分類の余りの分かりにくさ 分類名を眺めると、わかりにくいことおびただしい。 インターネットリソーシスだからかと思って、本屋に行ったら、そうでないことが判明。本によって記載がバラバラ。しかも、何時確定した分類とか、議論中との註もなさそう。まあ、勝手かってという業界のようである。しかも、図鑑など、出版年次が古いものだらけ。そこに記載されている分類を夢中になって覚える子供もいそうで、こまったもの。 用語にしても、もう少しなんとかなりそうなもの。上/下、古/新、原/変、前/後、正/準/異、真/純/擬、元/非/反、不/無/未と、いくらでもあるのだから、工夫した表現にしたらよさそうに思うが、ド素人の考えなどゴミでしかないか。 それでも、以下の程度ならならどうということもない。「界 門 綱」という用語の説明を受けなくても想像がつくからだ。脊索と脊椎など本質的違いはたいしてなさそうだから、「亜」として細かく分けるのなら、ソリャそうなるかと納得し易い。 動物界 Animalia └脊索動物門 Chordata └脊椎動物亜門 Vertebrata └四肢動物上綱 Tetrapoda └哺乳綱 Mammalia しかし、以下のように書いてあると、話は一変する。途端に、素人はコリャ、ナンダカネの世界に突き落とされる訳だ。 哺乳綱 ├原獣亜綱 Prototheris └獣亜綱 Theria ├後獣下綱 Metatheris └真獣下綱 Eutheria 獣の接頭語の「原、後、真」をつけたものと、元の単なる「獣」がそれぞれ何を意味するか、素人にはさっぱり見当がつかないからである。まあ、接頭辞のproto-, meta-, eu-をそのまま日本語化すればそうならざるを得ないが、概念が微妙に違うからカタカナの方がわかり易いと思うが。 素人にも配慮して欲しいものである。 そういう意味では、はしょらないで、「四肢動物上綱-哺乳綱-獣亜綱-真獣下綱」との記載にしてもらわないと。「上・下」が揃っていれば、「亜」は補助的に挿入したことが見えるからだ。 実は、上記ならまだしも、下記のように書かれている。 哺乳綱 ├原獣亜綱 └獣形類 ├(絶滅)異獣亜綱 ! ├(絶滅)三錐歯目 ! └全獣類 ├(絶滅)相称歯目 ! └・・・・・ └獣(真獣)亜綱 ! 獣形とか全獣とか、どんな概念が想像つかぬ新たなものが追加され、さらにゴタゴタ感が増す訳である。化石を含めるから、新たなグルーピングが必要となるのは致し方ないのはわからないでもないが実にわかりにくい構造である。もちろん、類を間にかますのはわかる。 しかし、コリャとうなってる感を与えるのは、亜綱に階層としての位置が決まっていないから。この状態では、分類階層用語ってなんなのとならざるを得まい。しかも、目とは、綱の下位とばかり思っていたら、下綱の上位に登場してくるのだ。わかりにくいことおびただしい。 さらに、「目レベルの分類」での上位部分は以下のように表記されている。 哺乳類 ├原獣類 ├後獣類 └真獣下綱 ! 上記ははしょった表示なのだろう。それはいいが、真獣が亜綱だったり下綱になったりと、まさに自由自在。 こんな状況を見ると、7段階「界 門 綱 目 科 属 種」の構造表示システムは破綻しかかっているとしか思えない。 ちなみに、「真獣」という用語はどうも標準ではなく、「有胎盤」とするらしい。なんだかネ。もちろん他は「○獣」のまま。さらにゴチャゴチャ感が増す感じがするが。 素人なら、以下の状況がわかるように命名してもらいたいところだが、無いもの強請りに近そう。 哺乳類 ├卵生・・・現生はカモノハシ目 └胎生 ├不完全胎盤/育児嚢 └胎盤 化石も加えた統合分類にすれば、それなりの困難性もあるだろうが、前述したような、亜綱が同じレベルに並ばないということは、分類の網羅性ができないことを意味しているとしか思えまい。だからこそ、現生だけの「ゾウ目」という表現を避けて、「長鼻目」にするといった工夫をしていると聞いたことがあるが、そんなことを気にかけている訳でもなさそうである。 ともあれ、現生は大陸が分かれた後の進化による分岐を見ることになるから、その視点で分類する方針が採用されているようだ。ソリャそれが一番便利だろうが、進化の意味づけができにくくなるような気がする。しかも、その理屈から言えば、古代化石についても、同様に地理的に分けるべきとなりかねないのでは。そんなことを考えると、素人には、意義が今一歩よくわからず。余りに素養が欠けているということか。 哺乳類 ├原獣亜綱 [単孔目(カモノハシ目)] ├後獣下綱 [アメリカ有袋大目とオーストラリア有袋大目] └有胎盤下綱 ├アフリカ獣上目 ├異節獣上目・・・ アルマジロは新熱帯区と新北区だが └北方真獣類 ├真主齧上目 └ローラシア獣上目 分類の考え方−INDEX >>> HOME>>> (C) 2013 RandDManagement.com |