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オジサンのための料理講座 ←イラスト (C) SweetRoom 2008.6.25 |
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アメリカ料理の思想を取り入れてみる…日の丸を見慣れていると、Stars & Stripes は派手だとつくづく思う。侘び寂びの茶室はshabby houseと見られかねないということ。 見かけは思った以上に重要なのである。気分も大きく変わるし。 そんなことを実感させられたのはリゾートエリアでのこと。 美しい服装の方と毎日ご一緒させて頂く喜びを知ったのである。 それもその筈、パーソナルカラーの専門家だった。 アメリカ合衆国料理というと、その代表はファースト・フードとされる。迅速で、安価で、それなりに美味しいから、世界中で人気がある。 もう一つは、冷凍食品。スーパーには様々な調理済料理が並ぶ。便利このうえない。 なかなかよくできている仕組みだと思うが、批判的言辞ばかり目に付く。 確かに、すぐに美味しさを実感させるため、脂質や糖分が多いのは事実だ。従って、どうしてもカロリーは高くなる。安価で安定的な素材調達を図るから、基本素材はバラエティに乏しく、偏った栄養摂取になりがちになるだろう。 これを和食のセンスで眺めれば、大味でボリュームな料理と言うことになる。 しかし、米国で生活している人の目でみれば、日本料理の蕎麦など、スープの油分は皆無だし、味といえば塩からいだけ。しかも、ネギの匂いでは消せないほど強い魚臭さを感じてしまう。しかも、そんなものを食べるのに5ドルもかかると聞けば、驚かない人はいないのでは。 食文化を単純に割り切るのは危険このうえない。と思いながら一刀両断したくなるのだが。 → 「外食文化の比較 」 (2008年6月23日) そんな文化の違いを理解した上で、米国料理を自宅で楽しむにはどうしたらよいか。 これは、結構難しい問題である。 もっとも、アメリカ料理は、ビールとBBQだよと簡単に決めることも可能である。テーブルマナーから離れ、イベントを兼ねて皆で楽しく食べるところに意味がある料理だ。コミュニティ活動を大事にするお国柄を反映したものと言えよう。 ただ、これは料理技術を云々する料理とは言い難い。 そうなると、肉料理なら、ハンバーガーかステーキが思い浮かぶ。だが、フライドポテトとシーザースサラダをつけ、シフォンケーキとパニラアイスクリームとコーヒーというパターンになりかねない。これでアメリカの雰囲気を楽しむのは、どうも気分が乗らないのである。 と言って、ローストターキーに挑戦するには力量不足。 それなら、この国の思想を取り入れた現代「洋食」を創作してみるか、という気になってきた。 という事で、先ずは、この国の特徴を考えてみた。 一番目立つのは、新しい料理を生み出す気風ではないだろうか。コーンフレークの朝食など典型だ。 これはとても料理と呼べる代物ではないが、レストランでも、同じコンセプトのものがある。Soft Shell Crabは脱皮直後の蟹を揚げただけであり、どう考えても、同じ感覚だ。蟹は、食べるのがえらく面倒だが、これなら丸ごとすぐに食べれるからだ。こんな便利なものはなかろう。もちろん美味しい。 もっとも、ロブスターを鍋で茹でて、バサッと割って食べるのは面倒ではないらしいから、小さなものは食べた気がしないだけかも。 大雑把な気質ということだろう。なにせ、余りの熱さで海老君が飛び出してキッチン内行方不明になったりするから注意しろという話を聞かされたことがある。コレ米国流冗談でもないらしい。 ともあれ、複雑な細工に近い調理は嫌われるのは間違いなかろう。 もう一つ目立つのは、移民の母国料理の取り込み。まあ人種の坩堝だから、ここら辺りが一番のアメリカらしさかも。 その取り入れ方もいろいろで、アメリカンピザのようなものもあるし、南部料理のように文化が融合したものもある。 これらを見ると、自らの好みを浮き出させることに注力してきた感じがする。 流行の寿司にしても、酢味を薄くしたCalifornia Roll(アボガド、カニカマ、マヨネーズ)を発明した。コレ、なんといっても色どりが美しい。それに、食べやすさを重視している。日本のように、素材の季節感や鮮度を楽しむことなど眼中になく、蛋白質と脂分の美味しさを担保しながら、御飯を寿司形式で食べることに注力していると言えよう。そして、なによりも重要なのはカラフルな外見である。 ここ辺りが、アメリカ料理のポイントではないか。 色の美しさを強調した、プリゼンテーション料理を出すレストランは少なくないし。 これが当たっているとしたら、こうしたセンスを借りて、御飯を中心としたカラフルな料理を作ってみたらどうだろうか。ただ、酒で始まり、デザートで終わる必要があろう。 この場合注意が必要。和も様々な素材を使うから相当カラフルだからだ。しかし、その意味は相当違う。日本の料理は禅宗の五色理論の影響が強いから、色のバラエティを重視する。多色という視点ではカラフルだが、色は混ざりあうから彩度は落ちる。それは、アメリカンのカラフルとは違うと思う。色の主張があってこその、カラフルだと思われる。 そうなると、アメリカンなら、色を統一する取り組みもありそうだ。 おそらく、日本のセンスでは、そんな発想は生まれまい。食を軽視しているとされ、嫌われるのではないか。 しかし、早い話、これは色の遊びである。食を通じて、生活の「ゆとり」感を満喫しようという考え方だ。これは、心の健康にとっては重要なのではないだろうか。そんな発想が米国流とはいえまいか。 ということで、簡単にできそうな料理を集め、日本人のテーストで許せそうな御飯メニューを考えてみることにした。そして、欠かせないのが、テーブルのお花。これが核心。。 ただ、和の食卓には、思想性が必要だからと思い、歌をつけてみた。 色にこだわって設計してみて、つくづく思った。なんと以下のように、8つものコースがつくれるのである。(■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■) 世界から多種多様な食材を、よくもここまで細々と集めているものだと感嘆。しかも、それぞれの料理に思い入れを持っているファンが必ずいそうだ。それが日本の特徴でもあろう。 尚、個別の料理は珍しくないものだから、それなりに美味しいが、それらを組み合わせたコースが、読者の方々のお口に合うかは保証のかぎりではない。ご注意のほど。 それでは、何故、こんな料理をお勧めするかといえば、今のうちに、ご自分でコースを設計しておいて、夏休みには皆さんにご馳走してみたらいかがだろうかというご提案。 別にBBQを否定する気はないが、日本人が一番好きなのは、こじんまりした席での、知的なセンスを感じさせる食事ではないか。
--- 参照 --- (1) 伊藤洋: 芭蕉DB http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/basho/haikusyu/sakazki.htm (2) 【妄想シャンパン】[2008年01月21日] フォト五七五と泡々な日々 http://champagneman7.shashin-haiku.jp/c710.html (3) 詩詞世界 http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/shi3_07/rs226.htm (4) 井山計一のホームページ 雪国http://hub36.com/iyama/products1.htm (5) みだれ髪 臙脂紫 J-TEXTS 日本文学電子図書館 http://www.j-texts.com/meiji/midareg.html (6) yahantei: 「鬼怒」に連なる俳人たち 謎句を解く(八十九)[2007.5.4] http://ameblo.jp/yahantei/archive2-200705.html (7) 『季刊芙蓉』第43号 [2000年春] http://www.ranjo.jp/zenbun/haiku/index.htm (8) 田村隆一: 「青いライオンと金色のウイスキー」 筑摩書房 [1975年] (国旗のイラスト) (C) National flag & Road sign Mt. http://nflagrsign.xrea.jp/ 「料理講座」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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