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2008.8.27
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まだ暑いのにホットチョコレート…


 ホットチョコレートとホットココアは違うもの。
 単純に言えば、カカオバターの有無ということ。
 しかし同一原料だから同一視する人も少なくないようだ。

 当然ながら、両者ともに冬の飲み物と見られている。
 夏なら、アイスココアという人も多かろう。
 しかし、ホットチョコレートで夏の朝食という手もある。
 暑いさなかに、熱い煎茶という感覚で試されたら如何。
 そして、お昼に冷たいものを。


 スペイン人Cortesがアステカ王国を崩壊させ、カカオを持ち帰ったのは1500年代のこと。今では、お菓子にはなくてはならないものになった。

 小生の知り合いにも、チョコレートが生活の一部と化している方がいて、このために毎日運動しているのだとか。それでもカロリー過多になるので、量を減らす努力はしているがなかなか守れないそうだ。チョコレートの魅力はすごい。
 日本市場はとんでもない状況だから、それも避けられまい。なにせ、ウイーン本場の生菓子“Sachertorte”まで並んでいたりするのだから。世界の名だたるブランドは日本でほとんど手に入るのではないか。その上に、挑戦的なチョコレートブティックも揃っているし、パティシェも独自のチョコレートをケーキの横に並べていたりする。

 当然ながら、どんな製品があるのか調べている人もいるわけだ。網羅性のほどはわからぬが、「世界のチョコメーカー」(1)というサイトがあった。
 う〜む。
 半端な数ではないのである。これでは、とても色々と試してみるような気にはならない。
 だが、よく見てみると、なかなか面白い。

 というのは、国別のリストになっているが、日、英、仏、ベルギー、米、スイス、蘭、独、伊、その他、で、欧州に持ち込んだ「西」はその他扱いなのである。
 歴史的には西洋の発祥の地だし、チョコレート産業も盛んなのだろうが、(2)世界的に見ればその程度の位置になってしまったということ。

 今の覇者はどの国なのかはよくわからぬが、ベルギーが有名だ。特に、ベルギー製品だからどうということもないように思うが、グローバルブランド化を考えたビジネス展開をしてきたことが功を奏したということだろう。
 と言っても他国が手を抜いていたのではない。蘭はココアパウダー開発、 英は食べるチョコレート開発、スイスはミルクチョコレート開発、米は食べ易い一口形状での大量生産と、それぞれ先行したが、及ばずといったところなのだ。
 ちなみに、小生は、スイスやフランスのショップ製品が美味しく感じる。流行っている店でも、どうも今一歩という製品だったりすることも少なくないので、選択はなかなか難しいが。

 前置きが長くなったが、こんな歴史を感じながら、チョコレート料理に挑戦してみようというのが、今回の講座。
 と言っても、手作りチョコレートはそう簡単ではない。バレンタインデー用にと、ご近所の小学生が拙宅で家内と一緒に作った覚えがあるからだ。一所懸命なのはよくわかるが、成果物は指跡だらけ。美麗な箱入りではあるが、プレゼントされて勇んで開けた男の子はどうしただろう。えらく気になったが、まさか、質問もできないし。

 オジサンが挑戦するのなら、やはりスペインのホットチョコレートではないか。貴族のチョコレートではなく、労働者のチョコレートという雰囲気があって、これはこれで楽しいと思う。
 適当に、好きな味につくればよいということ。できれば、“Churros”と一緒というのが雰囲気がでて楽しみが増す。
 チュロスは薄力粉を、微量の塩を溶かしたオリーブオイルで練ったものを、星型の口金から絞りだして、油で揚げ、粉砂糖をふっただけのもの。イベント会場等で結構見るようになってきたし、コンビニで売っていたり、パック菓子まで登場しており、珍しいものではなかろう。
 面倒だったら、相当違うが、ドーナッツでどうだろう。どちらにしても、カロリーはいかにも多くなるが、たまになら許されるのでは。

 ホットチョコレートのつくり方は好き好きだが、こんな手順か。
 好きな「ブラック、ビター」タイプの板チョコレート半分くらいを砕いたものに、少量のミルクをかけて、電子レンジで溶かす。これにミルクを加え、十分攪拌し、再度暖める。
 これだけだが、濃厚だから香りは欲しい。
 オレンジの皮を擦り卸すのがよいが防黴処理がありそうだから、グランマニエ数滴で代替と行こう。
 そして、忘れずにシナモンスティックを添えること。シナモン大好き人間なら、シナモンパウダーをふりかけるのもよかろう。

 プロは濃厚さを強調するため生クリームを加えたりするようだが、チョコレートにはすでにカカオバターが入っているからやめよう。カロリーが気になる場合は、超ビターなチョコレートを使い、ココアパウダーを牛乳で練ったものを加えるしかない。だが、そんなことをするとココアタイプに近づいてしまうので面白くない。

 ホットドリンクで濃厚だが、オープンエアーでの休日の朝食にどうだろう。
 ともかくカロリーだけは十分とれるから、力はでる。夏休みの遊び疲れた体には最適では。
 なにせ、すぐにできるし。
 そして、昼の、冷やしたCAVAに期待が高まるではないか。その時には、野菜を沢山とろう。晩はもちろんのこと、冷凍の業務用パエリアである。
 朝昼晩と、調理時間が短い手抜き料理が続くが、それはそれ、結構楽しめものだ。

 --- 参照 ---
(1) 「世界のチョコメーカー」 http://homepage1.nifty.com/chocolatier/maker.htm
(2) http://www.natra.es/
(Spanish churros with hot chocolateの写真) [Wikipedia] Chocolate with churros.jpg
   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Chocolate_with_churros.jpg


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