表紙 目次 | 尾索動物の話 2018年4月17日 うみだる の話並ぶ樽 見ているだけで 酔い心地 サルパ[→]の近縁で、同じ様に濾過摂食しながら終生漂泳する尾索動物がいる。サルパは筒型だが、こちらはほとんどビール樽状態。 海樽 せいぜいが1cm程度で、多少赤紫色を帯びている箍が8本。 この威力たるや凄まじいものがある。と言うのは、かなりの筋力があるからで、同時に一気に収縮させると強烈な噴流水流を発生させることができるのである。その気になると新幹線顔負けの猛スピードが出せるようだ。群体でどのようにタイミングをとるのかわからぬが、総勢でかかればソリャとんでもない力を発揮することになろう。 構造的にはサルパと似ているようだが、世代関係が若干違う。と言うか、錯綜している。無理矢理に簡単に記すと以下の如し。 卵(胚) ↓ 有尾幼生…余り遊泳しない。 ↓ 樽型無性成体(単体) ↓クローン増殖(出芽) 連鎖群体化個体 ↓(体躯の一部に遊離芽発生) 有性個体 ↓♂♀生殖 卵 この無性成体だが、このような増殖をいつまでも続ける訳ではなく、そのうち増殖どころか食餌もしなくなる。しかし死滅するのではなく、群体の運動機能だけを担うようになる。当然ながら、その個体をサポートする役割の単体も存在するようになる訳だ。 細かくみると、こうなっている模様。 卵→[放出]幼生(有背索)→"卵タイプ"個体 →腹芽→多数の小芽体→[移動]背芽茎上小芽体 →[3列]生育芽体 【両側2列】⇒摂餌専門化 【中央1列】⇒バラバラに遊離→"芽"個体(育成役) "芽"個体(育成役)+小芽体1つ⇒増殖 →[遊離]"卵タイプ"個体 尖サルパの大量発生同様に、海樽類も。それで知られる種はコレ。 トリトン海樽 海神ポセイドーンの息子の名前Trītōnを頂戴したようである。(魚の尾を持つが。) もともと海樽はほとんど話題にのぼらない生物だったようだが、それを餌とする生物がしばしば取り上げられるために、知られるようになったようだ。その生物とは甲殻類の大樽回。食した後、セルロース部分を残して住居にするため、悪役として有名になったようである。 【尾索動物/Urochordata or Tunicate】 ┼┼┼◆海樽Doliolida ┼┼┼┼《Doliolidina》 ┼┼┼┼┼-Doliolidae ┼┼┼┼┼┼○Dolioletta・・・マキウミタル類 ┼┼┼┼┼┼┼大海樽(gegenbauri) ┼┼┼┼┼┼┼トリトン海樽(tritonis) ┼┼┼┼┼┼○Doliolina・・・ユージウミタル類 ┼┼┼┼┼┼┼ミューラー海樽(muelleri) ┼┼┼┼┼┼○Dolioloides ┼┼┼┼┼┼○Doliolum・・・ユミウミタル類 ┼┼┼┼┼┼┼海樽(denticulatum) ┼┼┼┼┼┼┼姫海樽(nationalis) ┼┼┼┼┼-Doliopsoididae ┼┼┼┼┼┼○Doliopsoides ┼┼┼┼《Doliopsidina》 ┼┼┼┼┼-Doliolunidae ┼┼┼┼┼┼○Pseudusa ┼┼┼┼┼-Doliopsidae ┼┼┼┼┼┼○Doliolula ┼┼┼┼┼┼○Doliopsis ┼┼┼┼┼-Paradoliopsidae ┼┼┼┼┼┼○Paradoliopsis (分類参照) ママでなく、素人が改編 JODC(日本海洋データセンター)GODAC/JAMSTEC 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |