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2003.8.12
 
 


Fortune500を読む(11:通信機器)…

企業 売上(億ドル) 売上高利益率
 -- ケータイ系 --
NOKIA 284 11%
MOTOROLA 267 赤字 -9%
L.M. ERICSSON 150 赤字 -13%
 -- ネットワーク機器系 --
CISCO SYSTEMS 189 10%
LUCENT TECHNOLOGIES 136 赤字 -87%
NORTEL NETWORKS 107 赤字 -34%
 (出典) Fortune 2003年7月21日 F-20
 ネットワーク/通信機器分野では欧米の6社がランクインした。  日本の大企業はエレクトロニクス産業の企業とされているため、この分野に当てはまらないのであるが、この分野だけを取り出しても、おそらくランクインは無理だろう。

 昔は、通信機器分野では日本企業も存在感があったが、今やその影は全くない。といってもATMでは、それなりのシェアを持つ企業もあるが、例外的といえよう。

 この原因ははっきりしている。日本の基幹通信網がインターネット対応をすぐに進めなかったためである。通信機器メーカーは、高度で高価なISDN交換機ビジネスを続けるしかない、時代に遅れをとったのである。
 さらに悪いことに、コンピュータ分野でUNIXへ注力してこなかったことも大きく響いた。コンピュータの通信技術も弱体で、ネットワーク構築技術では最後発になってしまったのである。

 又、国内の移動体通信インフラについても、技術的に何のメリットもない、日本独特のデジタル規格が取り入れられた。そのお蔭で、日本の機器メーカーはケータイ国内事業で大いに繁盛した。しかし、世界市場ではチャンスを失うことになった。

 要するに、国家的方針に従ったため、日本の通信メーカーは没落を余儀なくさせられたのである。

 しかし、そうでなくても、日本メーカーは低迷したかもしれない。

 ITバブル崩壊後、ケータイも、ネットワーク機器も、トップ企業は今もって好調だが、それに続く企業は巨大な赤字を抱え込んでいる。
 今や、通信機器ビジネスは、安価なモノつくりは前提条件であり、競争力の根源ではない。嵩む開発コスト管理と、その回収体制構築が、鍵を握っている。

 従って、機器の大量製造をもっぱら外部に任せ、開発力を磨く企業が高収益をあげる構造になっている。
 スリムで迅速なソフト開発体制や、プロトタイプのコピー生産委託の仕組みが、競争力の根源なのである。日本企業が一番不得意なパターンといえよう。


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