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2010.12.1
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生果実のホットドリンクは如何…

 愛用のカップでホット果汁はどうかな。ティーカップの方が冷め易いが、香りは広がる。
↑ イラスト by (C) SweetRoom

 寒くなると、暖かい飲み物が欲しくなる。まあ、数限りなく様々なドリンクがあるが、生の果物を活用する飲み物も結構イケルもの。
 もちろん使う果実は、ドリンク用として購入する訳ではない。余りモノとか、購入したが生食に耐えず、がっかりした時に試すのが一番。生果汁が発する香りがなかなかのものだったりして、楽しめる。
 その昔、冬の冷える夜に、蜜柑湯を作ってもらった覚えがある方は格別な思いがあるかも。

 と言うことでレシピ。というほどのものではないが。・・・

■姫林檎(or 紅玉)のホットドリンク■
 酸味を感じるリンゴには滅多にお目にかかれない。しかし、それが欲しいという人もいるらしく、古典的な“紅玉”も時々売り場に並んだりするが、“富士”に比べると倍近い価格がついていたりして驚かされる。しかし、売れ残ってくると安価。“スターキング”系ほどではないが、ボフボフな食感であることを覚悟で購入する必要がある。しかし、煮リンゴならそれなりに使える。
 それよりお勧めなのが、ピンポン玉くらいの大きさの“姫林檎”。昔は珍しい果実感覚があったが、今は逆で大量入荷していることが多い。当然、大盛りの一山で大特価表示。お店で確認しておく必要があるが、酸っぱいモノもある。この手のリンゴを使ったホットドリンクはなかなかのもの。
 以下、作る手順をわざと細かく記載してみたが、内容的には数行ですむようなもの。
  (1-1) 四つ切りにする。(量はお好み。)
  (1-2) 芯と蔕を切り取る。(皮は剥かない。)
  (1-3) 砂糖をつけミルクポットに入れる。(グラニュー糖がよい。)
  (2-1) かぶる程度に水を入れる。
  (2-2) シナモンステイックを入れる。(スティックである必要はない。)
  (2-3) クローブを入れても。(1つで十分。嫌いな人は入れないこと。)
  (2-4) 好みの量の砂糖を加える。
  (3-1) 弱火で30分程度煮る。(リンゴがドロドロになる時間。)
  (3-2) スプーンで果肉を潰す。
  (3-3) シナモンとクローブを取り出す。
  (3-4) 愛用のカップに注ぐ。

■無農薬柚子のホットドリンク■
 無農薬柚子はありそうでなかなかなかった。虫がついたりして見栄えが悪くなるからだと、柚子農家に聞いたことがあるが、実態はよくわからない。昔、どうせ売れないからと大量にもらったことがある。
 最近は、無農薬有機栽培とされるものが売られている。“ユジャロン”(マーマレードに過ぎない。)の柚子茶が流行したからかも。この完成品瓶詰めを購入して、湯で薄めて飲むのも手だが、その場で柚子ドリンクを作れば、多少面倒ではあるが、香りが一面に広がるから、それなりの喜びが味わえる。
  (1-1) 輪切りにして、汁を手で絞り出す。(最低でも2個。)
  (1-2) スプーンで中味をほじくり出す。(グレープフルーツ用スプーンが楽。)
  (1-3) 皮の内側の白い部分をこそげ落とし、細く千切り。(白い部分は苦い。)
  (2-1) ひたひたの水で皮を30分ほど煮る。
  (2-2) 軽く洗ってもう一度煮る。(手を抜くと硬すぎとても飲めない。)
  (2-3) ザルにとり冷めたら、手で絞り、水分を取る。
  (3-1) ミルクポットに煮た皮を入れ、絞り汁を加える。
  (3-2) 蜂蜜を入れる。(保存したいなら、さらに砂糖を沢山加えるとよい。)
  (3-3) 超弱火で暖め皮を密液に馴染ませる。(保存用なら水分を飛ばす。)
  (3-4) 湯を加えかき混ぜ、愛用のカップに注ぐ。

■檸檬のホットドリンク■
 レモンは光輝く皮の色が嬉しいものだが、最近はライムのような緑色のものが結構出回っている。防黴剤フリーがウリのようだから、おそらく新鮮なものが店頭に並んでいるのだと思われる。檸檬らしさは熟した方が出ると思うが、官能を刺激するような酸味を味わうなら、新鮮なものに軍配をあげたい。そういうことで緑の檸檬を使ったホットドリンクをお勧めしたい。
  (1-1) 輪切りして、数枚の極薄スライスを取り、後は汁を絞る。(絞り器を使う。)
  (1-2) 生生姜の皮を剥き、すり卸す。(皮が入るとイマイチ。絞り汁だと上品になる。)
  (2-1) 檸檬汁、おろし生姜、蜂蜜を愛用のカップに入れ沸騰している湯を注ぐ。
  (2-2) レモンスライスを浮かべる。

