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2009.1.14
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缶詰料理を考える…


 缶詰はどんな味かは分からないからラベルに神経が集中する。缶詰は思い出と共にあると言えないこともない。(1)


 中華食材店で、韓国産ごまの葉缶詰を見つけた。漬物のようだ。たいした価格でもなく面白そうなので試そうかと思ったが、遠慮することにした。
 漬物系缶詰はどうも価格の割りには、たいしたものではないという感じがするからだが、缶詰への興味が落ちているからかも知れぬ。
 そう思うのは、自分を振り返ってというより、缶詰料理に積極的な人は例外的な感じがするから。

 つらつら思うに、たまには買ってみるかとか、珍しい缶詰なので食べてみるか、といった程度でしかない。どうも食指が動かないのである。まあ、それも無理はない。競争相手が強すぎるからだ。
 例えば、開ければすぐ食べられると行っても、出来合いの惣菜はスーパーやコンピニで売られている。ドライ品で保存性ありなら、多少高価でも、レトルトや瓶詰の方が缶臭さがなくて魅力的だ。素材を生かそうというのなら、解凍は多少厄介だが、冷凍モノが美味しそうである。これでは、わざわざ缶詰にしようという気には、なかなかなるまい。
 それに、もらいものも少なくなってきた。そう思うのは、ギフト解体品の特売売り場が縮小されているから。

 ただ、家庭と違い、料理店の状況は全く違うようだ。厨房を覗くと、開けたての大きな缶が捨ててあることが多く、多用されているのは一目瞭然。缶詰食材を使って美味しいものをつくれるようになれば、本格的な料理人ということなのだろう。
 だが、素人がその真似をして、缶詰料理のスキルを磨くことはお勧めできない。結構難しいからだが、他にやるべきことが山積していると言った方がよいかも。
 とは言うものの、缶詰料理も自己流でマスターしておく必要はあろう。必須とはいえないが、結構楽しい料理でもあるから、正月の様々な料理に飽きてきたら、挑戦してみるのも一興ではないかと思う。

〜ブランド覚えがある缶詰〜
[記憶違いがあるかも]
- 種類 -- ブランド -
- 水産物 -
あけぼの
紅さけ大洋
鯖水煮マルハ
鰯味噌煮はごろも
烏賊味付極洋
さんま蒲焼ちょうした
かつおフレークいなば
ほたて水煮ニッスイ
赤貝味付ほにほ
シーチキンはごろも
オイルサーディンKing Oscar
コッドローOfficer
燻製ヘリングKT
うなぎHSK
燻製かき竹中缶詰
いちご煮宏八屋
- 農産物 -
アスパラガスCradele
スイートコーンGreen Ginat
ビーツS&W
ビーンズEden
トマトSpigadoro
オリーブHero
パーム芯(ヤシの芽)irazu
- 畜産物 -
やきとりホテイ
うずら卵キューピー
牛肉大和煮明治屋
和風コンビーフノザキ
コンビーフLibby
コンビーフハッシュHormel
ショルダーハムDAK
ハムペーストUnderwood deviled
ランチョンミートTURIP
ソーセージHareico
パテJensen's
- 調理品 -
ビーフカレーSanta
カレーMCC
トマトスープCampbell
チリビーンズSTAGG
デミグラスソースHeinz
ココナッツミルクCHAO KOH
- 果物 -
みかん明治
白桃SUNYO
パイナップルDel Monte
フルーツミックスDole
ロンガンAROY-D
- デザート -
プリンゼSSK
フルーツ蜜豆宝幸
あんみつ榮太郎
ゆであずき井村屋
亀ゼリー梧州正宗
- その他 -
バタートラピスト
コーヒーMJB
エスプレッソコーヒーilly
エバミルクFuji
カンパン三立製菓
おでんこてんぐ
 さて、それでは、どう学ぶかだが、それは各人の歩んできた歴史によって違う。と言うほどのこともないが、試しに小生の缶詰に対するイメージを書いてみた。読者の方も思い出してみるとよいだろう。
 以下、年齢順に記載してみたが、結構複雑。しかも、今では、ほとんどの習慣が消えてしまっているのに驚かされる。瓦礫の山から、先進国に一気に登りつめて、飽食の時代に至り、ついには健康志向へと変わってきたのだから、当然といえば当然だが。
  ・風邪をひいて寝ていると必ず登場した。・・・桃
  ・お歳暮が嬉しかった。・・・蟹
  ・もらいものなのか、惣菜になった。・・・コンビーフ
  ・マヨネーズをかけるものとして。・・・アスパラ
  ・指定されキャンプに持っていった。・・・鯖
  ・よくわからぬがデザートに出てきた。・・・プリンゼ
  ・簡便なパン型朝食のおかずにした。・・・コーン
  ・山歩きの酒のつまみに使った。・・・リエッタ
  ・非常食の期限切れ品を開けた。・・・カンパン
  ・話題になったので。・・・おでん
  ・エスニック料理に必要だった。・・・ココナッツミルク

