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2003.8.25 |
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Fortune500を読む(24:鉄道)…
日本では、1987年に国鉄を民営分割し、2001年には本州3社が完全民営化を遂げた。負債の付け替えで身軽になって出発してせいもあるが、利益を生んでいるから、見方によっては、欧州より先を走っている優等生と言えよう。 EUは、鉄道分野として独立して考えず、高速鉄道・ハイウエー・空港の交通総合施策で進めてきた。 (1994年のTEN-T) このことは、鉄道事業の役割が長距離基幹線運営に限定されることになる。地域鉄道は各地方が対応することになる。地域分割型の日本とは全く異なる思想だ。 仏では、1997年に国鉄をSNCFとインフラ所有と債務の過半を負うRFFに分割した。さらに、2002年には、地域交通の権限を地方に委譲した。 独では、1994年に東西統合の株式会社化を行った。1996年には、地域交通を分離。1999年には、長距離幹線、近距離、貨物、線路、駅に分割した。 英国でも1994年に国鉄British Railの民営化が行われた。ところが、サービスとインフラが分割された。後者を担当したRaitrackは経営陣は財務家だったため、投資を抑制し、メンテナンス費用も圧縮した。お蔭で事故多発を招き、2002年には再び公社化されることになった。 必ずしも、民営化は上首尾に進んではいないのである。 EUは、2002年に、統合ヨーロッパ鉄道を目指して鉄道再生を目指すことになった。 旅客輸送事業の困難性は、米国での、1971年AMTRAK公社設立の結果を見れば、ある程度わかっていた。売上拡大が難しい産業では投資抑制は当然の結果といえる。新技術を活用しなければ生産性向上も図れない。単純な人員削減だけでは収益力向上は一過性だから、結局は赤字体質に陥る可能性が高いのだ。 といっても、UNION PACIFICはFORTUNEのように "Most Admired' Railroad"として選定されている企業もある。生産性向上に対する経営姿勢の違いが、収益力の大きな差となって現われているといえよう。 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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