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■ 分類の考え方 2014.12.5 ■


和製音楽の分類上での特徴(現代)

雅楽に使われる楽器を眺めていると、日本の分類観の不思議さと、一旦気に入ると、表面的には廃れてもなんらかの形で中味を継承しようと工夫する気風を感じざるを得ない。

まあ、もともと音楽は分類が難しい。
新しいジャンルを生み出したい人は五万といて、それを聞く方の視点も様々なのだから。

ただ、分類である以上、複数に属するようなやり方は混乱をきたすから、避けるもの。ところが、日本の場合は、分類概念として滅茶苦茶で、混沌状態でもよしとしがちのようだ。論理的な曖昧性は気にならないと見える。と言うか、それこそが、「習合」とか、「読み替え」というお得意な方法論かも知れぬ。
  名詞と動詞が同居
  奏法と楽器が同居
  情景と地域が同居
  新旧時系列と特徴変遷が同居


よく知らないなりに、明らかに「和製」をウリにしていそうな音楽を分類してみようか。(日本の地域民俗的音楽は除外)
 ドドンパ[都々逸ルンバ]
 唱歌、童謡
 アニメソング
 演歌
 歌謡曲
  ムード歌謡
   [ブルース調,バラード調.等々]
  リズム歌謡
   [マンボ.ブギ.ルンバ.チャチャチャ.
  ボサノヴァ.サンバ.ジャズ.ツイスト.ロック.ワルツ.等々]
  テクノ歌謡
  アイドル歌謡
 日本のポピュラー音楽
   <小生の印象:大衆消費財的作品>
    ・マーケティング主導
    ・バンド演奏
    ・おそらく日本の独自概念
  グループ・サウンズ/ロックバンド
  テクノポップ
  シティ・ポップ(AOロック系)
  和製ポップス
  ニューミュージック
  J-POP
   渋谷系サウンド
 日本のパンク・ロック(非ソウル、非R&B)
   <小生の印象:アーティスト自主性濃厚作品>
    ・自作の曲
    ・反哀歌/脱変革扇動ムード
    ・実験的芸術性が薄いのが特徴
    ・ハチャメチャ好み
      表層と違い、根底に楽天性
      ハードロック/ヘビメタ的先端性受容
      奇抜風体/特異ファッションに注力
      独特な感情表現をディープ追求と自称
  青春パンク
  ミクスチャー・ロックバンド
  下北系ギターロックバンド
 ネオ・アコースティック
 和製ヒップホップ/和製ラップ

これだと、なんとなく抜けが多そうな気分に襲われる。
そこで、ファンは多そうだが、「和製」が目立たない渡来音楽ジャンルを加えてみた。
 ハウス
    ・アーティストは本場で活躍
    ・サンプリングに壁か
 クラブ(ダンス)
    ・ディスコティック層の延長
 ファンクブラックミュージック(ソウルやゴスペル)
    ・黒人的リズム感共有困難か
    ・憧憬型人気歌手は存在
 レゲエ
    ・南国的リズム感は異質か
それと、「和製」にたいした意味もなさそうなジャンルも加えておこう。
 イージーリスニング
 フュージョン、インストルメンタル
 ジャズ

日本のこうした分類に関心を持たない人が多すぎる。世界の音楽市場でみれば、ダントツの1位は日本だと思うからだ。次が米国で、それよりかなり小さいのが欧州といったところでは。
ちなみに、米国の音楽小売業の実態からみると、米国分類は以下のようにまとめるとよいのでは。
○メインストリーム
  <土の香り>
  カントリー
  フォーク
  ラテン
  <都会風>
  ブルース
  ジャズ
  ニューエイジ
  <リズム>
  R&B
  ロック&ポップ
  ダンス&インストルメンタル
  ラップ&ヒップホップ
○子供音楽
○映画/演劇音楽
○異文化音楽

日米のどちらがわかり易いと感じるかで、自分の思考回路が見えてくるのではないか。
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