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2005.6.23
 
 


説明責任が無い組織…

 Bloombergのコラムで、日銀の福井総裁の仕事ぶりが皮肉たっぷりに語られている。

 ただならない為替介入額。

  ・2003年:    32兆8000億円
  ・2004年初頭: 14兆8000億円(1)

 その結果、年度末では外貨準備の含み損は11兆4000億円に達しているのだと。(2)
 責任は一体どうなるのだ、という論調である。

 為替を人為的に操作すれば、そのツケが回るだけにすぎない。金融恐慌の可能性があるような時でもなければ、こんな政策になんの意味もない。その場しのぎでしかない。

 2001年3月から当座預金残高を目標値に設定して、直接的な資金量による「量的緩和」を実施してきた。最初は5兆円だったのが、2004年から30〜35兆円というとてつもない額をターゲットにしてきた。
 しかし、銀行にお金がじゃぶじゃぶになっただけで、産業投資に回ったとは思えない。景気への効果のほどは疑問だ。

 ともかく、国内では、今もって軽微なデフレが続いている。海外ではインフレ抑制が語られているのに。

 そんななかで、当座預金残高目標の引下げは、「引き締め」と“受け取られる”(3)とのコメントが流れる。
 当座預金残高で市場の資金量を操作する政策を行ってきたのだから、これが「引き締め」でないのなら、一体何なのか。

 「量的緩和」は全く機能しない政策だったと考えているなら、はっきりそう言うべきだろう。
 そうでなく、意味があったと見なすなら、物価上昇が定着するまで、当座預金残高の目標数字を下げる訳にいくまい。にもかかわらず、なし崩し的に数値を下げようとするのである。

 この組織は、政策について、説明するつもりがないのだろうか。

 --- 参照 ---
(1) 2004年3月17日以後介入なし. http://www.hefx.ne.jp/market/nichigin.html
(2) William Pesek Jr.“You Wanna Be a Central Banker? Think Again” [2005年6月3日]
  http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=10000039&refer=columnist_pesek&sid=aMnFmmCZdz0k
(3) http://www.boj.or.jp/press/05/press_f.htm


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