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魚の話  2007年2月2日
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ことひき の話…

琴を弾く 薫の姿 身に沁みる  魚の気持ちはよくわからない

 頭の方から尾に向かった曲線の縞々模様がある魚と言えば、アイツだとすぐわかる。コトヒキである。
 30cmを超えることも多いから、結構大きい魚だが、なんとなく可愛い。顔が丸っこくて、人懐っこそうな印象を与えるからかも知ない。

 この魚、東京湾の海上公園辺りでも釣れるし、引きが強いから結構人気がある。大物になると、45cmだというから、挑戦したくなるのも無理はない。

 シマイサキ科なので、コトヒキと呼ばず、シマイサキと呼ぶ人が多いが、シマイサキは別な魚だそうだ。
 こちらは、チト小振りで、縞が直線。それに、尾まで縞帯が来ていない。
 と言うより、顔の印象が全く違う。素人でも、見た瞬間わかるのだが、釣り人は気にしないようだ。要するに、本物のシマイサキには興味などないだけの話である。

 コトヒキは、釣り上げるとイシモチのように浮き袋を使ってグーグーと鳴く。
  → 「いしもちの話 」 (2006年8月4日)

 これが、琴弾きという名前の由来だという。音は余りに違うが、縞が琴の糸という訳なのだろうか。

 コヤツ、見かけは可愛いが、しぶとい魚らしい。

 90cm水槽の海水魚飼育家によると、“飼っていても、とにかく丈夫で”“かなり苛酷な環境でも、死に絶えることはきっとない”そうだ。(1)
 しかし、“丈夫ということは、やっぱりなかなかの荒くれ者たちで、日々抗争が耐えず、とくにコトヒキのしたたかな乱暴ぶりには手を焼き”“最終的には元の海に”返すしかなかったという。(2)
 人が見ていない時、丈夫な口で鱗剥がしの技で、急襲するタチらしく、さっぱり仲良くしないのである。
 ひょっとすると、鱗に付く寄生虫が好物の可能性もあるから、冤罪でなければよいが。

 ところで、この魚を刺身で食す人がいるので驚いた。(3)味の方はたいしたことはなく、旨みを欠くらしい。

 魚も食われて成仏す、ということだから、釣った魚を食べるのは礼儀だが、汽水性の魚類には有害異形吸虫が寄生(4)している恐れがあるから、無理しない方がよいと思うが。

 --- 参照 ---
(1) http://home.s07.itscom.net/nuts/fish/kotohiki.html
(2) http://home.s07.itscom.net/nuts/suisoframe2.html
(3) http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/simaisaki/kotohiki.html
(4) http://www.nrifs.affrc.go.jp/news/news19/yosinaga.htm

 --- 注記[2007.2.12] ---
コトヒキという魚は砂浜海岸で色々なものを食べるが、貝類も餌にしているので、 ナミノコガイやチョウセンハマグリの天敵となる可能性もある。
(山口正士先生より)


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