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魚の話  2007年8月3日
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はだかいわし の話…


 日も暮れて ランタン光らせ 集う群れ
   裸鰯より lanternfishの方が情緒を感じる素敵な名前だと思うが


 ハダカイワシは腹に発光器が並ぶ魚。(1)どうやら光は届くものの、光合成はできない程度の深さの海で生き抜くためには、光を放つ機能は重要らしく、ハダカイワシだけでなく、ここら辺りに棲む多くの種が発光器を持っている。
 まさか、すべての魚にもともと発光器があった訳でもないだろうから、深海に棲むようになり、そんな器官を持つようになったのだろうが、種が違っても発光の仕組みはほとんど同じというから不思議だ。(2)

 この魚、深海に棲むと言っても、隠れているだけ。食餌の時は浅い海にあがってくる。このため、時として、網にかかる。体型は違うのに、鰯と呼ばれるだけあって、結構、沢山棲んでいるようだ。
 しかし、折角獲れても、すり身に混ぜられる程度で、ほとんどの場合は捨てられてしまうらしい。

 姿が食用向きではないから致し方ない。
 名前の通り、水揚げされた時、すでに鱗や皮が剥げ落ちているからだ。いかにも鮮度が悪そうだし、目だけ大きくて、皮膚がどす黒く、なんとなく不気味だから敬遠される。
 もっとも、水族館で泳いでいる時は、鱗も皮もごく普通の魚に見えるのだが。

 ところが、いったん“食べたら病み付き”だという。(3)

 深海魚だから、おそらく、身は柔らかく、脂の量がとてつもなく多い筈。焼けば、脂が落ちるので、美味しく感じるのかも知れない。もっとも、脂と言っても、我々が通常食べる脂とは違い、蝋に近いのではないか。アブラボウズ同様、大量に食べれば、下痢間違いなしかも知れぬ。
  → 「あぶらぼうず 」 (2006年8月11日日)

 この魚、背鰭の後方というか、尾鰭の前の背中に脂鰭がある。この鰭を持つ魚はサケやエソ、シーラカンスなど。
 いかにも、出自が古そうだ。
 実際、古い地層からハダカイワシの化石が発見されている。

 もともとは、浅い海にいた魚だったが、安定した環境の深い海に移ったということかも知れない。このお蔭で、上手く生き延びることができたのだろう。

 --- 参照 ---
(1) http://web.archive.org/web/20011201063212/http://www4.cookman.edu/noaa/Ichthyoplankton/Myctophiformes1.pdf
(2) http://www.ecosystem.ori.u-tokyo.ac.jp/microbiology/members/wada/abstracts/yamaguchi.pdf
(3) http://www.zukan-bouz.com/fish/hadakaiwasi/hadakaiwasi.html


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