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魚の話 2007年8月31日 |
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きんき の話…みじか夜を 吉次が冠者に 名残哉 其角 「猿蓑集 夏」 奥州の藤原秀衡のもとへと 鞍馬山から逃亡する牛若丸に付き添って助け続けたのが 塩釜港に住む黄金商人のキチジだった キンキこと、キチジは、キンメ同様に頭が大きく、コトコト煮込む料理に向いているが、刺身も絶品。 → 「きんめだいの話 」 (2007年2月23日) ポイントは、鱗をとって3枚におろしたら、皮の上から熱湯をかけること。これを忘れると、喜びは半減してしまう。 これだけのことで、“ゼラチン質のプルンとした食感と、すぐ下にある脂の甘味が口の中で溶け出し”至福の一瞬を愉しめる。 上品とは言い難い味だが、脳味噌が素直に反応してしまい、キンキ雀躍の境地に陥る訳だ。(1) もっとも、出費が嵩むから、その後は頭痛に襲われることもあるかも知れぬが。 東北や北海道の太平洋の底にしかいないと聞いていたから、そのうちに底曳きの獲り過ぎで出荷が細ってしまうと見ていたが、その割には結構見かける。おそらく海外から類縁種を持ってきたと睨んでいたが、案の定、アラスカキチジが冷凍輸入されているそうだ。 80cmにもなるというから、大物らしい。(2) キチジの蒲鉾とはコヤツではないか。 まあ、漬けたり、加工してしまえば、プロでも差などわからないだろうから、どうでもよい話だが。 こんな状況に、すかさずビジネスチャンスを見出した漁協もある。延縄の一本釣りで、高級ブランド路線を歩もうという訳だ。(3) 確かに、背中の立派な棘や赤い肌に傷がつかずに届けば、誰でも嬉しいに違いない。ここまで来ると、赤い宝石というか、まさしく黄金の吉次だ。 キンキの正式名称キチジは漢字では、喜知次とか吉次と書かれている。この由来はよくわからないが、赤い魚であるから、吉事用にもちいたということだと思われる。英雄伝説に登場する脇役名は当て字だろう。 と言うことで、おそらく、歌舞伎役者名にあるのではないかと探して見ると、当たり。(4) そういえば、「喜知次」もどこかで聞いたことがあると思って調べたら、奥州のとある藩を題材にした、時代小説の題名だった。(第119回直木賞候補作(5)) 新しくできた、愛しい妹が、赤い頬で大きな目をしており、これが魚のキチジに似ているという訳。 お洒落な話である。 --- 参照 --- (1) http://www.zukan-bouz.com/kasago/kitiji/kitiji.html (2) http://www.touoroshi.or.jp/fish2/fish2-7/fish2-7.html (3) “網走の「釣きんき」が商標登録されました。” 網走市観光協会 [2006.11.3] [写]http://www15.plala.or.jp/arh/html/bbb1.html (4) http://www.actors.or.jp/meikan/members/actors/a0857_kitigoro.html (5) http://homepage1.nifty.com/naokiaward/senpyo/senpyo119.htm (俳句 注) 「猿蓑」 http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/basho/shitibusyu/sarumino20.htm#????? 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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