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魚の話 2007年12月14日 |
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はっかく の話…八角や 心静かに 時刻む ハッカクの名前の由来は教えられなくてもわかる。正確な八角形ではないが、それに近い断面であるからだ。 この他にも、ハッソク、ワカマツ、ガガラミ、カクヨ、ソビヨ、トビヨ、マツヨ、サチ・・と様々な呼び名があるそうだ。 しかし、一番の特徴的は鰭である。飛び魚でもないのに、どうして羽のように広かる大きな鰭が必要なのか、素人には理解できない。 ともあれ、この魚の正式名称はトクビレ。トクダイビレの方がわかり易いと思うが、こればかりはいかんともしがたい。 ところが、どういう訳か、東京ではもっぱらハッカクと呼ばれている。トクビレなどという名称は一度も聞いたこともない。北海道産が入荷してくるから、地方名になってしまうのかも知れない。 “厳格な国際命名規約をしっかり守ってつけられる学名に対して、なんの拘束もなく、気軽につけられた和名がならんでいるのは、いかがなものかというわけで、近年は和名の命名法についても、しっかりした基準、規約をつくろうという動きが”あるそうだが、そう簡単なものではなさそうである。(1) 東京で見かけるようになったのは、底魚としての美味しさが知られたからだという。当然ながら高価である。 もともとは、背開きにして味噌を付けて焼く「軍艦焼き」が人気のもとだったようだが(2)、テレビ番組で刺身もとりあげたため、一度は食べておかねばという人が大勢生まれたかららしい。。 特に、130店以上に及ぶ寿司店を抱える小樽の観光キャンペーンの影響が大きかったようである。今では、「はっかく」は小樽の2〜4月ネタとして、目玉商品に育っているようだ。(3) と言っても、よくある無視されていた食材に、目をつけて商材に仕上げたということではなさそうである。美味しいことは明治時代からすでに知られていたからである。ただ、刺身や寿司のネタという訳ではなさそうだが。(4) まあ、底魚だから、「ほうぼう」と同じようなもの。問題は、鎧のような部分が多すぎ、刺身にするには身が少なく、面倒である点。そのため、今まで注目されてこなかったということだろう。 → 「ほうぼう 」 (2007年10月5日) と見るのは表面的すぎるかも知れぬ。 人気の底流にあるのは、食の感覚の変化である。 底魚の特徴は脂が多いこと。特に旬は溜まりに溜まっている。これが嬉しい人が増えたのである。 白身の“あっさり”、“さっぱり”感ではなく、白身の“ねっとり”感が喜ばれるようになってしまったということ。 --- 参照 --- (1) 鈴木克美: 「お魚くん・きみの名は? 第三話「標準和名」は文明開化のおとしご?です」 海のはくぶつかん 東海大学社会教育センター [2004.9] http://www.muse-tokai.jp/publish/umihaku/2004/v34n5p4.html (2) 工藤虎男: 「『釧路港味覚めぐり』 第3話 ハッカクの軍艦焼き」[2003.6.30] http://www.city.kushiro.hokkaido.jp/kankou/c/column/hakkaku.html 「魚こよみ ハッカク」 釧路市漁業協同組合 http://www.gyokyou.or.jp/04/37.html (3) 「ネタカレンダー」北海道鮨商生活衛生同業組合 小樽支部 http://www.otaruzushi.com/neta.htm (4) 坂本一男: 「1 オホーツク人の海と陸 松浦武四郎が見た魚」 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/2002Okhotsk/02/2300.html 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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