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2005年4月28日
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魚の勝手な分類 (1: 太古)…

 日本人ほど様々な魚を食べる民族はないと思うが、どの程度の種類の魚を食べているのか気になった。

 東京の築地市場の調査(1996年〜1999年)によれば、入荷したのは、国内産約520種、海外産約150種だという。現実的な食用は、それぞれ400種と100種と見ればよいそうだ。(1)

 とんでもない数だから、とても調べる訳にはいかないので、分類表(1)を眺めて、素人考えで大雑把に分類してみた。

 出現時期を見ながら種を眺めていると、なるほど感が湧いてくる。

 先ずは、「デボン紀→石炭紀→ベルヌ紀→三畳紀→ジュラ紀」に出現したグループ。これらは、太古の生き残りの種と言えよう。
 次が「白亜紀」で、多種多様な魚が生まれ、今も活躍しているものが多い。
 そして、その発展系が「古第三紀(暁→始→斬)」に、さらなる新潮流は、「新第三紀(中新世→)」にも出現したようだ。
 その後の「新第三紀(→鮮新世)→第四紀(更新世→現世)」には出現していない。

 環境変化に対応して、どんな戦略で生き残ってきたのか、色々と考えさせられる。

 間違いを恐れず、網羅性も気にせず、とりあえず知っている魚を整理して記載してみようと思う。

  〜原始の雰囲気を感じさせる生き残りの魚達〜

●デボン紀の魚 驚異の希少種の世界
 ・シーラカンス

●石炭紀の魚 原始的な印象
 ・ヤツメウナギ

●ベルヌ紀の魚 空気呼吸器付き
 ・オーストラリアハイギョ
   (アロワナ目のピラクーは世界最大の淡水魚らしい. 浮き袋の空気で呼吸できる. こちらはジュラ紀だ.)

   (北アメリカに棲む淡水魚アミアもピラクーと同じ機能を持つが三畳紀だ.)


●三畳紀の魚 不思議な菱形の鱗 (鮫と違い軟骨がない.)
 ・チョウザメ
   (キャビアのイメージしか浮かばない. 尚、アメリカに棲むガーが似ている. こちらはベルヌ紀とさらに古い.)


●ジュラ紀の魚 軟骨主体
 ・サメ    ヨシキリザメ(メジロザメ科)、イタチザメ(メジロザメ科)、ホホシロザメ(ネズミザメ科)、ネコザメ
         ジンベイザメ、ノコギリザメ、カスザメ(エイと似ている.)
 ・エイ

 ヤツメウナギは古い魚と聞いていたが、こんなに古い魚とは気付かなかった。顎が無く、鰓穴が沢山開いており、珍しい形態である。
 食いついたら離れない貪欲さが、現世まで生き延びることができた秘訣ではないかと思う。
 とは言え、偶にしか見かけないから、こそこそ隠れるような生活だろう。

 古生代(カンブリア紀〜ベルヌ紀)はもともと魚類繁栄の時代と言われる。しかし、ほとんどの種は滅びてしまったのである。動きが鈍いものが多く、中生代(三畳紀〜白亜紀)に登場する様々な魚捕食者に獲り尽くされてしまったのだろう。
 のったりしていても、目につきにくい種だけがかろうじて残ったと言えよう。

 中生代(三畳紀→ジュラ紀→白亜紀)のジュラ紀に出現した、鮫とエイはそんな状況を彷彿させる。優れた戦闘能力と、すばしこい動きが生き残りに奏功したのである。お陰で、今も元気そのものである。大手を振って、大海を動き回っているように映る。
 俊敏な魚が勝利を収めた訳だ。

    「魚の勝手な分類 (2: 多種多様) 」 (2005年4月28日)>>>

 --- 参照 ---
(1) 上野輝彌・坂本一男著「魚の分類の図鑑」東海大学出版会 1999年
 

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