 こうして見てみると、缶詰料理の方針としては以下の3つにまとめることができそうだ。
  (1) ノスタルジアを徹底的に愉しむ。
  (2) 異質な食文化に気軽に触れる。
  (3) 賞味期限対応の“在庫処分”。

 ただ、経験上、厄介な点がある。
  ・同じ種類の缶詰でも質と味付けは、天地の違いがある。
    -調味が気にくわないととても食べられたものではない。
    -同じ種類でも、驚くほど食感が違うものがある。
    -輸入品が大半だから、生産地域の違いは大きかろう。
  ・価格では質は判断できない。
    -普段400円のリエット缶が100円だったりする。
     (為替変動の影響の話ではない。)
    -高級缶が、左程のものではなかったりする。
    -偽モノでも摘発されるまでわからない。
    -仕様が曖昧なOEMが多そうな業界である。
 ただ、それならどう対処するのだと言われれば、答えに窮する。
 ブランドを信用するといっても、工業製品というほどのものではないから、バラつきを抑えるのは簡単ではないだろうし。それでも、かつて食べていたブランド名だけは、どういう訳か頭の隅に残っているから不思議なものである。あげてみたが、それがベストな選択かは、情報が無いので、皆目わからない。おそらく、人によって違うということだろう。

 まあ、料理をするなら、上記の方針にのっとり、分野毎に考えたらこうなるか。

そのまま肴になりそうな缶詰
 ・まあ余計なことをしないに限る。

そのまま食べるしかなさそうな缶詰
 ・食べる雰囲気を考え、缶のままか、器にあけるか決める。
   -余計なことはせず、素直に愉しもう。

汎用素材の純粋な水煮に近い缶詰
 ・ソース・タレ類か香辛料等を添え、酒の肴として使う。
   -軽い付香で、かなりのものになる。
 ・素材として色々な料理に使ってみる。
   -単純なレシピの料理なら、思った以上のものに仕上がることがある。

あっさりした味付けの缶詰
 ・サラダにする。
   -生大根(おろし、千切り)か茹でジャガイモ(乱切り、マッシュ)が合う。
   -欲しければ、葉野菜(サラダ菜、水菜)も加える。
   -自分好みのドレッシングとトッピングの工夫で食べる。
 ・惣菜の材料として使う。
   -油漬ツナは工夫の余地が大きいようだ。
   -惣菜ではないが、オイルサーディンの白ワイン煮は肴になる。

醤油系の強い味付の缶詰
 ・玉葱と煮て、溶き卵を流して一品に仕上げる。
   -たいした料理ではないが、作りたての美味しさということ。
 ・ご飯と合わせた擬似モノ(イカ飯、蒲焼丼、焼き飯、・・・)を作る。
   -好き好きだが、他の使い方は難しいから、面白さを愉しもう。

調理品や特別濃い味付けの缶詰
 ・香辛料を添加することで味を豊富化する。
   -それほどの効果は期待できないが、元がよければ美味しい。
 ・適当な野菜を入れて、煮たり(炒めたり)する。
   -余り手を入れなければ、それなりのものになる。

エスニック等の素材缶詰
 ・これは黙って使うしかない。
   -同じように見えても、メーカーで相当違う。こまったものだ。

 う〜む。
 ちょっと頭をひねった位で、役に立つようなアドバイスができかねる分野だ。本気で考える気にもなれないので、この辺でご勘弁のほど。

 --- 参照 ---
(1) 缶詰ラベル博物館 http://www.jca-can.or.jp/honbu/etc/canhaku/canhaku.htm


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