされているらしい。
 購入にあたって大切なのは、そんなことより、自分の手にしっくりくる大きさと重さの確認である。


 根菜類の蒸し料理をお勧めしたが、マヨネーズで賞味された方もおられたのでは。取立ての新ジャガなら、バターあるいはマヨネーズだけでご馳走だ。本当は塩だけで味わうことをお勧めしたいのだが。
  → 「蒸し料理の話」 (2008年1月17日)

 このマヨネーズだが、昔は、それぞれの家で好きな商品が決まっていたものだが、多種多様な商品(1)が登場すると、そんな習慣もなくなるのかも知れない。
 ということもあり、今回は“自分味”のマヨネーズ作りをご提案したい。

 間違ってはこまるが、市販のマヨネーズ利用を止め、手作りでいこうなどという大それた話ではない。
 初心者に、そんなことができる訳がない。そもそも、手作りマヨネーズは、普通は失敗するものである。(それを防ぐ手立てはあるからご心配なく。)
 しかも、家庭で作ったものは均一性が保証できないし、殺菌していないから、残りものには食中毒のリスクがある。工業製品と違って、長期保存は無理である。
 従って、下手をすると、工業製品の素晴らしさを実感するだけの勉強になりかねないが、それはそれで、ご自分の好きな製品を選ぶ力がつくと割り切って考えて欲しい。
 と言って、もちろんそんなことを狙っている訳ではない。料理の重労働さを体験し、味付けのコツとはどんなものか、感覚的に知ってもらおうとの企画である。初心者にとってコレ結構重要なのだ。そうでないと、失敗しても、自分で対策が立てられないから、自炊を諦めてしまうことにつながりかねない。
 マヨネーズ作りをお勧めするのは、お気軽に失敗できるからでもあると言ったら、言い過ぎかも知れないが、まあ、そんなところ。
 尚、ほとんどが油からできている高カロリー食品だから、もし美味しくて感激しても、取りすぎなきよう。

 さて、勉強の仕方だが、どう食べるか計画を立ててから始めて欲しい。後はご随意に。

【まず、マヨネーズを使う食事シーンを決める。】
蒸した新ジャガでもよいし、茹で肉や、魚のフライ、という手もあろう。
比較的簡単にできるものがよいだろう。 食べる時間に合わせ、食事全体の調理計画を立てること。
夏なら、冷えたトマトで一杯で済みかも。この場合は、湯剥きし、冷蔵庫で予め冷やしておく必要がある。
“カツ丼には○社の「○○○マヨネーズ」が合います。”(2)という人もいる位で嗜好は千差万別。
小生はとても食べる気がしないが、お好きなように。

【ご自宅で使っている市販のマヨネーズが切れていないことを確かめること。】
比較対照として使う、と言うのは表向きで、失敗したら、こちらを使うだけのこと。
それに、もう一つ重要な役割があるのだが、それはさらにお読みになればわかる。

【器具はボウルと泡立て器だけ。新たに購入するのも一案。】
自宅にあるものが使い易いとは限らない。結構な仕事量なので、自分の“手”に合う感覚は重要である。
ダブって邪魔だし無駄な出費だと言われても、気に食わない道具なら使わないこと。
購入するなら、安物買いの銭失いにならないように。長く使う気で選んで欲しい。
電気器具があれば使ってもよい。マヨネーズは最初の攪拌にコツがいるから、説明書をよく読むように。
尚、酸(酢)を使うから、ボウルはガラスや陶器が望ましい。
(珍しく道具購入をお勧めするのは、泡立て器を使って他の料理も試みて欲しいから。)

【素材は自分で考えて選ぶ。】
少量作ろう。しかし、余りに少ないと技術的に困難なので、どうしてもコップ1杯分になる。
家にある素材で挑戦してもよいが、折角なら、自分で用意したいものだ。
製作に成功すると、素材の良し悪しがわかるからである。
ただ、使うのは購入したもののほんの一部。汎用食材なので、残りは普段の料理に回すことになる。
油は、普段慣れているサラダ油が無難だが、自分が美味しいと思うものにしてみるのもお勧め。
   (なたね油/キャノーラ油, 大豆油, べに花油, 綿実油, コーン油, オリーブ,等)
酢は、仏風なら白ワイン酢、英風はモルト酢、米風はリンゴ酢、和風は純米酢といったところか。
量は適当でかまわぬ。ただ、以後のために書き留めておくこと。
 ・鶏卵 黄身1〜2個
 ・油 コップ1杯弱程度(150〜180cc)
 ・醸造酢あるいは柑橘類果汁 ほんの少々(スプーン1杯程度)
 ・塩 ごく僅か
 ・香辛料 適宜(例えば胡椒とマスタード: 香りにこだわるなら胡椒は挽きたて)
 尚、砂糖や蜂蜜等の甘味系を加えると味付けが難しくなるから、初心者は加えないこと。

【後は、結構重労働であることを覚悟して、ただただ攪拌するだけ。】
1 卵を容器に割り入れ、黄身だけ取り出してボウルに入れる。
2 塩、香辛料を少なめに振り掛ける。酢は入れない。
3 油を少量加えて、油部分を中心に徹底的にかき混ぜる。
4 よく混ざったら、さらに少量油を加えて、同じことを繰り返していく。手を抜くと失敗する。
5 それでも、巧く混ぜることができないことはある。(油が分離してしまう。)
  失敗と思ったら、市販のマヨネーズを少量加えてかき混ぜれば、間違いなく復活。
6 どうやらマヨネーズらしくなったら、そこでさらにひとしきり攪拌するとよい。
7 そこで、酢を入れて攪拌。味を見て酢の量を調整。
8 その上で、塩、香辛料を適宜足し、また攪拌。好みの味になったら完成。
  初心者は味の調整が結構難しいかも。それでも、食べられるものはできる。
  上手くいけば絶品だが、初回は期待しない方がよい。勘が良い人は2回目から美味しい。
  繰り返しになるが、美味しいといって食べ過ぎぬこと。

【食べればわかる和と洋の違い。】
ここまで書けばおわかりだろう。マヨネーズは他の素材につけるもの。要するに、ソースだ。
素晴らしいソースをつければ、どんな素材でも結構美味しく頂けるものだ。
これは和のコンセプトとは違う。素材そのものが持つ微妙な味の峻別は難しくなってしまう。
それを理解するのが、マヨネーズ自作の狙いである。

 --- 参照 ---
(1) 製品紹介 [全国マヨネーズ・ドレッシング類協会] http://www.mayonnaise.org/member/index.html
(2) http://www7b.biglobe.ne.jp/~kawai/mayo/index2.html#column
  [マヨネーズマニアの個人サイト“日本マヨネーズ学会 http://mayo.alljapan.com/”の中の記載 ]
(泡立て器のイラスト) (C) KANO'S FACTORY http://www.chocolat25.com/kfactory/


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