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魚の話  2008年9月5日
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しったかの話…


  懐かしき シッタカ入りの 洗面器
   昔のように、どこでも獲れるものでなく、今や、希少価値で人気らしい。

 シッタカ(尻高)は値のいい貝だそうである。(1)
 正式名称はバテイラ(馬蹄螺)で、シッタカとは房総や伊豆等で通用する地方名ということも初めて知った。(2)

 それにしても、こんな貝というと失礼かも知れぬが、どうして高級品になるのか、流石に驚いた。ベーゴマの尻を高くしたような形であり、いかにも安価という印象しかなかったからである。(ところで、べーゴマの貝はバイと書いてあるウエブをみかける。形がずいぶん違うが、本当なのだろうか。)
  → 「ばい 」 (2008年2月8日+追記)

 近所の鮨屋で瓶ビールを注文したら、突き出しで出されたことがあり、こんなものを何故出すのか訝ったが、そういうことか。ただ、ビールの値段はそれほど高かった訳ではないが。
 そういえば、昨年、とある島に遊びに行って、そこの漁協長経営の食堂に入ったら、サービスということで、シッタカがでてきたのも思い出した。それほどのものとは知らず、たいして感謝もせず、申し訳けないことをした。

 魚屋さんで売っていたのを見たことは無いが、昔は、海辺に遊びにいくと、塩茹でにしたものが山盛りになっていたりしたものである。
 要するに、大人も子供も、暇つぶしに食べるような貝だったのである。
 爪楊枝で刺し、貝を回してゆっくりと身を取り出すのだが、集中しないと身が途中で切れてしまう。そうなると、暗緑色(白の貝もある)の部分が食べれなくなり、元も子もなくなる。従って、もくもくと食べるしかない。上品な食べ方とは言いがたい。

 しかも、えぐ味があるものもあるから、好きでない人もいそうだ。
 どちらかと言えば、美味しい貝というより、磯臭さを感じさせる食べ物と言ったほうが当たっていそうだ。まあ、良質な海藻が生えている場所の産なら、それなりの味だから、茹でたてなら磯の香りを楽しめて嬉しいものである。

 と言っても、コンクリートで固めた海岸ばかりになってしまったから、今時、磯の香りを感じさせる貝がそうそうある訳がないか。

 --- 参照 ---
(1) 「尻高はバテイラだ」 ぼうずコンニャクのお魚三昧日記 [2006.5.21]
  http://uma-i.seesaa.net/article/18158036.html
(2) 水産物の表示を考える- 標準和名より地方名がよく使われている場合 おさかな情報32 [2005.10]
   http://shimura.moo.jp/osakana4/32.html


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