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魚の話  2007年1月12日
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ろうにんあじの話…

  海原で 力勝負の ガーラ釣り  宮古島ファンが夏を思いだして語りし

 “GTをクールタッチでデザインしたバックプリントTシャツ”(1)が販売されている。
 フリー使用できれば、この絵柄をカットとして入れたいところである。

 GT といえば、普通は車のGran Turismo を指すが、ここでは「コーラルリーフの暴君」 Giant Trevally のこと。南洋での船からのルアーフィッシングの魚である。
 正式名称は「浪人鯵」だ。この名前ではチト格好が悪いのか、釣り人は、もっぱらGTを使う。

 どれだけ釣り人が憧れているかは、その装備を見ればわかる。まだ行ったこともないのに、定価10万円もする高級スピニングリールを安く買って、その時に備えている人も少なくないのである。

 鯵と言っても、見慣れたものとは全く違う。南日本からインド洋・太平洋の暑いところに分布しており、全長は1mを超し、体重は50kgに達する巨躯なのだ。(2)
 まあ、そのまま縮小すれば、確かに鯵である。
 (日本釣振興会沖縄県支部に申請されたデータを見ると、渡嘉敷島での143cm/55kgが最重(3))

 これを見れば、ワシも、ワシも、とGT 釣りを始める鷲族が生まれて当然だろう。口には出さないが、ワシなら、記録を塗り替えられるかもしれないと思っている人が多いから尚更である。

 一寸調べたら、どうにでも食べられ、美味しいとの記載を結構見かけた。
 確かに、石垣島にいくと、魚のメニューに登場してくる。
 グルクン(タカサゴ)、ミーバイ(クエ)、イラブチャー(ブダイ)辺りが定番で、これに、タマン(浜笛吹鯛)、ガーラ(ロウニンアジ)が続くという感じだ。

 しかし、ガーラが人気食材とは思えなかった。
 美味しいなら、もっと宣伝する筈だからである。それに、釣り人も、リリースすることが多いようだし。

 ハワイではulua-fishing と言われ結構人気があるそうだが、料理の方はどうなっているのか見てみたが、
 “Ulua is mouthwatering when breaded and grilled and topped with fresh lemon butter.”とのことだ。(4)
 mahimahi(シイラ)同様、バターぎらぎらステーキにすれば、それはそれで食べれるだろうが、是非にも、という気にはならない。
  → 「しいらの話 」 (2006年6月23日)

 本土の魚の多種多様性に慣れてしまうと、食べなれない熱帯系の魚はどうも合わないようだ。現地に行けば、土地の食文化に触れる喜びを味わえるから愉しいが、口にすると、なんとなくパサツキを感じてしまい、嬉しさも半分といったところである。

 --- 参照 ---
(1) http://www.a-sarai.com/individual3lure/file/wear/00340.htm
(2) http://www.kaiyouhaku.com/pict_data/20.html
(3) http://www.turiokoku.com/magazine/kiroku.html
(4) http://www.mauimenusonline.com/recipes/fish/hawaiian_fish_guide.html

 --- 附記 [2007.1.26] ---
沖縄用語で, ガーラは体長50cm程度のギンガメアジのこと. その倍の大きさのロウニンアジはカマジャーと呼ばれている
両方とも鯵の体型だが、ギンガメアジは鰓の上部に黒い斑点があるのが特徴.
ロウニンアジは貪欲な魚で, 水槽内でも小魚をおそって食べることもあるという.
一方, ギンガメアジは割と飼いやすいそうで, 性格は全く違うようだ. (美ら海水族館 解説シートvol.23)


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