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2004.7.30 |
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日本の地位を考える…UNDP(United Nations Development Programme)が、恒例となっている2004年版「Human Development Report」を発表した。177ヶ国のデータを集めているので、日本の位置を知り、世界を俯瞰するには便利である。(1)もともとは、開発援助を行うために、国の開発の度合いを算定するため1990年に始まったものだが、人間開発に関する問題提起を行うことでも知られるようになった。今年は、異なる文化が共存する世界の実現についてのコメントがちりばめられている。聖徳太子の「和」の憲法観も語られており、対話を呼びかけるトーンが貫かれている。 採点結果では、日本は9位である。この地位は5年間変わっていない。 目立って低い数字といえば、男女間の格差だ。 (賃金100位、議員数100位) 是正が進んではいるが、世界的視野で見れば、相当異質な社会といえよう。 高開発国だけに限れば、結核の数字も極めて高い。 欧米は1万人当り1桁の発症数が多いのだが、日本は44である。 (米4、カナダ5、英12、独8、仏14、伊6、蘭7、スエーデン4)
日本は騒いでいる割に、総合指数上位25ヶ国でみれば、普及率の上位集団には属していない。携帯の日本の数値は637/1000だが、25ヶ国のうち700/1000未満は6ヶ国である。インターネットにしても、日本より普及しているのが11ヶ国だ。 技術貿易で日本の力が高まっていると喧伝されているが、技術以外も入るとはいえロイヤリティ収入で見ると、先頭集団と比べれば誇れるような数値でもない。 こうして見てみると、濃淡はあるが、総合指数上位25ヶ国で見れば、日本は平均的なところにいる、といえそうだ。 --- 参照 --- (1) http://hdr.undp.org/reports/global/2004/pdf/hdr04_HDI.pdf 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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