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魚の話  2007年5月11日
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よだれかけ の話…

  苔落とす お洒落な百の よだれかけ

    海のお地蔵さんとの風情は皆無だが、・・・

 ヨダレカケは沖縄の“海にいる”魚、と書きたいところだが、表現として適切なのか気になる。
 と言うのは、この魚、もっぱら、波打ち際の岩の上で暮らしているからだ。言うまでもなく、そんな魚は滅多にいない。唯一、似た習性なのは、タマカエルウオだろうか。近しい親戚らしいが、下唇に吸盤が無いそうだ。
  → 「かえるうおの話」 (2007年3月2日)

 へんてこな名前の由来は、腹部にある膜が“よだれかけ”に似ているからだそうだ。(1)沖縄の方言名はないらしい。
 それにしても、腹側の姿が注目される魚も珍しい。
  → 「TBS どうぶつ絵本 ムービー “ヨダレカケ”」 (C) Tokyo Broadcasting System

 岩にへばりついて、付着している海草を食べるのには、便利な形態だが、吸盤で岩にピタッとくっついている訳でもなさそうだ。人がくると飛び跳ねて素早く逃げることができるのである。移動は結構お得意なのだ。
 陸上の方が安全とも思えないから、水の中に入る事がお嫌いなのかもしれない。

 しかし、肺がある訳ではないから、時々、水に入って鰓呼吸をするそうだ。おそらく、その際に、海水を沢山溜め込むのだろう。それだけでは、陸で生活できないから、皮膚呼吸もするという。

 皮膚呼吸といえば、ムツゴロウも可能だ。こちらも跳びはね回るが、浅瀬の泥地での話。海から直接陸地にあがってしまう訳ではない。常識では、海から陸へ移動するなら、まずは浅瀬になりそうなものだが、ヨダレカケは一気に陸に移動するのだからすごい。
 しかも、陸上で産卵、卵の保護をしているというから、本格的である。

 --- 参照 ---
(1) 沖縄美ら海水族館 サンゴの海 個水槽 リーフレット vol. 17
(参考) 「鹿児島・口永良部島〜脅威!陸に上がった魚 ヨダレカケ」 NHK総合テレビ 生きもの地球紀行(2001年1月22日放送)
    研究者: 清水則雄氏: http://home.hiroshima-u.ac.jp/fshres/shimizu.html


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