表紙 目次 | (C) Nobu Tamura ■■■ 2017年12月9日 ■■■ キムベレラ…貝類に興味があったので、ザッと軟体動物を眺めたことがある。→ 「軟体動物INDEX」 マ、軟体動物の概念はわかったようなわからないような、というのが正直なところ。体躯の特徴にはかなりのバラエティがあり、大ぐくりの群と見てよいのではないか。 その言葉からすれば、体に伸縮可能な柔軟性があるということになる。それとどう繋がるのかわからぬが、外套膜があり、そこからの分泌物で殻をつくる能力があるという動物だ。しかし、化石ではそんなものは確認しようがないだろうが。 それでも、どうやら軟体動物の祖先らしき種について見えてきたような感じがする。といっても、実は、甲論乙駁状態だったりして。 一番気になるのは、化石種に体節らしきものがある時。素人はすぐに環形動物とか節動物に環形するが、軟体動物ではないと思ってしまう。ところが、どうもそういうことではないらしい。 そう言えば、膝皿貝は板が8枚並ぶから、おそらく筋肉部分も8節あるに違いなく、軟体動物に体節無しということでもないのである。(環形動物の体節とは異なる生成なので、体節ではないらしいが。) という論理から、体節らしきものがあっても、歯舌が確認できれば軟体動物であると考えるものらしい。どうやって確認したのかは知らぬが。 ともあれ、普通に考えれば、軟体動物の基底に当たる種とは、背中に殻を造成しているタイプと見てよいのではないか。 その観点では、単板類や笠貝近辺が該当しそうな感じがするが、そのような見方をせずにかなりの独自性を有している種を祖先と考える方向に進んでいるようだ。 その結果、祖先はキムベレラの可能性が高いということのようだ。これは先カンブリア紀の化石種だから、カンブリア大爆発より前に前口動物が存在していたことになる。 ┌───【毛顎】 ┤前口/Protostomia │ │┌──脱皮/Ecdysozoa ││┼┼【線形, 類線形, 鰓曳, 胴甲, ││┼┼┼┼有爪, 緩歩, 節足】 └┤ ┼│┌─【顎口, 微顎, 輪形, 鉤頭】 ┼└┤┌【腹毛, 扁形, 菱形, 直泳】 ┼┼└┤螺旋 ┼┼┼└[狭義]冠輪/Lophotrochozoa ┌───【有輪】 │ ┤[狭義]冠輪/Lophotrochozoa │ │┌──【腕足, 箒虫, 内肛, 外肛, 紐形, 環形】 └┤ ┼│┌─────○キンベレラKimberella【バ】【白海】 ┼││┼┼┼┼┼┼<558-555Mya>…有殻有吻(爪付) ┼││ ┼└┤┼【軟体動物/Mollusca】 ┼┼│ ┼┼│┌────○オドントグリフスOdontogriphus【バ】 ┼┼││┼┼┼┼┼┼…有腹足 ┼┼└┤ ┼┼┼│┌─Wiwaxiidae ┼┼┼││┼┼┼○ウィワクシアWiwaxia【バ】【シ】 ┼┼┼││┼┼┼○オルスロザンクラスOrthrozanclus【バ】 ┼┼┼││┼┼┼┼┼…長い棘足だらけ。 ┼┼┼└┤ ┼┼┼┼│┌Halkieriids ┼┼┼┼││┼┼○ハルキエリアHalkieria【シ】二枚貝的 ┼┼┼┼└┤ ┼┼┼┼┼│┌溝腹Neomeniomorpha or Solenogasters ┼┼┼┼┼││◆フォリドスケピアFolidoscepia ┼┼┼┼┼││◆ネオメニアフォルマNeomeniaforma ┼┼┼┼┼││┼○珊瑚ノ太紐Neomenia ┼┼┼┼┼││┼○カセ蚯蚓Epimenia ┼┼┼┼┼││◆ステルロフスティアSterrofustia ┼┼┼┼┼││◆カビベロニアCavibelonia ┼┼┼┼┼││ ┼┼┼┼┼├┤ ┼┼┼┼┼│├尾腔Caudofoveata ┼┼┼┼┼││┼○毛肌海紐Chaetoderma ┼┼┼┼┼││ ┼┼┼┼┼│└多板Polyplacophora ┼┼┼┼┼│┼《[化石]古多板Paleoloricata》<カンブリア紀-白亜紀> ┼┼┼┼┼│┼◆ ┼┼┼┼┼│┼┼○マッテヴィアMatthevia<501-479Mya> ┼┼┼┼┼│┼┼┼…三角形状板 ┼┼┼┼┼│┼◆Chelodida ┼┼┼┼┼│┼┼○ケロデスChelodes ┼┼┼┼┼│┼◆Septemchitonida ┼┼┼┼┼│┼┼○セプテムキトンSeptemchiton ┼┼┼┼┼│┼┼○チェロデスChelodes<501-412Mya> ┼┼┼┼┼│┼《[現生]新多板Neoloricata》(sea cradle) ┼┼┼┼┼│┼◆Lepidopleurida ┼┼┼┼┼│┼◆Chitonida(Acanthochitonina+Chitonina) ┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼│┌[化石]ヘルシオネラHelcionelloida ┼┼┼┼┼││◆Helcionelliformes ┼┼┼┼┼││┼○ラトウケラLatouchella ┼┼┼┼┼││┼○ヨケリキオネラYochelcionella ┼┼┼┼┼││◆Pelagiellifomes ┼┼┼┼┼││┼○ペラギエラ Pelagiella ┼┼┼┼┼││◆Khairkhaniiformes ┼┼┼┼┼││◆Onychochiliformes ┼┼┼┼┼││ ┼┼┼┼┼│├[化石]吻殻綱Rostroconchia or 偽二枚貝 ┼┼┼┼┼││┼…1枚<カンブリア紀-ペルム紀> ┼┼┼┼┼││◆リベイリアRibeirioida ┼┼┼┼┼││◆イシリニアIschyrinioida ┼┼┼┼┼││◆コノカーディウムConocardioida ┼┼┼┼┼││ ┼┼┼┼┼│├単板Monoplacophora ┼┼┼┼┼││┼○[現生]ネオピリナNeopilina ┼┼┼┼┼││-[化石]トライブリディウムTryblidiidae <-デボン紀> ┼┼┼┼┼││┼○ピリナPilina<オルドビス紀-> ┼┼┼┼┼││-[化石]アーキナセラArchinacelloidae<501-445Mya> ┼┼┼┼┼││ ┼┼┼┼┼└┤貝殻Conchifera ┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼├二枚貝Bivalvia or 斧足Pelecypoda ┼┼┼┼┼┼│┼○チャンセロリアChancelloria【バ】 ┼┼┼┼┼┼│┼┼…微小な棘付硬皮の先が太い棍棒状。 ┼┼┼┼┼┼│┼┼ 海綿的固着系。 ┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼├掘足Scaphopoda (tusk shell) ┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼├腹足Gastropoda ┼┼┼┼┼┼│◇ヒオリテス系…三角形の蓋付殻 ┼┼┼┼┼┼│┼○ハプロフレンティスHaplophrentis【バ】 ┼┼┼┼┼┼│┼○ヒオリテスHyolithes【バ】【澄】【シ】 ┼┼┼┼┼┼│┼○Ambrolinevitus, Burithes, Linevitus ┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼└頭足Cephalopoda ┼┼┼┼┼┼┼■オウムガイNautiloidea<オルドビス紀-現生> ┼┼┼┼┼┼┼■[化石]アンモナイトAmmonoidea<425-655Mya> ┼┼┼┼┼┼┼■鞘形Coleoidea ┼┼┼┼┼┼┼┼○ネクトカリスNectocaris【バ】【澄】 ┼┼┼┼┼┼┼┼○プレクトロノセラスPlectronoceras ┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼<501-488Mya> ┼┼┼┼┼┼┼┼○ベツストベルミスVetustovermis (参照) 佐々木猛智:「Malacology 軟体動物学」www.um.u-tokyo.ac.jp/hp/sasaki/00-index/malacology.htm 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |