表紙 目次 | 魚の話 2018年1月30日 おきなわはぜ の話沖縄は 食事も鯊も チャンプルー 混在していても、それぞれ棲み分けている。 インドパシフィックの海水〜汽水に広く棲み、"Flap-head"を特徴とする、10cm程度にはなる鯊がいる。 ご存知のように、フラップは、羽ばたくようにパタパタと動く薄布や薄板形状の附属部分を指す言葉として使用される。 つまり、この鯊は、平坦に潰れた頭と一文字口が目立つ形態とは大きく違う訳だ。その形状が、習性にどう繋がるのかは、よくわからぬが、他のハゼとはかなりなるのであろう。 実は、この単語を見た瞬間、小生はフラットと読み間違いをしでかしてしまった。どうせハゼだからと思っていたからだ。しかして、なんだ、写真とは全然違うではないかと不審に思って気付いた次第。 そこで、"Flat-head"魚を思いおこしてしまった。 こちらは、当然ながら、ハゼ同様に底魚。ただ、腹這いになって生活する種。と言えばおわかりだと思うが、鯒君のこと。[→2007.1.26] マゴチの生態は存じ上げないが、その味の方はじっくり堪能させていただいたりはする。釣りの本によれば砂地棲息だ。ところが外見はほぼ同じでも、味はムム〜の種もあることはご存知の遠い。それは、環境(泥底, 岩礁, 珊瑚礁, …)が変われば種も違うから当然の話なのである。 考えてみれば、鯊だって、同じことが言えよう。 巣があるからハゼも底魚ではあるものの、腹這い魚とは違って、結構泳ぐから、海流に流されてしまうことは少なくなかろう。従って、棲家の環境に拘りはあるものの、互いに混在してしまう可能性はかなり高い。そうなっても耐える力があるため、ヒトは様々な場所で出会うのである。そこは本籍地ではなく、流浪の地だったりする訳だ。 それが常態とすれば、混在下で互いに同属であることを意匠的に表示する必要性に迫られるのは自明。 それを怠れば、ペア形成不能になりかねず、全面雑種化か絶滅のどちらかの道を選ぶしかなくなってしまう。 素人の推定なのでハズレかも知れぬが、例えば、こんなことかも。 沖縄鯊・・・海水荒砂底地 ズングリ鯊・・・海水礫砂的底地 二筋鯊・・・海水細砕屑物的底地 滑原[ナメラ(蛇名)]鯊・・・海水リッチな汽水 種鯊・・・淡水リッチな汽水 上記すべては沖縄辺りに棲息している種のようだが、もともとは熱帯棲息で、黒潮に流されて来て土着化したと見てよかろう。(台湾から紀伊半島まで、過ごしやすい場所を探し出して、それなりの生活を送っているものと拝察仕り候。) 全くのあてずっぽうだが、アンダマン海辺りで分岐が始まったのでは。 ついでながら、沖縄と中心とする亜熱帯域の列島で見つかる淡水対応鯊の種類は半端なものではないことを申し添えておこう。 【ハゼの現行主流】の淡水系は100種を越えるだろうし、淡水棲息を旨とする【ハゼの古流】(川穴子)と【擬似ハゼ】(黒百合鯊)の淡水系はそれぞれ10種を下るまい。熱帯発祥の鯊が黒潮で渡来してきた結果と見てよいのではなかろうか。特に、<北方淡水進出志向>グループにとっては、日本列島進出の橋頭保の地と言ってよいだろう。 しかしながら、沖縄鯊が属している<熱帯域棲分志向>"本流"グループも流され棲み付いている訳である。もともとが棲息環境に拘るタイプなのである。 【鬚鯊、等が所属する《Gobiinae》グループ】(ハゼ本流) → 「はぜ 全体像」 ○Callogobius・・・オキナワハゼ類[flap-headed goby] 沖縄鯊/Hasselt's flap-headed goby(hasseltii) 種鯊(tanegasimae) 滑原[ナメラ(蛇名)]鯊/Okinawa flap-headed goby(okinawae) ズングリ鯊/Slimy flap-headed goby(flavobrunneus) 二筋鯊/Pacific flap-headed goby(sclateri) 鰭黒二筋鯊/Stout flap-headed goby(crassus) 剱[ツルギ]鯊/Spear-fin flap-headed goby(hastatus) 片穂鯊/Ostrich flap-headed goby(maculipinnis) 俊寛鯊(snelliusi) Flap-headed goby(depressus) Andaman flap-headed goby(andamanensis) Bauchot's flap-headed goby(bauchotae) Double-bar flap-headed goby(bifasciatus) Centre-scale flap-headed goby(centrolepis) Saddled flap-headed goby(clitellus) Sculptured flap-headed goby(mucosus) Hairy-chinned flap-headed goby(pilosimentum) Feather flap-headed goby(plumatus ) Elongate flap-headed goby(producta) Stellar flap-headed goby(stellatus) Winterbottom's flap-headed goby(winterbottomi) (amikami) (bothriorrhynchus) (clarki) (dori) (illotus) (irrasus) (kuderi) (mannarensis) (nigromarginatus) (santa) (seshaiyai) (sheni) (shunkan) (snelliusi) (snyderi) (trifasciatus) (tutuilae) (vanclevei) 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |