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2009.4.1
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素人のジャム作りについて…


 昔は、ペクチンを使わないジャムは滅多に売っていなかったが、突然、大流行した。
 しかし、又、もとに戻ってしまったようだ。
 緩いジャムは口に合わない人が多いのだろうか。


 果物の旬がわからなくなって久しいが、お陰で、果物加工品の旬は、果物の旬と言えなくなった。
 それでも、拙宅では、3月に、3回も苺ジャムを作ってしまった。当然ながら、少量生産。長期保存する気はないし、できそうにもない代物だから、すぐに使い切る。このジャム、ヨーグルト、ホットケーキ、アイスクリーム等にかけるだけで実に美味しい。なんといっても素晴らしいのは、香りである。
 しかも、別に難しい点はないから、お勧めだ。

 それはともかく、たまには、廉価な果物を活用して楽しむのは如何。
 そんな家庭料理本は多そうだが、出来上がりは立派なものばかりではないか。それに、ある程度は多量の果物があることを前提としていると思う。これでは、素人には重荷だ。いい加減に少量作って、味わいを楽しむ程度が嬉しいのであり、完全主義は不適である。そんな観点でジャム作りを解説しておこう。
 (素人のアドバイスだから、間違いがないとは言い切れない。自己責任で。)
  
■イチゴの活用方法■
 春になると、どういう訳か廉価なイチゴが急にでてきたりする。もっとも、これは地域や店で大きなバラツキがある。間違ってはこまるが、小粒や大きさ不揃い品のことで、売れ残りの廉価品の話ではない。見立ての力があるなら、高級品の値引きはお得かもしれぬが、傷みかけのイチゴは風味が悪いから、素人は避けた方がよい。ところが、店で売りにくいタイプの半端モノは新鮮なものが多く、美しくて大きな粒より、苺らしい香りがすることが多い。しかも、野生的な甘みがあったりするものに当たることもあるからお勧め。  ただ、酸味が強いこともあるから、過度な期待は禁物。
 味はどうあれ、新鮮だったら、ジャムにすると逸品モノに仕上がることが多い。作業が簡単な割りには美味しいからお勧めである。
 以下が手順。
【イチゴジャム】
(1) ヘタを取り洗ってから、水分をふきとり、少々乾燥させる。
   -できる限り水分は入れないようにすればよいだけのこと。
(2) イチゴを鍋に入れ、グラニュー糖をかぶせ、レモン汁をふりかける。
   -砂糖の量は適当。苺重量の5割強ではどうか。
   -レモン汁の量は好き好き。
(3) 砂糖が溶けて水がでてくるまで放置する。
   -急がないこと。
(4) 焦げない程度の強火で煮て、浮いてくる泡状のアクを捨て続ける。
   -焦げてしまうと、どうにもならない。
(5) アクが出なくなったら火を止め、すぐに容器に入れる。
   -煮詰めると冷えると硬すぎる。もっとも、好き好きだが。
(6) 冷めたら、冷蔵庫で保管する。
   -多分、それほど持たない。
(安直な代替方法) 鍋に入れた苺をスプーンで潰してから、砂糖を入れる。
   -火が通ったらすぐおろす。(長く煮ない。アク取りしない。)
   -多少冷めてから、表面をスプーンですくって捨ててから容器に詰める。(アクの部分)

■リンゴの活用方法■
 リンゴジャムは、本当は、紅玉の小さなモノがよい。しかし、滅多に登場しないし、高価だったりする。そこまでして作る気がしない。やはり、廉価品を利用したい。そうなると、ジャムで無く、砂糖煮レベがよいだろう。
 注意すべきは、イチゴと条件が違うこと。リンゴは採るとすぐに冷蔵保管するようで、適宜在庫を保ちながら出荷しているのではないか。作り過ぎの廉価品を見かけないからだ。特売は、旬より、時期はずれ臭くなってからが多い。しかも、いかにも鮮度が落ちていそうなものもある。おそらく、そんなリンゴはそのまま食べれも美味しくないだろう。しかし、砂糖煮には向いていると思う。
 それと、もらった林檎を忘れていて、萎びてしまうこともあるだろう。こんなものも、砂糖煮ならピッタリ。傷んでいないなら、新鮮なものより風味を感じるものに仕上がることが多いのである。
【リンゴの砂糖煮】
(1) 皮と芯を取り去り、薄切りにして、干し網で日光に当てて乾燥させる。
(2) 鍋にレモン汁を入れ、砂糖を入れてから、干しリンゴを入れて蓋をして弱火で煮る。
   -蒸し煮のような感じ。
   -嫌いでなければ、シナモンバーを入れるとよい。

