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2003.8.24 |
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Fortune500を読む(23:書状/小包/航空便)…
業績は斑模様である。米国では、UNITED PERCEL SERVICE(UPS)は資産利益率12%と極めて高く、FEDEXも5%であるのに対し、U.S. POSTAL SERVICEの方は赤字である。 欧州でも、TPGは7%だが、ROYAL MAIL GROUPは赤字だ。 日本企業では日本通運が入っている。資産利益率2%であるから、良好ということになろう。 この分野は、EUが郵便事業自由化方針を打ち出したことで、民営化が進んだ。こうした流れに乗った企業が成功したと見ればよさそうだ。 好例はTPGだ。ながらく赤字だった郵政事業を1998年に民営化し、ニューヨーク等主要証券取引所に上場した。ベルギーリエージュ空港を基点に、グローバル郵便・宅配体制を構築し、果敢な成長路線の経営を進め、一気に業績を好転させたのである。 DEUTSCHE POSTもDHL買収や、中国進出など、グローバル化を進めている。 民営化第一幕はグローバル体制構築で決着したと言えよう。
日本では、2003年4月に郵政公社が設立された。かつての電電公社や国鉄と同じ公社体制に移行させる施策である。従って、経営効率向上が図れる可能性は極めて低いと考えざるを得まい。 そもそも、「クロネコ」に郵便事業を開放すれば、一挙に全国で3万のポストが設置できる。しかも、コスト競争力からいえば、封書60円でも戦える筈だ。80円でも赤字必至の状況の郵政公社は壊滅するしかあるまい。従って、信書部門の独占を続けさせる、というのが政府の方針だ。人為的に信書部門を黒字化して、老齢化した従業員の雇用をできる限り守る訳だ。 郵政公社の小包部門もすでに惨憺たる状態である。1割程度のシェアがあるそうだが、シェアを上げれば赤字が増えるだけに過ぎない。 日本の展開は、余りに遅すぎる。 (注:JAPAN POSTAL SERVICEは今回はランクアウト) 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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