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2001.8.4 |
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このままならずっとGDPゼロ成長(6)…このように見て来ると、どうしても「的確な施策を欠けば、ゼロ成長の可能性が高い。」との結論に達する。エコノミストと違い、技術屋は金融機関問題から議論することはない。血流が停滞すれば、大問題ではあるが、経済活力の本質ではないと考えるからだ。従って、金融問題が解決したところで、薔薇色の絵は描きようがない。しかし、プラスにできないのだろうか。議論を振り返れば分るが、可能性はある。 価値を生み出す側では、技術を生かせるように大胆に規制撤廃が進めば、チャンスが産まれる。しかし、今のところ、この動きは極めて弱い。先に述べたように、技術を理解した上の政策ではないから、ピントがずれたものが多い。小泉内閣の「骨太の方針」に至っては、技術は付け足しとか思えない。森内閣の目玉、IT革命をどう活かそうという点さえ、よくわからない。ということは、せいぜい公共機関の入札にインターネットを使う程度のことしか考えていないのだろう。ITを活用して、大きな産業を興させる壮大な構想を描こうとはしないのだ。 画期的な新技術でなくても、新しい活用の仕方さえ見つかれば大きな新産業は生まれる。日本の総体としては、明らかに技術力は高いのだが、こうした構想力を発揮できる条件を整備しようとしないのである。このままでは、間違い無く、宝の持ち腐れが進む。 一方、需要サイドでは、突破口ははっきりしている。 若年層でケータイ市場がいくら勃興しても、可処分所得は小さいから、消費の奪い合いだ。食費が削られ、電話代金に回るといった程度だろう。重要なのは、資産を持っている高齢層だ。この人達が抱えているお金が動かない限り、景気は良くなる筈がない。 要は、この層のニーズに応える新産業を興す動きが余りに弱いことだ。政府も民間も、昔から「介護ビジネスにチャンスあり。」と言い続けているだけで、この分野での新規事業開発の実態は旧態依然たるものだ。介護保険の直接官需と、それに付随して発生する個人需要に対応する、新型官需産業への参入ばかり目だつ。官需産業は自由度が低いから、発展性が小さい。経済発展は限定的でしかない。しかも、この周辺は規制だらけだ。 消費者にとって魅力的な産業は、民間が試行して作り上げない限り産まれない。規制が薄い領域をつくり、技術を活用して新産業を立ち上げる挑戦者の登場を呼び込むべきだろう。 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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