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魚の話  2018年2月15日

にせつむぎはぜ の話

 毒なのか そうでないかは 紙一重
万が一の危険性をそれとなく示唆しているのだろうか。

紬鯊[→]はテトラドキシン(河豚に含まれる神経性の猛毒)を持つことで知られる。
それに似ているゾとということで命名された別種の鯊がいる。・・・
  偽紬鯊
"毒成分含有"と書いてあるサイトを見かけないが、単に外見が似ているだけなのか、大いに気になる。
類縁の名称を見ると、SandgobyやMangrovegobyが含まれており、紬鯊とは棲む場所も違う可能性が高そうなのに、"偽"としているので、ひょっとしたらと思ってしまうからである。

テトラドキシン毒で調べると、紬鯊類以外では、アモヤ類の鯊(Amoya caninus)で中毒 例が報告されている。
偽紬鯊(Acentrogobius audax)はキララハゼ類と記載されているから、無関係ということで、一件落着といきたいところだが、よくよく見るとその仲間に良く似た名称(Acentrogobius caninus)があるではないか。
  黒子[ほくろ]

う〜む。

どうも、アモヤとキララハゼの仲間は、相互にゴチャゴチャしているようだ。素人からすれば、本当に2つに分かれているのかも疑わしい印象さえ与える。

キララハゼ系の代表となっている鯊は、沖縄の汽水域の砂泥底に穴を掘って生活する種のようだ。
  雲母[キララ]

特段の危険性を感じさせないが、もしかすると、この系統はテトラドキシン耐性があるのかも。そうだとすれば、その毒を含有する食物を食べて蓄積することも可能かも。たまたま、そのような食性でないから無毒というだけのことかも。そんなことは、調べようがないが。

【鬚鯊、等が所属する《Gobiinae》グループ】
 <熱帯棲分志向>"本流"  → 「はぜ 全体像」
 ○Acentrogobius・・・キララハゼ類
  雲母[キララ]/青斑細棘鰕虎魚/Spotted green goby(viridipunctatus)
  筋鯊(virgatulus) *アモヤ*↓
   模様鯊/普氏細棘鰕虎魚/Striped sandgoby(pflaumii)
   端黒筋鯊(-)
  黒子[ほくろ]/犬牙細棘鰕虎魚/Tropical sandgoby(caninus) *アモヤ*↓
  偽紬鯊/彎紋細棘鰕虎魚(audax)
  霞鯊/紫鰭細棘鰕虎魚/Robust mangrovegoby(janthinopterus)
  背高筋鯊/多帶細棘鰕虎魚(multifasciatus) *アモヤ*↓
  頬黒筋鯊/裸項細棘鰕虎魚(suluensis) *アモヤ*↓
  雀鯊/頭紋細棘鰕虎魚(viganensis) *アモヤ*↓
 ○Amoya・・・アモヤ類
  -/藍点繮鰕虎魚/Bluespotted mangrovegoby(gracilis) *キララハゼ*↑
  -/馬達拉斯繮鰕虎魚/Manyband goby(madraspatensis) *キララハゼ*↑
  -/K帶繮鰕虎魚/Barcheek Amoya(moloanus) *キララハゼ*↑
  -/獠牙繮鰕虎魚/Tusk goby(signata)
  -/費爾繮鰕虎魚(veliensis)

(参照) You J, et.al.:"Tetrodotoxin poisoning caused by Goby fish consumption in southeast China: a retrospective case series analysis."Clinics(Sao Paulo)70(1), 2015

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