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2008.4.2
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蒟蒻の炒め物のお勧め…


 豆腐百珍はよく聞くが、蒟蒻百珍という本もあるそうだ。
 それほどまでして食べるものではないような気はするが。

 ともあれ、日本人が好きな食感であるのは間違いなさそうだ。
 実際、スーパーでも常時沢山置いてあるし。

 ところが、統計数字から見ると、偶にしか食べない食材のようである。
 特段の栄養成分が無い割りに手がかかるからかも知れないが。

 今回は、この蒟蒻料理をお勧めしたい。


 味付けがなんとなくできるような感じになったら、さらに煮物の腕を極めるのもよいが、炒め物を始める方が実力がつくと思う。
 ただ、家庭用調理器具は火力が弱いから、野菜炒めは、残念ながらたいしたものはできない。

 しかし、それでも止むを得ないという状況なら別である。小生も独身の時は、野菜炒めは定番メニューだった。一人だと野菜が大幅に余るからでもあるが、肉系出汁の素と塩だけの味付けでも結構食べられるし、同じ味では飽きるという場合は、醤油系でもよいし、ウースターソース、トンカツソース、牡蠣ソース、等々を使うことで簡単にバラエティも実現できるからである。
 だが、今でも同様な環境下ならしかたがないが、短時間でお金をかけない料理のイメージがあり、いかにも味気ない。

 どうせ学ぶなら、なんとなく手がかかっていると感じさせ、酒にも合う料理がよいだろう。

 その秘訣は、炒める対象素材にある。
 逸品は蒟蒻。
 下ごしらえが必要なので若干面倒だが、(1)低カロリーだし、美味しい味付けさえできれば、なかなかのモノ。一度試しておくだけの価値はあると思う。

 ただ、どんなレシピにするかが、料理の初心者にとっては重要である。
 たとえば、蒟蒻のレシピ(2)を見ると、色々あるが、どうも手が入りすぎていたり、オリジナリティがありそうなものが多い。そもそも炒めものが少ない。
 一方、昔からの家庭料理といえば、様々な煮物と決まっている。炒りはあまりお勧めではないようだ。
 なかなか手ごろな料理はないものだ。

 だがレシピがすぐに見つからなくても、結構知られているのが牛肉との炒めもの。
 この料理は、板状の蒟蒻を茹でて臭みをとり、食べる大きさに切り炒めるだけだから、簡単そのもの。技量の差が出にくいし、自分の味で作れば、それなりにイケルから、味付けに自信がついてきたら格好の題材である。

 そうは言っても、蒟蒻の切り方には薀蓄を傾けよう。というほどものものではないのだが、2通りあるからお好きな方を。

 1つ目は、手をかけた繊細な料理臭く見せるやり方。この場合、包丁で短冊上に切ってから茹でる。その上で、その中心に切れ目を入れ、手で片端をその穴から通してひっくり返す。いわゆる「手綱」にするのである。
 2つ目は、豪快さをウリにするやり方。包丁でなく、手でちぎるだけ。上手くいかなければ、包丁で乱雑に切ることになるが、そうなると面白みはゼロ。

 どうあれ、調理は、食べられる大きさに茹でたものを、油で炒るだけの話。幸運なことに、炒り過ぎで食べられないことは滅多にない。

 ただ、炒り蒟蒻に、調味料を加えるだけの料理では芸が無さすぎる。やはり肉を加えたい。
 牛肉の好きな部位の塊を買ってきて、大振りに切るだけ。
 繊細さを求める場合は、綺麗に同じ大きさのサイコロ状に切ったらよいし、豪快さを訴求するなら、不揃いが楽しかろう。末梢的で、どうでもよい話だが、料理文化とはそんなもの。
 つまらぬことにこだわる余裕が無くなると、自炊は面白くなくなる。

 まあ、蒟蒻を炒めてから、肉を入れることさえ間違わなければ、失敗することはない料理である。
 肉を入れたら、調味料(醤油,味醂,砂糖,酒)も適宜加えて炒めれば完成となる。炒め具合は、牛肉だから、全くもって個人の好み。

 ポイントは、最後に七味を振り掛けることか。
 これも好き好きだが、蒟蒻は何故かこれが合う。
 「こんにゃくのピリカラさいころ」(3)もそうだが、“唐辛子のぴりっとした辛さと角切りこんにゃくの歯ごたえが絶妙!”なのである。

 肉がどうも、という場合は、蒟蒻は止め、白滝と葉野菜の炒めものにするとよい。こちらの場合は、唐辛子は避けた方がよかろう。

 --- 参照 ---
(1) 日本こんにゃく協会 「おいしく食べよう こんにゃくの上手な下ごしらえ方法は?」 http://www.konnyaku.or.jp/tabeyou/f_tabeyou02.html
(2) 共栄蒟蒻 こんにゃく料理レシピhttp://www.konnyaku.com/recipe/
(3) 茂木食品工業 こんにゃくと下仁田ねぎのぜいたく庵http://www.zeitaku.jp/recipe/recipe_06.htm
(蒟蒻の写真) [Wikipedia] Konnyaku.jpg http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Konnyaku.jpg


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