■パイナップルの活用方法■
 イチゴ、リンゴとくれば、次は蜜柑とくると思うかも知れないが、柑橘系は避けよう。袋が硬いものもあるし、酸味が多く結構難しい。乾燥すると外側の皮が硬くなっても、中の味が濃くなるものもあれば、外側の皮は硬くならないが、中がパサパサになりとても食べられないものもある。それに、キンカンなど、種だらけでえらく食べずらい。余りに様々なので、素人は簡単に対応できないのである。
 そこで、酸味が強いパイナップルにしてみた。
 パイナップルは、突然、安価なものが山積みで登場したりするが、品質はピンキリ。よく見ないと、質も悪いものもありそうな感じがする。それなら、多少高価でも、いつも売っているものなら品質は良いかというとそうでもない。熟度も記載していないから、熟れ過ぎだったり、硬かったりする。その程度ならまだしも、高価格が高品質を意味していな感じもある。仕入れに力を入れていないということかも。
 素人には見立てが難しいが、完全に熟れたものを使えば、ジャムとしてはそれなりのものができる。
【パイナップルのジャム】
(1) 皮や頭だけでなく、中心や周囲の硬い部分を取り去る。
   -ヒゲのような部分を完全に除くこと。
(2) 薄く輪切りにし、さらに微塵切り。
   -できるだけ細かくするが、潰さない。
   -熟れていると液が出るので、これらは鍋に入れる。
(3) 鍋にパイナップルを入れ、グラニュー糖をかけ煮る。
   -酸味があるのでレモン汁は入れない。

■砂糖について■
 上記では、使うのはグラニュー糖。もちろん、上白糖でもかまわない。ただ、そうすると、甘味がしつこくなる。その方が好きな人もいるかも。
 ちなみに砂糖類は変質しないから、色々と揃えておくことをお勧めしたい。拙宅の場合、以下のような状況。間違ってもらってはこまるが、砂糖好きという訳ではない。おそらく、全体の消費量は極めて少ない方だと思う。コーヒー、紅茶には原則砂糖を使わないし、煮物の場合は、味醂だけですますことが多いからだ。
 一度に砂糖類を多量に使うのは、果実酒(梅)、菓子、ジャム/コンポート、等を作る時だけである。

 ▲サトウキビ糖 蜜含有タイプ・・・料理/菓子用
     ・黒砂糖(徳之島産)
     ・黒砂糖(波照間島産)
 ▲サトウキビ糖 蜜分離タイプ
  【租精製】
     ・和三盆・・・和菓子用
  【高度精製】
    −ソフト[水分吸着]・・・料理用
     ・上白糖
     ・三温糖・・・力を入れた煮物
    −ハード[結晶]
     ・中双糖[ザラメ](茶)・・・色々(さっぱり感) [紹興酒用という訳ではない。]
     ・グラニュー糖・・・菓子/ジャム用
     <特別加工品>
       ・パウダーシュガー・・・菓子作り仕上げ(飾り)
       ・顆粒砂糖・・・プレーンヨーグルトのオマケが溜まる。
       ・飾り角砂糖・・・もらいもの。
       ・モーリシャス産“コーヒーシュガー”
       ・氷砂糖・・・果実酒作りの時だけ。
 ▲非サトウキビ糖 液状
     ・水飴・・・料理用(使用は稀)
     ・糖蜜(黒)・・・和菓子用
     ・メープルシロップ・・・ホットケーキ用
     ・てんさいオリゴ糖・・・プレーンヨーグルト用
 ▲その他
     ・蜂蜜(蜜柑、アカシア)
     ・精製ぶどう糖[粉]・・・たまたま購入

 --- 参照 ---
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