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2005.6.15 |
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TOPIXが孕む問題…2004年度上々企業の決算情報が伝わってきているが、親会社はそれなり、子会社は結構好調といった類の話が多い。このため、子会社の株価は堅調なようだ。一見、当然と思いがちだが、株式市場の歪みが酷くなっているとも言える。このまま放置すると、市場は益々非合理的なものになりかねない。 資本主義社会では株式市場が合理性を失えば、社会全体の腐敗の引き金になりかねないから結構重要な話だと思う。 但し、問題といっても単純な話である。 子会社である以上、取引できる株は少ないから、株価変動が大きいというだけのことである。要するに、子会社株は一寸した話題で高騰し易い訳だ。 しかし、どうも子会社株の高騰が常態化し始めたようである。 こんな問題意識を持ってしまうのは、子会社の市場評価が親会社に比べて余りに高すぎる感じがするからである。 おそらく、こうなるのは、機関投資家が用いる株価インデックスがTOPIXだからだ。インデックスに合わせて株を保有せざるを得ないため、子会社株に巨大ニーズが存在しており、株価が高止まりし易いのである。 これだけなら、TOPIXの浮動株指数導入で対処できそうな感じもするが、これだけでは解決しがたいと思われる。(1) やっかいなのは、子会社株を多量に保有している親会社の株価が子会社の株価と連動しない点にある。 親会社は理論上は子会社株という膨大な資産を有している。子会社の株価が高騰すれば、親会社の資産価値も急増することになる。ところが、親会社の時価総額から子会社の株式相当分を引いた残りの価値は驚くほど小さい。市場は、親会社の事業には、ほとんど意義を認めていないことになる。これが合理的な見方とは思えないのだが。 もっとも、古い体質の親会社は、年金などの負担に加え、簿外債務だらけだから、当然の評価とでも言うなら別だが。 こんな状態では、子会社の方向を揃えたグループ経営をモットーにする大企業が登場しても、株式市場は全く対応できない。 どう考えても、子会社の価値が上がりすぎると、TOPIXは指標として機能しなくなる。親と子でダブルカウントしているから如何ともしがたい。最近の動きを見ていると、ついにそんなところまで来たのではないかと思う。 市場には全く性格が違う2種類のプレーヤーがいるから、おそらく、この傾向は加速されるだろう。 片方のプレーヤーは、TOPIXを睨みながら、資金を株式市場に投入し続ける使命を帯びている機関投資家集団である。培ってきた情報入手力(当事者は情報解析力と言う.)があるから、一寸した話でも、子会社株の買いに走らざるを得ない。これが儲けのモトだから致し方ない。 ところが、その対極には、日本株にこだわらず資金運用を考える投資家がいる。行動を束縛するものはないから、買いに対して売りで応え、それだけの儲けで甘んじるとは限らない。親子株の歪みを知っているから、さらなる儲けのチャンスを狙っておかしくない。非合理的な動きは必ず発生すると思う。 今のままなら、TOPIXの問題児化は時間の問題ではないのだろうか。 --- 参照 --- (1) http://www.tse.or.jp/news/200407/040723_b.html 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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