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魚の話 2009年1月16日 |
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ヨーロッパコウイカ の話…墨被り それでも懲りぬ 釣りマニア イカ墨の黒は洗濯してもしつこく残るので閉口する。 「モンゴウイカ」が一般的になったのは随分昔のことだ。冷凍で海外から運んでくることができるようになり、あっという間に定番になってしまった。 身が厚いのでフライ、天婦羅、炒め物に最適ということ。当然ながら、白い身だけで、イカの姿を知っている人はほとんどいない。 もともと「紋甲烏賊」は江戸前鮨や天婦羅で使われていたイカで、アフリカ辺りから輸入しているイカはその代替で、正式名は「ヨーロッパコウイカ」。今では、輸入品のモンゴウイカという名称が定着してしまったから、正真正銘の本家の方は「カミナリイカ」と呼ばれるようになってる。そんな話をしたのが3年前。 → 「いかの話 」 (2005年8月26日) 年末に、魚屋さんで「甲イカ」を見かけ、このことを思い出した。 それにしても、大きな「甲イカ」とはいえ、“雷”とは随分ご大層な名前をつけたものだ。紋はキスマークと見えないこともないから、余りそぐわない感じがしてならない。 小生なら、形から、“甲”ではなく、“草履”と名付けたいところだが。 ただ、メタボ体型だし、食べ物に履物の名称はどうかとも思われるから、無理か。それより、“雷”にするなら、「ヨーロッパコウイカ」が合っているのではないか。“虎”文様なのだから。 東京では、「甲烏賊」という名前には余り馴染みがなく、「墨烏賊」である。トレーに墨まみれになって入っているイカだからだ。ところが、今の「甲イカ」は綺麗そのもの。獲れたら、すぐに海で墨を出させる処理でもしているのだろうか。
こんなことを知っているのは、昔、米国は東海岸育ちのインテリに、この単語でイカを説明したことがあるから。驚いたのは、“cuttlefish”など聞いたことがないというのである。 要するに、北米には“cuttlefish”がいないのだ。何故なのかは知らぬが。 ところで、その“cuttle”だが、意味は“ink-bag(墨袋)”(1)。「墨イカ」である。 ちなみに、その後、米国でイカを説明するときは、“squid”には、スリムな“sleeve fish(筒状)”の輩と、大きな墨壷を持つスポーツシューズのような“cuttle fish”の2種類があると説明することにした。これが妥当な分類なのかは知らぬが。 小生は、ぶでぶでした“cuttle”[甲イカ]系より、細身の“squid”[筒イカ]系が好きだが、米国流の食事が増えているから、少数派に属すのではないか。イカフライや天婦羅系なら「甲イカ」の方に軍配が上がるのは間違いなさそうだという単純な理由からだが。 ところで「コウイカ」の親分は「ヨーロッパコウイカ」かと思っていたが、実は、沖縄ででてくる「コブシメ」[くぶしみ]である。 このイカは太っているせいか、目が笑っており、気立てがよさそう。 → 「美しい海 第2回 クブシミの七変化と産卵」 海洋ビデオグラファー 新田勝也の世界 大きい体だが、食べる時だけは敏捷だ。しかし、余り活発な動きをしているようには思えない。ウツボが大敵だというから、底の方にいることが多いのだろう。「ヨーロッパコウイカ」も底の方にいるらしいが、その辺りが心地よいようだ。 体の形から見て、大きなコウイカは休んでいる時が多く、底でベタ〜としてダラダラ過ごしているのではないか。 --- 参照 --- (1) http://www.encyclopedia.com/doc/1O27-cuttle.html (2) 奥谷喬司: 「WEB版原色世界イカ類図鑑」 全国いか加工業協同組合 http://www.zen-ika.com/zukan/index.html (インク瓶のイラスト) (C) 日常イラストカット素材集 『普平湖〜アマネタイラコ〜』 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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