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■■■ 2015年5月11日 ■■■

栄螺類…

 荒波に 生きる栄螺の 知恵何処
  もはやいらずと 棘失いき



サザエの名前の由来は「小家:ササいえ」ということで、見かけが「細石:サザレいし」ではないらしい。
   [2005年10月21日]

最近の栄螺は、棘もなく、表面も綺麗なものだらけ。昔なら、そんな過保護貝は見向きもされなかったというより、滅多にいなかったのではないか。漁師の天然漁というか、素人衆禁漁地域に連れて行ってもらったことがあるが、余りに沢山いたので驚いた。すべて岩の窪みに入っていて、棘のお蔭で引きづり出しづらいことこの上無し。専門家が10個のところ、小生は1個という調子。
  栄螺,蠑螺 or 拳螺/Horned Turban/角蠑螺
  南海栄螺/中華蠑螺
  錦栄螺

螺鈿細工に登場といえば、誰でも知る貝も、もちろんその仲間。夜光貝は当て字で、もともとは屋久貝という話もあるが、胡散臭い。どう考えても、螺鈿の技術は大陸渡来であり、台湾や海南島にも棲んでいた筈だから。
代替品もある。少々小さいだけ。もっとも、薄くてもよいなら、そこらにある鮑でも"輝"はたいして変わらない筈。最初は、薄削り貝片をそのまま埋め込むの技法だったろうから、厚みが無いと難しかったからもっぱら夜光貝だったのは間違いない。そのうち、薄片塗り込み技法が生まれ、職人芸的な各種混合が始まったと見るのが自然。言うまでもないが、夜光貝も朝鮮栄螺も南洋の貝。朝鮮半島に棲んでいる訳がない。なんなんだ、この命名。
  夜光貝/Great green turban/夜光蠑螺@鹿児島以南
  朝鮮栄螺/Silver-mouth Turban/銀口栄螺
   丸栄螺,腰高栄螺

栄螺に似た感じがしても、肉が旨くない貝は、サザエとはしないようだ。と言うか、小さ過ぎるというべきかも。
貝殻がピンクの色付とくれば更なり。殻の形も崩れているし。そもそも名前の意味がよくわからない。
貝殻コレクションの観点では、食べた残りの大きな栄螺の殻を集める気はしないだろうが、小さくて形が独特で、色付なら表面を掃除して並べてほくそ笑むにはヨサゲ。
  片部[カタベ]貝,琉球〃,平巻〃,染分〃,紅〃
なかでも圧巻は、棘が異常に発達している種。周囲の岩に合わせて、とんでもない形状を作りだす。小振りの貝だから、かえってそれが魅力を生み出している。名前の漢字はどうなっているのか想像がつかぬ。
  三栄片部[ミサカカタベ]/"delphinula"/棘冠螺

殻より、蓋に関心があり、そこから名前がついている貝がある。蓋をブローチにしていた可能性があろう。
  龍天/Tapestry Turban/猫眼蠑螺
  寒菊
   ↓蓋が「酢」で溶解する特性からきた名称。殻は唐雲貝と呼んでいたとか。
  酢貝/Crowned turban shell or Coronate moon turban/珠螺
   大臍酢貝,小笠原〃,[化石]黒田〃,[化石]宮良〃

まあ、色付や、形状が、栄螺らしからぬ貝もある。といって、栄螺では無いとするまで違うとも言えないが。
  栗色栄螺/Chestnut Turban
  龍巻栄螺/Reeve's Turban/氏蠑螺
  艶栄螺/Crown Turban/皇冠蠑螺
  化粧栄螺/虎斑蠑螺

ビーチコーミングだと、【微小貝】も魅力的と言えよう。山椒は小粒ということのようだ。棘は無いようだが。
  山椒貝,蝦夷〃,山〃/dwarf turbans
  山椒酢貝
棘が★のようになるタイプがあるが、それも類縁と見なすようだ。外観が栄螺によく似ているとは思えないが。
  雷栄螺/Girgyllus star shell/雷神星螺
  針栄螺/塔星螺
  裏渦貝/Pacific star shell/白星螺
   大裏渦/Rosemouth star shell/岡本渦
  環子貝[カンスガイ]/細粒蠑螺
  金打ち鑵子/Sandpaper bolma/沙紙星螺
   ↓見た目に大分違う感じがするが、分類学上は近縁らしい。
  更紗 (天草干場に沢山落ちている貝)
  姫片部

星型ということであれば、それなりの大きさの貝もあげておかねばなるまい。分類学上はサザエ科とされているし。小生としては、中国語のように星栄螺類としたいところだが、まあ、どれも想像がつく命名である。当然であるが、五芒星ということはなく、棘は9本はありそう。
  輪宝貝/Triumphant star turban/星螺
   針長輪宝貝/Yoka Star Turban@深海
  薊貝[アザミガイ]/Deep sea star shell
  日輪栄螺 or ヘリオトロープ貝/Sunburst star turban
いかにも仏教国らしき名前がついているが、英語名も勝利の星となかなかのもの。コレクターとしては入手できれば得意満面となること必定。中国では殻集めにトント興味無しかも。

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