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魚の話  2006年7月21日
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ほっけの話…

  世の中に ホッケほど 手頃なものはなし  呑み屋の主人曰く  

 ホッケはアイナメと同じ属なのだそうだ。
  → 「あいなめ 」 (2005年3月11日)

 そういえば、焼いた皮についている細かな鱗の感じが似ている感じがするが、どうも、ホッケのイメージが湧かない。

 生の魚体を一度も見たことがないから当然である。東京では、ホッケと言えば、廉価な“開き”以外並んでいないのだ。
 その干し物にしてから、昔から流通していた訳ではない。柳葉魚とホッケは、北海道出身者しか知らない魚だった。お店に時々登場といった程度である。それが、あっという間に普及した。
 ホッケの開きは大振りだから、食べる量を考えると、コストパフォーマンスが圧倒的に良く、若者相手の飲み屋や定食屋のメニューに載ったからではないかと睨んでいるのだが。

 ・・・と考えるのは素人。

 実は、鰊がとれなくなった代用品だそうである。
 その昔は、“「ネズミサカナ」、「囚人魚」などと呼ばれるほど不味い魚と見なされ、また鮮度も落ちやすいため、ほとんど食用としてこなかった”(1)のだと。昔の国語辞典には不味い魚となっていると聞かされると、正に驚きである。

 言われてみれば、確かに、鰊が消えて、ホッケがでてきた。
 しかし、味の感覚は簡単に変わるものだ。

 ホッケといっても、棲むところで、道南、西南の太平洋側、道北、沿海州の4つの群に分かれるそうだ。このほかに赤褐色のキタノホッケがいる。
 味は、どの程度違うものなのだろうか。(2)

 回遊する魚だという。
 アイナメを考えると、美味しいのは、底でじってしているヤツ。ホッケにもおそらくそんな習性を持つものがいるだろう。ソイツがねらい目だと思うが。

 ・・・などと考慮すべきではないかもしれない。ホッケのよさは、あくまでも、大衆魚。
 なんといっても、この魚の特徴は、開きが一年中登場する点にある。サービス業にとってはこれほど有難い魚はなかろう。

 おそらく、脂がのっている時期に大量に獲り、冷凍しておいたものを注文量に応じて解凍し、干して出荷しているのだろう。どんな干物でも冷凍していれば脂が酸化して不味くなるが、解凍ものの開きならそうはならない点がウリなのだと思う。
 だが、ホッケに関しては、それだけではないらしい。新鮮なものの開きより、解凍ものの開きの方が美味しい時が多いのだという。

 魚に情緒を求める人には悲しいことだが、ホッケの開きには旬は無いのである。

 --- 参照 ---
(1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%83%E3%82%B1
(2) http://www.fishexp.pref.hokkaido.jp/exp/wakkanai/04sakana/04-02hokke/04-02-01main/04-02hokke.htm


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