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2008.4.16
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搗き立て餅づくしを味わおう…


 一般に餅料理といえば、切り餅調理。
 だが、餅食の本当の嬉しさは、搗き立て餅でなければわかるまい。
 そんな機会は、イベントの時位というのでは、余りにさみしい。
 そう思い始めたのは、餅食文化に触れてから。
 一時に10種類以上の餅料理が腹に収まったから驚いた。どうして、これほど食べれるのが不思議。
 ともかく、わかったのは、餅そのものが持つ風味と、作りたての餡類の美味しさ。
 是非、一度味わって欲しい。


 今回は餅料理の解説。
 と言うほどの内容ではないが。

 お餅は、ご飯に比べ、凝集しているからカロリーは高い。しかし、消化はゆっくりだから、血糖値は長時間安定している筈。ココだけは結構有難い特徴だ。
 まあ、こんな健康の話はさておき、日本の伝統を味わおうとの趣旨である。
  → 「日本の餅文化起源仮説」 [2007年10月31日]

〜もちづくし(1)
お雑煮(野菜の千切り鶏出汁)
あんこ餅(水増漉し餡)
えび餅(炒り沼蝦)
アメ餅(麦芽糖に黄粉)
納豆餅(刻葱入)
ずんだ餅(枝豆餡)
豆腐餅
わさび餅
ごま餅(擂り黒胡麻)
くるみ餅(擂り胡桃)
しいたけ餅(出汁葛がけ生姜入)
果報餅(粒餡)
きじ[ふすべ]餅(雉肉入牛蒡大根擂り卸)
じゅうね餅(擂りエゴマ)
簡易版
ねぎ餅(刻葱醤油)
柚子味噌餅
普及版
安倍川餅(黄粉)
からみ餅(大根おろし)
みたらし/生醤油餅
磯辺餅(醤油+海苔巻)
 間違えてもらってはこまるが、焼餅料理ではない。そんなものなら、切り餅を買えば、いつでも食べられる。
 搗き立てのお餅を楽しもうという企画だ。こんな機会はそうそうないのでは。
 つまり、搗き立て餅に具材をかけ、しかも右表に示すようにできる限りバラエティ感を演出し、気分を盛り上げようとの嗜好。表では、季節分類になっているが、一切気にせず、できるかぎり多種のものを食べることを目指す。5種類は欲しいところだ。まあ、半分お祭気分で、ハレ食的に楽しく作ろうということ。

 ただ、品数を多くすると言っても、必須品目がある。汁モノとしての位置付けも兼ねる雑煮だ。もちろん、お好きな出汁で野菜を入れ煮た汁に御餅を入れるだけのこと。
 これに、餡子の甘系だけでなく、葛がけ醤油味、葱や辛子を入れた納豆のような多少の刺激系、胡麻や胡桃のようなしっとりした油を感じるもの、等を揃える。種類は多ければ多いほど嬉しいものである。
 この手の豊富なバラエティ感こそが、日本ならではと言う感じがする。

 おっと、餅以外の料理も忘れてはならない。
 大根を使った野菜の膾をつけること。消化を助けるし、皿を変える際に、さっぱり感は嬉しいものである。従って、大根おろしを使った“からみ餅”はできれば避けた方がよかろう。

 そうなると、先ずは餅つきからだが、そんなことが簡単にできる訳もないから、以下の5通りから選ぶことになる。
  (0) 蒸し器、臼と杵を借りてきて、本格的に餅を搗く。
  (1) 電動餅つき機を購入し、自動で作る。
  (2) 切り餅を購入し、湯で茹でるか、電子レンジで柔らかくする。
  (3) ミキサーでもち米を粉化し、電子レンジで搗きたて風の餅を作る。(2)
  (4) 餅米粉を購入し、電子レンジで搗きたて風餅を作る。
なんと言っても、(1)の餅つき機がお勧め。この場合、少量作れないので、どうしても餅が余ってしまう。そこで、打ち粉(片栗粉でもなんとかなる.)をふって板状にし、少し硬くなったところで切り餅で冷凍保存することになる。
(2)の市販の切り餅の原料は、正真正銘のもち米とは限らず、餅米粉品や澱粉添加品もあり、品質はバラバラ。水分量もかなり差があるから、柔らかくする所要時間も異なる。ものによってはベトベトしてどうにもならなくなる。そうなると、はっきり言って不味い。失敗覚悟で試して欲しい。
(3)は、十分水に漬けたもち米を機械的にグジャグジャにする訳である。それ位なら (4)の餅米粉が楽かも知れない。粉を水で練ってしばらく放置してから、ラップで包んで電子レンジで加熱し、水に落とせば、餅らしきものができる。それなりの風味はある。

 搗き立て餅さえできれば、雑煮用の汁と、餅に掛ける餡類さえ用意してあれば、すぐに食べられる。

 くり返すが、この料理は焼いたり揚げたりしてもよいから、餅を食べようという企画ではない。柔らかい搗き立ての食感と、もち米の風味を楽しむことに意義がある。

(磯辺餅と言えば普通は焼餅を使うが、ここでは搗き立て餅である。)
 と言うか、こんな食を楽しめるか、自分で考えてみるよい機会なのである。もし、面倒でつまらないと感じたなら、自分に正直になった方がよいと思う。
 食事より他のことに関心があり、本当のところは、自炊に時間をとられたくないのかも知れない。無理に自炊をするのはよした方がよい。

尚、余ってしまった餅は冷凍保存し、そのうち、いわゆる切り餅料理で食すのが一番だろう。高カロリー食だが、フライパンでバター焼という手もある。ただ、テフロン加工のフライパンは高熱空焼きができないから、こうした料理には余り適していないからご注意のほど。

 --- 参照 ---
(1) [一関市・花泉町商工会] http://www.echna.ne.jp/~hanasho/mochi/mochizukusi/index.html
  [いわての文化情報大事典] http://www.bunka.pref.iwate.jp/seikatsu/ryouri/shousai/ryouri_020.html
(2) 「つきたてもち」 http://yahooyahoo.info/2007/12/post_166.html
(お正月のイラスト〜家族で餅つき〜 [縮小加工])  (C) natomi miwa “イラストレーター なとみ みわ”
  http://www002.upp.so-net.ne.jp/natomi/index.htm


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