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2010.6.4 |
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先物取引誤発注のニュースに接して…2010年6月初日の大阪証券取引所で大量の誤発注が発生した。その金額、16兆7000億円だそうである。(1)当日の売買代金は1兆円下回る規模だし、時価総額と比べても巨額。どう見ても証拠金制度では対応不能な額。 以前話題になった誤発注は、単純な入力間違いで、それを取り消しできないシステムのせい。実に、お粗末この上ない話だった。 今回はそれとは全く次元が違う話。 どんな状態だったかロイターの記事(2)で見てみようか。・・・ <9:20>“市場筋によると「9700円に約20万枚、9690円に約79万枚の先物売り注文が寄り付きで出た。誤発注の可能性もあるとみて、一斉に買いが入ったようだ。大部分は取り消されたが、一部は成約したようだ。アルゴリズム取引による自動発注の可能性もあるが不明だ」(外資系証券トレーダー)という。” <10:20>“ 寄り付き直後に入った日経平均先物への大量の売り注文に関しては「日系の中堅証券が誤って発注したとの観測が出ている。180枚ずつ分割されて出ているのでマシンによる発注ではないか。合計で約100万枚、金額で10兆円の注文が出され、すぐに取り消されたが、5000枚、500億円分が約定してしまったようだ」(準大手証券)との声が出ている。” <13:50>“ドイツ証券は1日、きょう寄り付き直後に日経平均先物で誤発注したことを明らかにした。原因は社内のシステムの不具合で、すぐに反対売買を行ったという。” 「誤発注騒ぎ」と大々的に報道されている割には、市場は思ったより静かだったということか。 ともあれ、暴落の引き金にならなくて幸だった。市場には勢いがないし、なにかことがあれば、すぐに神経質な動きを見せかねない状態だからだ。 欧州の金融機関は脆弱そうだし、米国は家庭の負債が消えていない。となると、新興国頼りだが、その経済規模はまだまだ小さく、原油価格上昇が止まってしまえば、期待感は一挙に萎む。日本の株価の不安定化は避けられない。 こういう状態だと、儲かるチャンスはなかなか巡ってこないだろう。変則的な売買で利益を上げる動きが増えるのは致し方あるまい。 これによって、市場霍乱要因が増えることになる。ブッラクスワンの世界の到来。 なにがあっても、すぐに対応できるように、訓練をおこたらないで欲しいものである。 そんなことが気になったのは、市場関係者が、今回の誤発注を日本の中堅証券と推定していたからである。 この程度の誤発注はあり得ると見なしているということではないのか。それなら、それに即座に対応する仕組みがある筈。それが機能していたか大いに気になるところだ。なにせ、約定が出ているのだから。 心配なのは、この証券取引所の先物取引システムで注文処理増大による遅延が発生したことがあるからだ。約1年前のこと。(3)特定の機関からの大量注文・取り消し処理の影響とされた筈。遅延は無くなったが、16兆円に達するまで取引が続いた訳である。そんな体制で、大丈夫なのか。 --- 参照 --- (1) “大証、ドイツ証券の大量誤発注問題を調査へ” ロイター [2010年06月3日] http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT866810020100602 (2) “〔株式マーケットアイ〕日経平均は軟調もみあい、売買代金は1兆円下回る低水準” ロイター [2010年06月1日 14:41JST] http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK041282820100601 (3) “先物注文取り消し繰り返しで負荷 大証トラブル原因” 産経関西 [2009年7月24日] http://www.sankei-kansai.com/2009/07/24/20090724-012639.php 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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