トップ頁へ>>>
魚の話  2008年3月20日
「魚」の目次へ>>>
 


いばらのり の話…


  沖縄で お食べになったか  モーイトーフ

  スーンチ ウチナーヤ ヌチグスイ ムヌディ イイネ?
  ウチナーチュガ カムルムヌヤ アリシカン クリシカン
  サングトゥ ドゥーンカイ
  マシャンディチウムティ ヌーヤティン カムグトゥ ジッコー
  ジョートゥ ヤンバー カサ!!

   ・・・まあ、一言で言えば、沖縄料理は長寿食ということ。(出典は“参照”に記載)
      チラシの文章だそうだが、コピーライター真っ青。



 突然、イバラノリの話をすることにした。
 エゴノリの話をお読み頂いた山口正士先生から沖縄の海藻食についてアドバイスを頂いたからである。[2008年3月15日]
  → 「えごのり」 (2008年3月14日)

 “沖縄ではキリンサイやオゴノリ類など寒天のように固めることが できる多糖類を多く含む海藻が豊富”とのご指摘。そして、“モーイトーフ”を教えて頂いた。
 オー、そういえば、と思い当たったのである。

 沖縄を訪れた時、ジーマミートーフ(地豆豆腐だろうか)は美味しいので何回も食べたが、海藻料理の“モーイトーフ”は注文した覚えがなかった。だが、よくよく考えて見ると、煮凝り様の前菜風の料理を食べた覚えがある。
 そうか、あれか、と今になって気付いたのである。

 どのように作るのか、ウエブを探してみると、どうも沖縄北部(いわゆる“やんばる”)発祥のようで、3〜4月に採れる紅藻類の「いばらのり(茨海苔)」を固めたものらしい。簡単に言えば、寒天の寄せモノのような料理だ。(1)ただ、いかにも、沖縄らしく、鰹出汁入りの“あじくーたー”の世界が実現されている。
 写真を見る限り、珍しい形をしている海藻ではなさそうだが、小生は、初めて耳にする名称である。
  → 「イバラノリ[竹富町黒島・水深1m]」 琉球・サンゴ礁の生物博物館 (C) RYUKYU Muzeo di esseri viventi del scogliera

 屋我地島では、モーイトーフは郷土料理になっている。(2)家庭でよく食べられているのだろう。もちろん、那覇でも売っているとのこと。

 当然、オゴノリも同様に使われるに違いない。西表島では「カーナ」と呼ぶそうだ。(3)

 海藻食が好きな沖縄のことだから、モーイとカーナで終わる訳がない。
 宮古島で有名なのが「キリンサイ」を煮て固めたウルー。(4)本島ではイーシ(5)とも呼ぶらしい。
 ウエブには、「チヌマタ」という名称もよく登場するが、これは「リュウキュウツノマタ」なのか。どうも名称は、地域で勝手なようだから混乱させられる。
 まあ、小生も含めて、素人には、藻類は、見たところで、分類はさっぱりわからないから、間違った情報も多いというだけのことかも知れぬが。

 このほか、お店をのぞくと、その形状から“珊瑚海草”と名付けられたらしい「スーナ」(ゆみがたおごのり)もある。こちらはオゴノリのように寒天のようにはせず、乾物を戻し、コリコリとした食感を楽しむようだ。
 まさに、海藻王国の面目躍如といったところ。

 しかし、沖縄の海は澄んでおり、本土の栄養分だらけの海の海藻密度と比べるとかなり低そうで、採取は面倒だと思うが、どうしてそこまで海藻にこだわるのか不思議な感じがする。(6)
 海藻食こそが長生きの秘訣との直観があったのだろうか。

 --- 参照 ---
(1) 久場律子: 「モーイ豆腐」 那覇市 http://www.culture-archive.city.naha.okinawa.jp/html/b_contents/70054000.html
(2) 屋我地島観光案内[おみやげ]欄 http://shimanosanpo.com:80/churajima01/yagachi00/index.htm
(3) 西表島植物図鑑http://www.simamariasibi.com/iriomote/kana.htm
  上記ページにオゴノリ中毒の記載あり.下記論文を見ると, 有毒ラン藻の付着が原因のようだ. 素人判断だが,生食しなければ問題なかろう. 
  Nagai, H et.al.: “Aplysiatoxin and debromoaplysiatoxin
  as the causative agents of a red alga Gracilaria coronopifolia poisoning in Hawaii.” Toxicon. 1996
  http://grande.nal.usda.gov/ibids/index.php?mode2=detail&origin=ibids_references&therow=142051
  永井宏史: 「ハワイで発生したオゴノリ食中毒:ラン藻毒アプリシアトキシン類による初めての中毒事例」“化学と生物” 37, pp149-151 (1999)
(4) 美ら島物語Tosay's宮古島2003/11/19 JTA http://www.churashima.net/todays/miyako/index.php3?yyyy=2003&mm=11&dd=19
(5) 白保郷土料理研究会 第1期研究会終了!海藻料理に挑戦 WWFサンゴ礁保護研究センター
  http://www.wwf.or.jp/shiraho/topics/2005/sr20050606.htm
(6) 八重山での海藻食の対象: ひとえぐさ(アーサ), いばらのり(クイナ), もずく(スヌル), とさかのり, みる(ピーリ), せんなりづた(ンギフ),
  くびれおごのり(アラナ), おごのり(カーナ), 紫のり(ヌーク), 海人草(イーヌ).
  「聞き書 沖縄の食事 [日本の食生活全集(47)]」 農山漁村文化協会 1988年
(冒頭の文章) 「琉球語解読コーナー」 歴史言語学と日本語の起源
  沖縄料理屋で入手したチラシの文章の読解) http://homepage3.nifty.com/rosetta_stone/wissenshaft/ryuk_dasoku.htm#seikai
(恩納村の写真) (C) オキナワンスタイル http://www.okinawanstyle.com/


 「魚」の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2008 RandDManagement.com