魚の話  2014年2月8日

ジギョの話

 人生有三恨:
  一恨魚多刺,
  二恨海棠無香,
  三恨紅樓夢沒寫完。
 [張愛玲/Eileen Chang]

長江の有名な生き物は、河イルカ、刀魚、そして魚。もちろん、可愛らしいという話ではなく三鮮として。
特に、最後の魚"シーユー"は、鎮江や珠江辺りでも獲れるので、そこらでも名物だし、昔から北京貴族に献上されるものだったそうである。
(尚、日本では、漢字の「」だけだとハスを指す。 [→2009年12月18日])

この魚、体長40〜50cmで、鮭の如く、産卵のために河川を遡上すると言う。・・・まだ過去形ではないらしいが。
脂がのっているから、初夏の旬「時」の「清蒸魚」は殊の外美味ということで溺愛されてきた模様。環境汚染の影響が大きいが、喰いつくされた感がしないでもない。なにせ、1974年から1986年までで、漁獲量は100分の1以下に激減したのだから。
現在は捕獲禁止だが、河イルカの二の舞間違いなし。もう手の打ちようがあるまい。

と言うことで、類似種の美洲/American shadが、代替品「西」として供されているそうだ。もちろん渡来種、と言うか、養殖用の移入種。
日本に冷凍輸入されそうなものだが、お目にかかれないどころか、名前も耳にしない。刺身や濃味の煮魚は好きでも、鱗がついたままの蒸し魚は苦手ということか。あるいは、皮を食べることが嫌いなのかも。
もっとも、今の中国に、水質汚染なき養殖場が存在するとも思えないから、買いたいと思う人が稀というだけか。

もちろん、東南アジアにも、類縁は存在する。しかし、この地域は中華食が広まっている国々でもあるから、当然ながら垂涎の食材として扱われるだろう。
従って、風前の灯状態と考え間違いあるまい。それでも、ボルネオ島のサラワク周辺に"Terubok"がどうにか残っているようだ。
日本から見るといかにも特殊な魚に映るが、河に産卵する鰊の一派(Shad類)と見れば、北大西洋や地中海/黒海にも棲息しており、決して珍しい訳ではない。
もちろん、東南アジアにも、類縁は存在する。しかし、この地域は中華食が広まっている国々でもあるから、当然ながら垂涎の食材として扱われるだろう。
従って、風前の灯状態と考え間違いあるまい。それでも、ボルネオ島のサラワク周辺に"Terubok"がどうにか残っているようだ。

尚、日本から見ると、いかにも特殊な魚に映るが、この手のShad類は、北大西洋や地中海/黒海にも棲息しており、決して珍しい訳ではない。なにせ、"Shad"は、ルアーの名称になっている位なのだし。(分類的には、鰊/herringsや鰯/sardinesのお隣の一族とされる。)
  → "Shad"[5分のお話つき] @Science Cheerleader 2008

(source)武少民:「従"魚多刺"説起」 2009.7.2 人民網

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