トップ頁へ>>> オジサンのための料理講座
←イラスト (C) SweetRoom 
2008.7.2
「料理講座」の目次へ>>>

 


アクアパッツァのお勧め…


 漁師料理アクアパッツァの原型はこんなところではないか。
   ・魚をざっくりと包丁で切って鍋に入れる。
   ・胡椒を轢きながらばら撒き、かぶる程度に海水を注ぐ。
   ・適当に切ったトマトを上に乗せる。
   ・エクストラバージンオリーブオイルを少々ふりかける。
   ・さらに、自家製の塩漬けケーパーをちらし、軽く、塩と胡椒を振りかける。
   ・蓋をして煮立たせたら、弱火で火を通す。
   ・大皿に魚だけとり出し、鍋の汁を煮詰めてから魚にかける。


 今回は、イタリアの魚介料理“アクアパッツァ(acqua pazza)”。

 家庭料理で、レストランテ料理に十分対抗できるから、是非挑戦して欲しい。
 もともと漁師料理だから、細かいことを気にせず、ざっくり作ろう。これが楽しみのひとつでもある。・・・尚、家で作る方が美味しいのは、新鮮な魚が手に入った時につくるから。このことを忘れないこと。
 それに、好きなワインを自分で選んで飲めるのも嬉しい。だからこそ、料理の味も引き立つというもの。と言うより、冷えた白ワインを楽しむための料理と割り切るとよい。

 ウエブを検索すると、様々なレシピが掲載されているから、わざわざ紹介するまでもないが、オジサン向きの作り方がある。これをご教授しよう。
 と言っても、創作ではなく、教えてもらったのだが。

 当たり前だが、廉価で新鮮な魚が手に入るかは当日にならないとわからない。従って、前もって予定は立たない。ご注意のほど。ただ、魚以外は保存食品や、新鮮である必要もない野菜だけだから、魚さえあればすぐできる。
 用意する道具も、フライパンだけだ。蓋がないと駄目だが。できれば、中が見えるガラス入りの蓋を使いたい。

 そうそう、ここで重要なことが一つある。魚はカサゴに限る。新鮮な磯の魚を楽しむということ。尚、季節は気にしない。
 ともかく、他の白身魚、ましてや、切り身など絶対に使わぬこと。そして、貝や海老も厳禁。
 面倒だから、魚屋さんに、カサゴの下処理を頼むとよい。自分で処理すると美味しくなる訳でもないから、気にしないこと。

 それでは、調理のしかたの説明に入ろう。

■キッチン常備品の確認■
アンチョビも含め、以下に記載されていない余計なものは一切使わぬこと。
これがとても大事。香りで食べる料理でもあるからだ。
(アンチョビがあるならバーニャカウダ(Bagna Cauda)も加えよう。オリーブオイルにアンチョビとニンニクの微塵切りを入れて煮立て、このソースに様々な生野菜をからめて食べるだけ。極めて簡単。)
 【塩】
   安物は駄目である。塩をなめて美味しいと思うものを。
   まあ、この料理に限らず、塩は重要だから、気に入ったものを置いておこう。
 【香辛料】
   胡椒だけ使うレシピもあるようだが、それではつまらぬ料理になってしまう。
   と言って、ローリエはあっても、ローズマリー、タイム、オレガノまでは揃えていないだろう。
   従って、「ハーブソルト」を購入しておく必要がある。重宝するから買っておこう。
 【ケッパー】
   品質がしっかりしていそうな瓶詰めを購入しておくこと。
   ケッパー好きで他の料理にもよく使うなら別だが、小さいものがよいだろう。
   酢漬けタイプをそのまま使う。塩漬けもあるが、塩が強過ぎるからお勧めできない。
 【オリーブ】
   品質確実な製品を選ぼう。種抜きの瓶詰めか、缶詰を購入しておく。
   不味いものにあたるとえらい目にあうから、できたら食べたことのあるものにしたい。
 【白ワイン】
   料理用と記載されていない、廉価な辛口ワインをお勧めする。
   酸化防止剤が入っていないものが望ましい。
 【オリーブオイル】
   熱をかけるので、香りはとんでしまうから、汎用品でよい。
   香り付けにエクストラバージンオイルを使う必要はない。
   パンにつけた方がよい。

■野菜の準備■
野菜類としては、以下のものが欲しい。
余計なものは絶対に入れないこと。
 【ニンニク】
   薄切りにして、オリーブに入れて香りを出す用途である。
   ただ、微塵切りではなく、薄切りで。好きな量で結構。
   ニンニク嫌いなら、エシャーレットで代用する。
 【トマトとタマネギ】
   トマトは完熟の生トマトのぶつ切り。タマネギは普通のものを薄くスライス。
   熟しすぎのトマトがあれば、その方がよい。硬いものは駄目。
   ドライトマトがあるなら、オリーブオイル漬けにして前菜として別途出そう。
   野菜好きなら大量に入れても一向にかまわない。
 【パプリカ】
   彩りとして黄色野菜を入れる。高価な時もあるが、致し方ない。
   尚、似ているからといってピーマン類は絶対に入れないこと。確実に不味くなる。
   カラーピーマン(熟れたピーマン)を間違えて入れぬこと。
 【パセリ】
   本来はイタリアンパセリだが、お店にあるとは限らないので、パセリにする。
   微塵切りを振り掛け、香りと、緑色の彩りを楽しむだけの用途。
   パセリの香りが好きでないなら、無しでも致し方ないが、是非欲しいところだ。

■調理の手順■
作るのに、30分以上かかることはない。
量は適当。
 【1: 魚にハーブソルトをふる。】
   魚の水気を拭き取り、ハーブソルトを振り掛ける。
   塩をなじませる時間は不要。
 【2: オリーブオイルにニンニクの香りをつける。】
   フライパンにオリーブオイルとをニンニク入れ弱火加熱し香りを出す。
   ニンニクは取り出さない。
 【3: 魚の表面を軽く焼く。】
   火を多少強め、魚を入れて両面を軽く焼く。
   火を中まで通さぬこと。
   油は捨てない。
 【4: 野菜等を加えて蒸す。】
   軽く焼けたら、白ワインを注ぐ。適当な量でかまわない。
   煮立ちそうになったら、切った野菜類、オリーブ、ケーパーを一気に入れる。
   野菜を多くした時は塩を少々ふる。
   蓋をして、蒸す。
   蒸せればよいのだから、火を弱めることを忘れずに。
 【5: 熱い皿に盛る。】
   蒸し上がったら蓋をあけて味を見る。
   必要なら塩をふって味を整える。
   冷えないように、暖めた皿に移してパセリを振りかける。

 アクアとは水のことだが、このレシピでは水は使わない。油と白ワインだけ。

 --- 参照 ---
(笠子のイラスト) (C) STUDIO HATA 「海の素材集」 http://www.otomiya.com/sozai/index.html


「料理講座」の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2008 RandDManagement.com