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2003.8.13 |
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Fortune500を読む(12:エレクトロニクス/電機業界)…
特徴は見ての通りである。DRAMや液晶等で果敢な展開を進めた韓国のSAMUSUNG ELECTRONICSと、家電分野で統合合理化を進めてきたスエーデンのELECTROLUXの高収益状況が目立つ。 要するに、様々な事業を抱え、斑模様の業績の「水膨れ」企業が不調なのだ。 ほとんどの日本企業は、伸びている事業セグメントに収益を依存していた。そのようなセグメントを失なえば、不調に陥るのは当然のことだ。まさに単純な話しである。 但し、不調といっても、企業間格差は大きい。 家電も重電も成熟した分野は多い。成熟したら、徹底した合理化による収益力強化は経営の鉄則である。これを怠ればどうなるかは、自明である。 放置すればどうなるか、10年前から予想されていたにもかかわらず、怠った企業が多いといえよう。 例えば、家電の雄とされ、ブランド価値が高い企業でさえ、資本収益率悪化傾向は見えていた。 にもかかわらず、新しい技術マネジメント体制の確立や、「儲かる仕組み」への挑戦を避けてきのである。 今になって、水平分業化が遅れたとか、巨大設備投資の意思決定ができなかった、等々、様々な不調の理由をあげる人が多いが、議論したところで時間の無駄である。 不調の理由は明かだ。 いくら「優秀」な技術人材を抱えていても、マネジメント・イノベーションで挑戦する企業にはかなわない、ということである。 しかし、この業界には、今もって、そう考えない人が多いようだ。 比較的高収益な事業に集中的に資源投下し、不採算事業を整理すれば、問題は解決すると考えているのである。このような選択的集中を進めることが、「戦略」的経営と勘違いしているのだ。 当該事業が高収益になる理由もわからず、現時点で高収益な事業に資源を集中投下しているだけの経営なのだが、そのことに何の疑問も感じないのである。 ここには、マネジメント・イノベーションどころか「戦略」思考のかけらさえない。 このようなリーダーに相変わらず黙って追従しているのが、日本の「優秀」な技術人材なのである。 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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