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2003.8.23 |
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Fortune500を読む(22:産業用/農業用機械)…
そのうち1位のKRUPPといえば、ドイツの鉄鋼会社というイメージが強い。当然ながら、今でも鉄鋼部門は存続している。おそらく、ステンレス鋼などの分野では、世界のリーダーだろう。 しかし、鉄鋼会社という位置付けは弱まった。 EUの鉄鋼生産調整政策に合わせて、過剰設備を廃棄し、THYSSENと合体することで変身を図ったからである。自動車部品とエレベーターの機械部門、エンジニアリング部門、サービス部門を抱える総合企業になったのである。 ドイツの鉄鋼企業は設備投資をしてこなかったから、古い生産設備ではとても生き残れない。極く自然な動きといえよう。 欧州からランクインしたもう1社はフランスのALSTOMだ。こちらは、日本の重工業と似た事業構造である。タービン、送配電システム、列車、船といった製品群を持つ。TGVで有名になったように、技術力はあるが、圧倒的な競争力を持つ事業が揃っているとは言い難い。 THYSSEN KRUPPと日本の2社は売上利益率1%でどうやら水面上にあるが、ALSTOMは巨大な赤字を抱えることになった。 先進国では産業機械や農業機械分野のほとんどが老衰期に突入している。グローバルでナンバー1になれるような力が無いと、低収益に苦しむ時代なのである。 ランクインした米国企業2社は、日欧企業とは異なる。明かな分野のナンバー1、専門企業である。 キャタピラーは一般名詞化しているほどで、建機のリーダーだ。売上利益率4%と堅調である。 「John Deere」も農機トラクターの代名詞である。こちらも売上利益率2%で頑張っている。 この分野でランクインしていないが、エレベーター分野のナンバー1は米国企業OTISである。THYSSENとの競争力には相当なひらきがある。 (OTISは「AEROSPADE AND DEFENSE」でランクインしているUNITED TECHNOLOGIESの傘下企業である。) |