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2003.8.8 |
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Fortune500を読む(7:商社)…
ヘルスケア卸(WHOLESALERS: HEALTH CARE)にランクインした企業は米3社、独、英、日(KURAYA SANSEIDO--今回ランクイン)、各1社である。 電子部品/オフィス機器卸(TRADING)にランクインした企業は米の2社である。 こうした分類では日本企業がほとん登場しないが、実態的には、日本では総合商社が卸コンチェルンを形成しているともいえる。
商社(TRADING)にランクインした企業は16社あるが、そのうち日本が9社、韓国が4社だ。 売上規模は巨大だが、表に示されているように、収益性は低い。 もともとは、「総合商社」は、国際貿易を担う、国策型の基幹産業だったが、メーカーが直接取引きできる力を持つと、存在意義が失われた。その後、低迷から脱せないのである。 要するに、流通業としての商社ビジネスは成熟し、基本的に、収益性は低い。 このため、非商社業態への転向が図られているが、当然ながら、こうしたビジネスのリスクは高くなる。にもかかわらず、商社の資金の大半は有利子負債である。ハイリスクな事業を借金でまかなうという、極めて脆弱な体制の事業展開なのだ。 低金利で、どうやら生き延びているだけの商社も見うけられる。 商社のなかには、バブル期に、機械部門が坪数千万円の住宅地を購入した例もあると言われており、放任状態の経営のツケが未だに重いのである。低調な株式市場のお蔭で、IPOの貢献も限定的であり、解決は難しいだろう。 最優等生である三菱商事でさえ、バブル崩壊後、ムーディーズの長期債権格付けが急落した。80年代後半はAa(総合的に優れている)だったのが、1993年にはA1となった。 今では、企業間格差は広がる一方だ。三菱商事/三井物産はA3(中級の上位)、住友商事はBaa1(中級)、伊藤忠商事はBa3(投機的な要素を含む)、丸紅はB1(好ましい投資対象としての適正さに欠ける)である。 (http://www.moodys.co.jp/ssl/list/rat_jigyo.htm) 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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