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■■■ 2015年6月3日 ■■■

粒螺類と巻類…


 ツブ入りの オデンで知るや 北の味
  それと競うは 茹でバイ文化


タニシは田小辛螺、アカニシは赤辛螺と記載したいものという話をした。[→]・・・「ニシ」、「"ホ"ラ/triton」、「ツブ/whelk>」。さらには、「ミナ」と同じ漢字の「螺」を読み分けねばならない。一方、「貝」も、カイとバイと読ませたる。こちらは漢字フォントの都合で、「バイ[]」が使えない状態だから致し方ない。
これらの名前が、似たような形状の貝にバラバラと付けられているのが実情。素人には、そのような見方をしているのかさっぱり。しかも、通称用語はバイなのに、図鑑の名称はホラだったりする。なにがなにやら。
しかも、、この他に通称名の「ツブ[粒 or 壺]」が加わる。こちらは、世俗的に頻繁に用いられている用語だが、分類用語には全く使われていない。わかりにくいこと夥し。

ということで、その辺りを独断的に整理してみた。こうでもしない限り、素人にとっては錯乱を余儀なくさせられるからだ。
言うまでもないが、「正しい」見方ではないのでご注意のほど。

そもそも、同じ種といっても、個々に眺めれば結構違いがあり、素人には巻貝の多様性に対応できる能力は無い。ツブもよく見ると、貝殻を見れば他と違う点に気付く筈と言う人もいるが、とても無理である。
それに小さいものも、種が違うのか、幼貝なのかも、よくわからない。だからこそ輸入品大流行りなのだと思われるが。

■■■蝦夷バイの仲間■■■
名前が蝦夷であるのは、大きいものは北海道産だったということだろう。ただ、巻貝は様々な環境に応じて多様化しており、南洋タイプもある筈で、それは当然ながら小さい。小さな方はあくまでも単なる巻貝ということでバイだが、それなりに粒が揃って大きい蝦夷法螺と蝦夷はツブと呼んだのではなかろうか。日本海側は、津のような小振りのものが沢山獲れたため、そちらではツブとは呼ばれなかっただけの話と見た。
《日本海側中心:バイ》●:代表格
<白バイ>・・・煮付
  加賀/Kaga whelk
  秋田
  越中/Finely-striate Buccinum
<青バイ>・・・白バイの最高級品
  大越中
<ニシバイ>・・・料亭御用達
  縮蝦夷法螺@日本海側
<津バイ>・・・小さ目のお通し貝 柔らか身
  津
  両刃
<角張バイ>
  角張/Angular whelk

《太平洋側側中心:ツブ》●:代表格
【灯台ツブ】・・・細長くて螺状の筋が明瞭
  紐巻@日本海
  白糸巻/Isaotaki buccinum@日本海〜オホーツク海
  縊[クビレ]
  大樺太@北海道沿岸
【輸入ツブ】
  ヨーロッパ蝦夷/"Common" whelk
【ツブ-南方】
  駿河/Yellow-mouth buccinum@駿河
  相模@相模〜土佐
【磯ツブ】・・・沿岸の浅瀬
  蝦夷/Middendorf's whelk
  姫蝦夷法螺/Arthritic whelk●・・・これが主流か。
【子磯ツブ】
  子蝦夷
【筍ツブ】
  螺子法螺
【潮ツブ or 真ツブ】
  蝦夷法螺/Ezo Neptune
【ツブ-北方】
  蝦夷法螺擬●・・・日本海側に多そう。
  厚蝦夷法螺/Heros neptune
  姫蝦夷法螺/Small neptune
  栗色蝦夷法螺
【銀ツブ】
  畝蝦夷法螺/Wrinkled whelk
【鮑ツブ】・・・殻から大きくはみ出す肉の様子
  裳裾

■■■真法螺系[藤津貝の仲間]■■■
【毛ツブ】・・・殻型が似ていて表面に毛が多い
  綾法螺[アヤボラ]/Oregon hairy triton

■■■分類学上の元祖バイ■■■
バイ貝,,海螺() or 海/Japanese ivory shell
<黒バイ or 本バイ>
  /Japanese babylon
  螺子抜/Hirase's japelion
  山口
<代替輸入バイ>
  ベンガル
  セイロン
  バレンシア@ソマリア

南の浅海棲で、北の貝と違い小さい。2〜3cmのものが多そう。ただ、貝殻表面は粗く、織布風情を感じさせる。と言うか、彫刻的でもある。わざわざ食べようという貝ではなさそう。

■■■世古バイ系■■■
  世古/Chestnut dwarf triton
  紐掛/Cuming's,捻/Twisted,霰/Souverbie's,杉谷/Maaculated

■■■龍天栄螺系■■■
  更紗/Variegated pheasant
  大更紗/Australian pheasant
  雛更紗/Red pheasant
  紅/Polka-dot pheasant

■■■筵貝系■■■
  珈琲/Annulate bullia
  太棗/Globular bullia
  餘賦[ヨフ]/Distended nassa・・・椎の実
  紫餘賦/Channeled nassa
  絹餘賦/Neat nassa
  錦糸/Glans nassa

■■■非バイ・非ツブの近縁■■■
(貝はカイで、バイとは読まない。)
  袂[タモトガイ]/Telescoped dove shell
  袂 or 蒸蝦/Yellow dove shell
  懐[フトコロガイ]/Dotted dove shell
  麦/Variegated dove shell
  松虫/Tortoise dove shell
  白米[シラゲガイ]

(貝のアイコン) (C) S.S.S. Superman 史上最強の潮干狩り超人 http://mirabeau.cool.ne.jp/shiohigari/index.html

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