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■ 分類の考え方 2015.3.9 ■


「菌」類のゴチャゴチャ感の凄さ

"モネラ・原生生物・植物・菌・動物"の「5界」分類は破綻しているという話の続きで、素人なりに「藻」について頭を捻ってみた。

しつこく語っておこう。・・・シナリオを描くのに不可欠な分岐が見えないものは、生物全体を概念的に把握する上で障害になるから廃止し、進化を考えるための素材になるような分類に改訂して欲しい。これだけのこと。

何回も書いているが、細胞に核が生まれるには、他の細胞を取り込む機能が必要。それを先駆けた細胞とはどの手のものかを示すことが重要となる。だからこそ、「古細菌」を、他の細菌と別途分類する必要がでてくる。つまり、最重要な分類はこうなる。・・・
 「古細菌」以外の無核細胞 v.s. 「古細菌」+ 有核細胞

古典的発想は、あくまでも、「原始的生物→高等生物」に拘るから、この発想を嫌う。分岐の発想や、進化のシナリオとは対立的な哲学と言ってよいだろう。だからこそ、原始的生物を、モネラ(原核生物)+原生生物(プロチスタ)の2段階とし、高等生物の間に一線を引く。そして、高等生物を並列的に植物+菌+動物に3分割しているに過ぎない。菌を高等生物にしたくないと、菌は消し去られる。
下に再掲するが、一知半解の素人からしても、こうした分類ではなく、以下のようなタイプに変えてもらわねばと思う。それぞれの群毎に、単細胞から多細胞あるいは集合体へ、はたまた共生へと進むのである。もしかすると、鞭毛も、DNAを失ってしまっただけで、取り込まれた細胞由縁かも知れぬ位の見方をすべしということ。
┌真正細菌・・・葉緑体の祖先「藍」を含む。
おそらく、ミトコンドリア相当の細菌もあった筈。

│┌始原(古)細菌・・・葉緑体は無い。
││(真性細菌を取り込める柔軟体制タイプ)
└┤
│↓<有核細胞生物>取り込んで有核化(細胞内に複数の独立DNA群)
取り込み方[組織化]のタイプ(細胞壁の違いが大きい。)
│┌葉緑体だらけの群[代表:植物]
└┤
葉緑体は例外の群[代表:動物]
ミトコンドリア欠落もある古生物的な群
(原初的取り込み:その後、小胞消滅して核のみになる場合も)

その他特殊(よくわからない。)

「菌」はどこに入るかといえば、上記の「葉緑体は例外の群[代表:動物]」であり、名称をつけるなら、「動物・菌」類である。つまり、の部分は、こういうことになる。・・・
┌──アメーバ動物
(棍棒状,有殻,扁平,古,変形菌,タマホコリカビ,等)

┌襟鞭毛虫
│┌┤
││└動物
││└→食餌摂取の細胞内共生特殊動物
││
└┤<後方鞭毛生物>

└─(黴、キノコ、酵母)

もともと、非菌とみなされていたが、行先なく、菌の類縁として扱っていた生物の位置付けがこれではっきりしたということか。・・・
「卵(ミズカビ、ツユカビ)」「サカゲツボ」は"無葉緑体"の偽菌となり、紅藻由来葉緑体を持つ「藻」の親類。これは、「灰色藻・紅藻・緑藻・苔・羊歯・種子植物」の縁戚であり、「葉緑体だらけの群[代表:植物」に含まれる。
一方、「変形(タマホコリカビ等々)」は、「アメーバ動物」として扱うことになる。

つまり、「5界」の位置付けは以下のようになる。
┌─◎真正細菌
┤┌◎始原(古)細菌
││
└┤┌・・・
│├葉緑体だらけの群
││└────●植物
││
└┤┌──アメーバ動物
││
└┤┌───●(黴、キノコ、酵母)
││
└┤┌襟鞭毛虫
└┤
└──●動物─‖─ヒト
偽菌や変形菌は原生動物に含め、いくつかの例外を設ければ、"モネラ・原生生物・植物・菌・動物"の「5界」の見方を続けてもよかろうとの理屈は、天動説でも天界の動きの説明がつくからそれで結構というのとたいしてかわらないのでは。似た生物を検討するための整理分類としての「5界」は極めて役に立つが、進化のシナリオを考えてみたいということなら、頭の働きを鈍らす分類と言わざるを得まい。
動物と類縁と言われれば、素人には納得感ありである。菌糸というが、要するに栄養分を取り入れるチューブだ。それは高等動物が持つ腸の始原的形態かも。

「菌界」という概念はどうようなものなのか素人には知る由もないが、伝統分類では4群(壺黴.接合菌,担子菌,子嚢菌)に分かれているようだ。一瞥しても、はてさてどのような分岐なのか、想像もつかない生物だらけ。分類の解説を読むと、違いはよくわかる。しかし、この明瞭な整理を進化の分岐という観点で、Howを考えても、想像がつかない。まあ、どの分岐でも、Howは成程という説明があるものだが、Whyは結構難儀だ。菌類の場合、皆目検討もつかないような感じがしないでもない。
と言うことは、進化という観点では、なにか欠けている見方があり、スマートに見えるだけで、実はグチャグチャな分類の可能性も。素人考えにすぎぬが。
まあ沢山の種類としか言いようがない。・・・
 ・壺黴・袋黴類 [菌の原始形態か?]
    無菌糸(付着か仮根程度)
    鞭毛を持ち遊走
    ほとんどが無性生殖
 ・毛黴、蜘蛛巣黴
    接合胞子嚢を形成
    醗酵菌
 ・蠅黴
    接合胞子嚢を形成
    昆虫内部寄生菌
 ・グロムス
    陸上植物根棲
 ・担子菌
    2核を形成
    胞子が付いた台(冠状)
   -錆菌・・・植物寄生
   -黒穂菌・・・稲科植物寄生
   -キノコ類[菌蕈+腹茸] キクラゲ、ホウキタケ、カワラタケ、マツタケ
 ・子嚢菌
    2核を形成
    胞子を入れた袋
   -"古生" タフリナ菌 分裂酵母
   -出芽酵母
   -"真正" 茶碗茸,網傘茸,西洋松露 糞玉黴 星苔
 ・微胞子虫
    複核を形成
    無鞭毛
    ありふれた病原体
尚、分子生物学的知見がなければ、振り分け先がよくわからない群もあった。素人からすれば、別途扱いでも、かまわないと思うが。
   -不完全菌類 青黴,麹黴
    有性生殖の型が不明
   -複合生物「地衣類」 サルオガセ、ハナ苔
    菌類構造体内に藻類(共生体)

地衣類が目立つが、菌類は実質的には共生/寄生スタイルが基本だろう。生命活動を終えた単なる有機物を利用したり、生命体の活動に寄生することで繁栄している生物なのは明らか。ただ、WinWinで繁栄するとは限らず、病原性を発揮することも少なくない訳だ。そういう観点では、独立栄養の植物-従属栄養の動物-共生/寄生する菌の3分類は含蓄ある見方である。ミトコンドリアや葉緑体の取り込みも、共生の発展系考えるなら、菌とは進化の途中の姿を見ていることになるかも。そうなると、滅茶苦茶色々な共生を試している生物群というだけだったりして。
ただ、こうした観点での3分割には例外がある。食虫植物は少なくないし、葉緑体を細胞内に持つ動物も存在する。もちろん、線虫を食べる菌(茸)もある。さすれば、この3区分は、たまたま結果的にそうなっているだけで、本質的な分岐に影響してはいないのかも。まあ、考え方はイロイロあり、ユニークなシナリオには不自由しそうもない領域では。(学者は論文に仕上げるまでは口外しないから残念だが、素人はいい加減なことをいくらでも言える。そこが面白さであろう。)
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