魚への道のわかりにくさ 魚への進化の話は、素人にとっては、さっぱりストーリー性が感じられないのでなにがないやらである。 退化も進化のうちであるから、現行生物では似てないように見えても、発生過程で検証すると似ているのだとかいう話がでてくれば、説明して頂いてもちっとも面白くない。 それでも、現世生物で近縁度からいうと以下のような樹状分類になるのだろうか。 ○○○■■■■■■■■ウニ/ヒトデ(無鰓穴) ○■■■ ○■○■■■■■■■■ギボシムシ(半索) ○■ ■■ ○■○■■■■■■■■ナメクジウオ(頭索) ○■○■ ○■■■○■■■■■■ホヤ(尾索) ○○○■○■ ○○○■■■○■■■■ヌタウナギ(背索) ○○○○○■○■ ○○○○○■■■ ○○○○○○○■○■■ヤツメウナギ(脊椎-無顎) ○○○○○○○■■■ ○○○○○○○○○■■ 「魚」 (脊椎-有顎) 魚から両生類への流れを眺め、こうして魚への流れも見ると、「魚」というカテゴリーは様々な種をゴチャゴチャ集めているだけに思えてきた。 それは、脊椎動物の本質がはっきり語られていないからでもある。背索動物では、以下のような特徴があるが、それが脊椎化すると色々と変わりますヨということでは、素人には理解できかねる。穴にもぐる程度の動きなら背索程度の強度の心棒で十分だが、力強い筋肉の力で推進力を得ようとするには脊椎が不可欠ということなのだろうか。 背索動物とはこんな特徴ありと見た訳だが。 ・体躯に節構造は無い。 -体表面に特段の突起物は無い。 -頭部胴部尾部に分けてもその境に機能は無い。 ・進行方向で前方(頭)と後方(尾)の区分がある。 -尾とは推進用運動器官である。 前部を除き筋肉(筋節)が存在 -進行方向に沿った心棒(脊索)がある。 脊索が体躯を支える構造物 ・重力的に上側(背)と下側(腹)の区分がある。 -平衡感覚器存在か? ・心棒の背側には神経管(神経索)が平行して走る。 -神経索の頭部側に中枢器官(脳)がある。 光-微量物質-振動器官に直結した3部位 神経管を通じて運動系に連結 -脳に脊索延長構造(頭蓋)あってしかるべき ・心棒の腹側には代謝器官が格納されている。 -頭側に取入口(口)がある。 -排出口(肛門)まで管状構造になっている。 口→鰓[喉]→消化器[腸]→肛門 鰓は呼吸器と餌濾過器の兼用 腸は一直線で吸収機能部のみ 肝臓と腎臓機能もある筈 -別途鰓部分に排出用亀裂出水口がある。 -生殖器官も存在する。 -肛門より後部は真性の尾である。 脳が存在するか否かが本質的な問題ではないかという気がするのだが。 ホヤとナメクジウオも同じようにまとめてみた。(知識ゼロの素人がざっと斜め読みした書いたものだから、そのおつもりで。) ---ホヤ--- ホヤの幼生の特徴は以下のようなものらしい。 ・オタマジャクシ形態の体型 ・固着まで遊泳生活特化 ・体躯を支える脊索 ・中枢神経系は5区画 (感覚胞,脳胞後部,頸部,運動神経節,神経索) (100個ほどのニューロン) (250個ほどのグリア細胞) ・感覚胞に感覚器官 (眼,平衡胞) ・脳胞後部は情報統合機能か ・運動神経節に運動ニューロン ・神経索は尾部 (各筋細胞の強弱収縮で遊泳) 固着した成体になると、被嚢と呼ばれるセルロースでできた柔らかい外皮構造になる。下部が固着した膨れた缶形状で、上部に開閉構造の入水口と出水口の2つの穴ができる。呼吸器は鰓だが、それは餌の濾過器でもあり、消化器の胃・腸・肛門に繋がる。心臓と生殖腺も生まれ、脊索は吸収され、脳や運動部分は消えてしまう。 ---ナメクジウオ--- 成体の特徴は以下のようなものらしい。 ・魚類と類似の体型 (尾鰭で遊泳) (旨鰭、腹鰭、背鰭無し) ・筋肉体の脊索が体躯支持 ・神経管はあるが、脳や神経節無し ・光感応器官はあるが、目・耳・鼻は無し ・呼吸器兼餌濾過器としての鰓 (取り入れ蓋発達) (小腸のみで胃は無し) ・閉鎖血管系はあるが、心臓無し ・繁殖期に生殖腺顕著 ---ミロクンミンギア、ハイコウイクティス--- カンブリア紀前期中盤の化石脊索動物が最古とされている。 ・軟骨頭蓋や背鰭保有か [始原的無顎類] ---ピカイア--- カンブリア紀中期化石頭索動物。 (参考) ミクロワールド 第17回 ホヤが見せる 進化の不思議 体に吸収されてしまう脊索 NHK 2011年度 http://www.nhk.or.jp/rika/micro/index_2011_017.html "ホヤ"の赤ちゃんはサカナと違った仕組みで上手に"泳ぐ" 筋肉を動かす仕組みの「進化」の歴史を考える上で重要な発見 2011.01.25. 大阪大学医学部 生理学研究所 プレスリリース ホヤの変態において上衣細胞が成体のニューロンをつくりだす 2011年1月26日 堀江健生・笹倉靖徳(筑波大学下田臨海実験センター 発生遺伝学グループ) ナメクジウオゲノム解読の成功により脊椎動物の起源が明らかに 平成20年6月12日 京都大学/国立遺伝学研究所/理化学研究所 倉谷滋,太田欣也:「進化発生学のススメ : ヌタウナギ胚の約束するもの」 蛋白質 核酸 酵素 Vol.52 No.14 2007 大石康博:「ヌタウナギの頭部発生から脊椎動物の頭部形態の進化を読む」 神戸大学博士学位論文 2013-03-25 (当サイト過去記載) めくらうなぎの話 2007年2月9日 分類の考え方−INDEX >>> HOME>>> (C) 2013 RandDManagement.com |