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魚の話  2009年11月6日
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たにしの話…

  懐かしき 泥の田圃で 生きる貝
    カエルの声は復活途上のようだが、タニシ君は戻ってこないようだ。

←イラストby (C) FLOP DESIGN いきものシルエット

 小螺[しただみ]を取り上げたので、その淡水版の田螺[たにし]も書いてみたくなった。
  → 「しただみ」  (20091030)
 タニシは昔話(1)にも登場する位で、どこにでもいたのだろうが、今は、どうにか棲息しているといった状態なのでは。
 そのお相手のキツネ君も同じようなものかな。
 キツネ君とは、だいぶ昔、奥秩父で会ったことがあるが、その後どうしているか。

 タニシ君は水田のサザエと言われていたらしいが、小生は水槽でしか見たことがない。都会で育つと、名前だけは知っていても、水田の本物を見る機会はほとんどないのである。サザエとの味比べどころの話ではない。

 食べてみたいなら、厚木の飯山温泉に春訪れるしかないのが現実。ここでは、「田螺の味噌煮」が登場する。(2)冬眠明けの貝が美味しいのだとか。
 丹沢山塊の麓は日帰り圏なので、小生も温泉に入りに行ったことはあるが、タニシの方はまあ好き好きといったところ。野趣を楽しみたいならお勧めということか。

 ただ、水田にタニシがいなくなったというのは間違いらしい。中南米原産のジャンボタニシが勢力を伸ばしているからだ。(3)大きさから想像するに、日本より温暖な場所で育つ種だと思われるが、よく日本の冬を越せるものだ。稲まで食べるようだからそうとう頑丈な輩。矢鱈いるようだが、もしかしたら、雑草の方を食べてもらおうと放したのではないか。
 害貝とみなされているが、食べがいはありそうだ。

 こうなると、昔からのタニシは希少価値で高級品必至。
 田螺を、“高貴の出自とも知らずに、平気で田螺を食ってしまうう人がいる”(4)時代があったことなど想像もつかぬ。

 --- 参照 ---
(1) 「キツネとタニシ 12月16日の日本の昔話」 福娘童話集
   http://hukumusume.com/douwa/pc/jap/12/16.htm
(2) 「タニシ」 あつぎ飯山の観光青年会
   http://botchan.ld.infoseek.co.jp/pages/tanishi.htm
(3) 山下和彦/岩部芳樹: 「県内席巻するジャンボタニシ 野生化も打つ手なし」 四国新聞 [2005.11.6]
   http://www.shikoku-np.co.jp/feature/tuiseki/318/index.htm
(4) 「季語が田螺の句−天野莫秋子 田螺らよ汝を詠みにし茂吉死す」 増殖する俳句歳時記 (2004.4.29)
   http://zouhai.com/cgi-bin/g_disp.cgi?ids=
  19961005,20040429,20050320,20090427&tit=%93c%97%86&tit2=%8BG%8C%EA%82%AA%93c%97%86%82%CC
(貝のシルエット) (C) FLOP DESIGN いきものシルエット  http://www.flopdesign.com/index.html


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