■シークワーサーのホットドリンク■
 冬に南国イメージが欲しくなったら、沖縄産シークワーサーはどうか。誰が使うのかよくわからないが、生が売られていたりするから、つい使ってみたくなるではないか。おことわりしておくが、美味しいかは、人による。素朴というか、キツイ。尚、沖縄生姜の黒糖ドリンクの場合、酢味を加えない方が飲み易いのではないか。
  (1-1) 黒糖を粉にして湯に入れよく溶かす。
  (1-2) 輪切りにして汁を絞って加える。
  (1-3) 愛用のカップに注ぐ。

■ブルーベリーのホットドリンクもどき■
 最近は国産のブルーベリーも並ぶし、冷凍モノもあるから、簡単に入手できるようになった。アントシアニンが摂取できるということで購入する人が増えたので定番化したのだろう。葡萄類としてみてしまうとコストパフォーマンスは低いが、野生的な風情があり楽しい果物である。黴が付くのか、痛み易いようで売り場に並んでも売れ行きが悪いとすぐに特価品になる。目視で品質を見て、これならOKと思ったら購入し、ホットで食べる方法は悪くない。ホットグレープジュースとは違い、液状ではないところが肝。尚、メープルシロップを使うので、特価品のブルーベリーを使っても安価な飲み物にはならない。
  (1-1) メープルシロップを水で薄め暖める。(安価なシロップ類はお勧めしない。)
  (1-2) よく洗ったブルーベリーを加え数分煮る。
  (1-3) 愛用のカップに注ぐ。(スプーンが必要。)

■苺のホットドリンク■
 寒い季節に苺というのは、一体なんなんだろうという気がするが、スーパーには必ず並んでいる。まあ、クリスマスには苺のショートケーキという習慣もあった訳だから当然かも知れないが。この飲み物はできたてジャムのお湯割りでしかない。その程度なら、ロシア紅茶にしたいという人が多いかも。おわかりだと思うが、ポイントは香りである。
  (1-1) 苺を4つ割りにしてグラニュー糖をかけておく。(ジャム作りと同じ。)
  (1-2) 暫く放置した後、弱火で煮詰める。(レモン汁やペクチンは不要。)
  (1-3) 愛用のカップに入れ、お湯で割り、よく混ぜる。

■キウイのホットドリンク■
 箱入りキウイを購入すると、夏なら生ジュースにしたり、他の果物と一緒に乱切りをプレインヨーグルトに入れて美味しく頂けるが、冬はどうにかならないか考えているのだが妙案はない。酸味があることが多いから、ホットレモンのようにできるが、レモンの香りがないとつまらぬ飲み物である。それならレモンだけの方がよいだろう。
 ただ一つ、生のミント葉がある時は結構いける。ただ、ミント好きである人でないと評価は下がる。
  (1-1) 皮を剥き、賽の目に細かく切る。
  (1-2) 砂糖を加えた、濃いミントティーに入れよくかき混ぜる。
  (1-3) 十分暖める。(沸騰させない。)
  (1-4) 愛用のカップに注ぎ、生ミント葉を浮かべる。

■マンゴーのホットドリンク■
 米国産のグリーンマンゴーが入ってくるようになったが、フィリピン産の黄色のペリカンマンゴーと違い、食べ時を間違い易く放置しすぎて熟しすぎてしまうことがある。(他に、矢鱈に甘い、アップルマンゴーもある。)そんな時は、ホットドリンクにするのも手。甘さが脳みそに染み渡るような飲み物である。
  (1-1) ホットミルクコンデンスミルクを加えて濃厚な甘さにする。
  (2-1) マンゴー肉をスプーンで欠きだし容器に取り、スプーンの背で潰す。
  (2-2) 甘いミルクに混ぜ、愛用のカップに注ぐ。

■柿のホットドリンク■
 渋柿はそのままでは食べることはできないが、焼酎を吹きかけて保存するとドロドロして甘くなる。この食感が矢鱈好きな人も少なくないが、大嫌いという人もいて、評価は大きく分かれる。ちなみに、小生は中立的。
 というのは、好きだと思っていたのだが、相当量を捨てる事態を招くほどに、大量に、毎年頂戴してしまったから。このお蔭で、それほど好きではないことがわかったのである。
 その時に、なんとかならないか、柿のホットドリンクを試してみた。ついでに、生柿はどうなのかも。結果、柿ジュースが無い理由がわかった。
 ただ、アーモンドパウダーを入れると、多少味が変わる。お勧めはしないが。それ以上の検討は放棄した。尚、“ストレス対策なら、加熱した柿食べるといいかも”と見る人もいる。美味しくなる秘訣が見つかるとよいが。(2010年11月19日 読売新聞)
 一応、ご参考まで。


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