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2008.9.3
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「一人の食卓」を考える…


 「くいしいぼう・・・・さんの ほんとうのひとりごはん。」
 コレ、本の帯の文言。
 “ほんとう”という文字に惹かれてつい読んでしまった。(1)
 40冊を超える料理本(2)を出されている方の著作。
 著者のライフスタイルに共感を覚えるファンが多いようだ。

 ← 約100ほどの料理が食日記風に掲載されている。
   いかにも女性好みなデザイン。

 オジサン的視点で、感想を書いてみることにした。


 今回は、「一人の食卓」を考えてみたい。
 上記で紹介した本の著者によれば、自分が好きなものを、今ある食材で、すぐに簡単に作るものとなる。
 なるほど。

 ただ、 この著者の場合は、選りすぐりの食材しか使わない。一食のためにわざわざ特別なものを購入して特別な料理は作らないが、決して安直な食事を目指している訳ではない。
 例えば、バターなら、昔の製造方法にこだわる仏産“Echire”か、国産「カルピスバター」を使うといった感じ。
 そして、卵、ソーセージ/ベーコン、シラス、海苔が大好きとか。

 まあ、本の感想を聞かされたところで、面白くもないかも知れないので、思いついたものについては代替案を作成してみた。海沿いに住むファッショナブルライフスタイルの女性の食文化との違いがわかって面白いかも。

■■ 「トッピング食パン」系 ■■
 【正直な感想】
  ・食パンに様々ものをトッピングする食事が目立つ。
     (1割がこのメニュー)
  ・わざわざ納豆等を使って、パンやバターの淡い香りを消す理由がわからない。
     (山型イギリスパンはジャムやバターでこそ美味しいと思う。)
  ・トッピングする位なら、一皿つけたら。
     (皿を一枚洗うのが面倒ということでもあるまい。)
     (ソーセージが好きなら粒マスタードで一皿でよいと思うが。)
  ・仕事で多忙なら、サンドイッチタイプがよいと思うが、トッピングにこだわる理由がわからぬ。
  ・食パンは冷凍できる。パンが余っているからといって急いで使う必要はない。
     (パンの冷蔵は最悪。室温放置もすぐ不味くなる。)
 【お勧め:代替案A】
  ・トースト+ティー+お皿を基本としたい。
  ・焼きたてにバター/ジャムをつけ、それぞれの素材の美味しさを味わいたい。
     (焼きたて感と良質なバターの香りを楽しむ。これを強める茶葉を選ぼう。)
  ・ジャムは熟した果物が沢山手に入った時に作った単純砂糖煮タイプが嬉しい。
     (ペクチン/グアガム不使用。リキュールやレモン果汁はOK。)
  ・卵好きなら、卵にミルクを加えて焼き、好きな調味料で食べよう。
     (自家製の野菜ピクルス、シラスや鱈子、トマトを入れてもよい。)
     (カリカリに焼いたベーコン/パンチェッタをつけると卵の味が引き立つ。)
  ・果物とプレーンヨーグルトをつけ加えたい。
 【お勧め:代替案B】
  ・食パンでなく、バケットにしたらどうか。(要、パン切りナイフ)
  ・バージンオリーブオイルや、好きなチーズをつける。この場合は、生鱈子/バターもよかろう。
  ・バケットが乾燥して硬くなったらフレンチトーストにして食べよう。
     (シナモンシュガーをかける。)

■■ 「おかずのせ御飯/丼」系 ■■
 【正直な感想】
  ・約四分の一がこの手のメニュー。(茶漬/雑炊はカウントしていない。)
  ・「三菜」になるのに、わざわざ御飯におかずを乗せる気持ちがわからない。
     (小生は、炒め物や焼肉は別皿の方が嬉しい。)
     (ガバオ炒め御飯や中華丼ならわかるが。)
  ・様々なデザインの容器が登場するが、丼を色々取り揃える気にはならない。
 【考えさせられた点】
  ・お刺身の残り物をどう使うかは確かに難しい問題だ。
  ・もう少し冷凍食材を使ったらどうか。
     (生鱈子や醤油漬イクラとは普通は解凍品。)
     (冷凍薄切り豚肉も便利だと思うが。)

■■ 「野菜スープ」 ■■
 【正直な感想】
  ・野菜をふんだんに使ったスープが数品紹介されている。どれも美味しそうだ。
  ・ベーコン/ソーセージ入りスープも確かにお勧めである。
  ・ミネストローネ+塩むすびは多忙な時のメニューに向く。
 【お勧め】
  ・スープは時間がかかっても、保温鍋調理で作った方が美味しい。
     (手間が増える訳ではない。)

■■ 「小鍋」 ■■
 【正直な感想】
  ・“すき焼き”だけとは寂しい限り。「鍋」イメージがオジサン的で嫌われているのだろうか。
     (御飯なしで、お酒となりがちだし。)
 【お勧め】
  ・小さな土鍋を揃え、一人前料理を楽しもう。
     (本来の「子鍋」とは、二人っきりで食べて情緒が盛り上がる料理なのだが。)

■■ 「のり弁」 ■■
 【正直な感想】
  ・朝作っておき、昼に食べるとのコンセプトに違和感を覚えた。
     (炊きたて御飯と焼きたて海苔の方が簡単で美味しいのではないか。)
     (外出用ではなく、それも自分一人用に、家で弁当を作る感覚にはついていけない。)
     (のり弁愛好者でないから、その感激がわからぬだけかも。)
  ・「曲げワッパ」の弁当箱は美しいが、食後の処理はえらく面倒だ。
     (水漬けおき放置は厳禁。拭き取りと陰干しも必要だ。)
 【お勧め】
  ・手頃な大きさに切った焼き海苔に一口分の炊きたて御飯をのせ、好きな薬味を振りかけるとよい。
     (残り物の焼き魚のほぐし身や焼タラコも使える。)
  ・これに、とろろ昆布に湯を注いで、香りの高い醤油をたらしただけの椀をつけるだけで、結構美味しい。
     (旨みで食べるのではなく、香りを楽しむ食事に徹するということ。)

■■ 「お握り」 ■■
 【正直な感想】
  ・「お握り」は炊きたての握りたてがことのほか美味しい。うらやましい。
     (オジサンは熱い御飯を上手く握れないから避けるしかないのである。)

■■ 「麺/スパゲッティ」系 ■■
 【正直な感想】
  ・2割を占める。思ったより少ない感じがした。
     (一人分の御飯を炊くのと違い、麺は一人分の方が茹で易い。)
  ・料理上手な人が作るものは見るからに美味しそうだ。

■■ 偏った食事 ■■
 【正直な感想】
  ・「御飯+漬け物+野菜の味噌汁」は余りに簡素でつらいものがある。
     (もちろん、酒宴のあとなら嬉しいものだ。)
     (「粥/雑炊/茶漬+漬け物」に温泉卵と煮豆位は欲しい。)
  ・シュークリームだけの食事は、オジサンには、流石に無理だ。

 --- 参照 ---
(1) 飛田和緒: 「飛田和緒のひとりごはん日記」 講談社 [2007.7]
(2) http://www009.upp.so-net.ne.jp/okazu/book.html


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