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■ 分類の考え方 2015.3.11 ■


生物5界論否定こそが現代の進化論

少々くどい気もするが、"モネラ・原生生物・植物・菌・動物"の生物5界論を"けなす"お話を続けたい。反面教師としての例としては最適だからである。
職業上、5界論を続けたい人が多いということありそうだが、それ以上に問題は、シナリオを描けないままに、説明し難い概念を続けようとする姿勢。分析結果をもとに、概念の細部を弄ることで、新しい動きを封じているのだが、おそらく当人はそう感じない。鋭い分析ができる優秀な人ほどそうなりがち。
分析能力は重要だが、イノベーションを生み出す力は新しい概念を生み出す能力。これこそが「気付き」である。今迄と全く異なるシナリオが生まれそうだという時に、従来の概念でなんとか説明できそうだと考えるのは不毛そのもの。流れに掉さす動きである。
大勢を見て動くべしと言っているのではない。旧来のシナリオは破綻したと指摘されているにもかかわらず、手を加えればなんとかなるというような形で流れを妨害するのは不毛と言っているにすぎない。

前置きが長くなったが、どういうことか、しつこいが、「原核細胞」を例にとって考えてみよう。
生物5界論を崩したくない分析主義者ならどのように扱うか想像してみたい。生物は、「真正細菌 v.s. 始原(古)細菌+真核細胞」に大きく2分されるという話には乗らないのが特徴。「原(無)核細胞 v.s. 真(有)核細胞」に拘るのである。

従って、5界論護持派は、このような進化の絵を描くことになるのではあるまいか。・・・
絶滅 <生命の起源たる細胞>

○モネラ(バクテリア/細菌)

<ムレイン[ペプチドグリカン]細胞壁の核無リング型DNAの単細胞>
[G+−の違いは細胞壁の構造由来]
│┌G− 棒状プロテオバクテリア→ミトコンドリア★
│├G− 螺旋状スピロヘータ
│├G− 葉緑素藍藻→葉緑体
│├G− 好熱性アクィフェックス
├┤(代表的なもののみ記載)
│├特異G− 酸素非発生型光合成緑色非硫黄細菌
│└G+フィルミテクス

<エーテル結合細胞壁の核無リング型DNAの単細胞>
(無ペプチドグリカン化)
│┌過酷環境ユリアーキオータ
│├好熱系クレンアーキオータ
├┤
│└亜硝酸菌タウムアーキオータ

<無ミトコンドリア 有核>
│┌無ゴルジ体テンプル鞭毛虫
├┤
│└有ゴルジ体腸トリコモナス

●←ミトコンドリア挿入★

○原生動物<真(有)核単細胞生物>
│<爆発的な種の発生>

│┌→○植物類
│├・・・
│├→○菌類
│├・・・
└┤
├→○動物類
├・・・
└・・・

これは拙かろう。再構成せねば、シナリオの描きようがないと思うが。

一方、5界論を捨てさえすれば、いくらでも描きようがあろう。・・・
原始の頃、ミトコンドリアや葉緑体だけでなく、硫黄や鉄の代謝系を持つ細胞など、環境に合わせて様々な細胞があったろう。
なかには、互いに持ちつ持たれつの関係になるものもあるし、共存不可能も。
そのなかで、共存関係が密で長続きした細胞が、完璧な共生状態に陥り、ついには細胞融合が発生したというのが、最初のストーリーだ。
さすれば、細胞内に他細胞のDNAを取り込むことができるボディプランの登場こそがメルクマール。それこそが<エーテル結合細胞壁の核無リング型DNAの単細胞>の誕生では。細胞共生の原点がここにあると見るのが自然。まあ、もともと、極めて特殊な環境でニッチ的に生きるしかなかったのだろうが、ミトコンドリア細胞と一緒になることで、画期的な優位性を発揮することができるようになった訳だ。そのミトコンドリア細胞も、一種類ではなさそう。(構造が板、管、盤の3種類あるから。)と言うことは、ミトコンドリア以外の細胞を取り込んだ生物もあったと考えても不自然ではなかろう。もちろん、すべて絶滅したのだろうが。一方、ミトコンドリアとの共生がそれほどプラスに働かなかった環境におかれた種は絶滅の憂き目だと思うが、ミトコンドリアを失うことで生き延びた生物もあったと考えることもできよう。例外的な分岐扱いでかまわない訳だが。

繰り返すが、「原生動物」は駄目である。細菌と同じ扱いにはできないが、さりとて植物・動物・菌の原初形態生物ではありえそうにないというにすぎないからだ、ペンデイングの生物はずべてプールにいれようということで作った名称としか思えない。それなら、はっきりそう宣言すべきであろう。
進化を考えるということは、「原生動物」をシナリオが描けるように区分けすることでもあろう。それは分析による整理から始まるが、重要なのは、思考実験の方だろう。いくつに、どのように分岐すべきかは、そうした行為から生まれるのではないのだろうか。その結果、新しい概念が生まれる。まさに創造力の賜物。

ついでながら、細菌そのものも、並列的な記載はさっぱり面白くない。進化を考えるのなら、光合成細菌もそれなりの分岐を示すべきだろう。学問の現状は知らぬが、素人なら、非酸素発生型から、酸素発生型へと進んだに違いないと想定する訳で。おそらく、光合成を止めた細菌もあることだろう。

まあ、素人からすれば、細胞壁構造こそが、細菌の域から進化する上でのボディプランの原点に映る。
例えば、植物の究極の進化はリグニンの登場では。藻は、様々なものがあり、寒天やカラギーナン、アルギン酸からガラスまで。それだけの多様性を発揮できる訳で、細菌もそういった潜在能力を抱えていたことになるのでは。
一方、菌は昆虫外殻のキチンを生んでいる。
動物の祖先にしても、鞭毛一本が尾に見える単細胞系であるのは間違いないだろうし、その後、細胞を裸にすることで多細胞化して、優位性を生み出したのも間違いなさそうである。シナリオも随分とわかり易くなってきた。
素人でも勝手な想像ができるようになってきたのは間違いない。それこそ、動物/菌/アメーバの原始細胞から、新しい膜の細胞が生まれ、それが藍藻を取り込んで葉緑体を形成し植物系へと進むことになったのかも知れぬし、鞭毛一本型ではないタイプの単細胞生物の仲間という可能性もあろう。生物5界論を止めれば、そんないい加減な話もできるようになる。・・・と言ってもこれは一知半解な素人談義。
まあ、しつこく書いてきたが、いたるところミスや勘違いどころだろうが、それ以上に、根本的な間違いだらけかも。その辺りはご容赦のほど。

新しい概念を生み出す流れを止めようとする動きだけはご免蒙りたいという主張に過ぎないので、その辺をお汲み取り頂きたく。イノベーションを阻害する思想だけはなんとしても防がねば。

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