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魚の話  2009年1月23日
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するめいか の話…


   寿留女烏賊 噛めば噛むほど 味がでる


 肉厚で草履型の“紋甲イカ”は、最初は“雷イカ”だったが、それが輸入ものの“ヨーロッパコウイカ”にとってかわられた話をした。
  → 「ヨーロッパコウイカ」 (2009年1月19日)

 おそらく、“ヨーロッパコウイカ”も獲りすぎで入手難になっているだろうから、さらなる代替品が登場しているに違いなかろう。この手のイカは処理済の肉で売られているから、姿形が違ったところで、食感が同じならどうでもよい話だし。

〜スルメ生産[北海道]〜(1)
明治29年 202,064貫
明治30年 89,123貫
明治34年 669,603貫
明治35年 186,906貫
明治36年 308,526貫
 しかし、普通は、イカと言えば紋甲ではなく、筒型の丸ごとのスルメイカ。明治〜大正期には、函館では大漁で湧いていたいたようで、浜でのスルメ干しは壮観。(1)生産量も半端ではない。
 現在は、そんな浜干しはとてもできないから、回転機械乾燥らしい。乾燥したら、機械ローラーで伸展・整形するそうだ。(3)

 イカ]釣りは人気爆発といったところだが、刺身、肝焼、塩辛が中心で、せいざいのところ一夜干し程度完全乾燥に挑戦している話はあまりきかない。
 もちろん、どんなイカでも干せばなんとかなる筈だが、時間がかかるから、どうしても干す場所と管理が厄介。避けて当然かも。

〜スルメの名称〜
[間違いがあるかも]
一番するめ ケンサキイカ
笹するめ ヤリイカ
二番するめ スルメイカ
ぶどうするめ ブドウイカ
お多福するめ アオリイカ
甲付するめ シリヤケイカ
 しかし、取立てを開いて作れば素晴らしいものができそうな気がする。そう思うのは、お店で、生干しと解凍干しを試食したことがあるからである。もちろん、見た瞬間、違いはわかるが、味はもっと違う。

 味といえば、通説では、最高はケンサキイカということになっているらしい。小生は、大型の硬いスルメイカをじっくり味わってこそのスルメだと思うが、柔らかいものが好まれるということではないか。  それなら、甲イカ類の方がよさげだが。お店で見かけたことはないが、袋のまま干したものがあるという。開いても肉厚だから、味わいがいがあるのではないか。  まあ、筒イカ類でもアオリイカは肉厚だから、“王様スルメ”とでも命名してもよさそうに思うのだが。

 ともあれ、どんなイカを使おうと、スルメはスルメ。

 そんなこともあるのか、スルメイカは擬人化されることが多い。単なる食材の域を超えた人気者なのだ。
 と言えば、思い出す人もいるかも。知る人ぞ知る、名古屋地区で放送されていたTVコマーシャル。 2杯のイカが動き回りながら「いーかないーかん いかないかん いかないかないかん」と連呼。
 イカのイメージとはこんなところなのかも。

 --- 参照 ---
(1) [写真] スルメの乾燥(函館) 北大北方資料室
  http://ambitious.lib.hokudai.ac.jp/hoppodb/photo/doc/0B016480000000.html
(2) 「函館市史」函館市中央図書館
   http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/soumu/hensan/hakodateshishi/tsuusetsu_02/shishi_04-09/shishi_04-09-03-02-01.htm
(3) 野中健(元 長崎県総合水産試験場):“水産加工品のいろいろ 「するめ」” 水産総合研究センター中央水産研究所利用加工部
  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/surume/


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