[→鋏角類目次] ■■■ 2018年4月21日 ■■■ 座頭虫慣れてしまえば 迷うことなし 身体は数mmだが、髪の毛のような長い脚が付いていて、えらくアンバランス。身体にはくびれがないから、まるで肢だけでできている生物に見える。蜘蛛に似ているとは言い難い。 なんとなく古代の奇妙な生物の雰囲気を醸し出しているが、実際、デボン紀化石が沢山見つかるらしい。当時は大いに繁栄していたようだ。 高尾山の緑多き道を歩いていれば、そこかしこで歩いている輩で珍しくもない。特に、小雨の時でも平然と動いており、そんな虫は少ないから余計に目立つ。体躯の特徴からみて、森林帯の地表・樹木幹上徘徊性ということ。 もっとも、一昔前は都会でもそこここで見かけたもの。雑食性だから、そこらでずっと生き抜いてていけそうに思うが、最近はさっぱりお目にかからない。嫌う人が多いから、殺虫剤でもまかれれているのかも知れぬ。 マ、およそ魅力的とは言い難い格好だから嫌がられるのであろう。しかも反応が鈍く、逃げるでもなくゆっくりと動き回る。そんなこともあって見かけた瞬間に異様感に襲われる。従って、気味悪がる人も少なくなかろう。 ただ、海外の種はおしなべてカラフルで美しい。そちらなら違った印象を与えるかも。写真撮影技術が秀逸なのでそう感じてしまうだけの可能性もあるが。 → 西田憲司:「第114回 ザトウムシが造るミステリーサークルの正体」 @1"コスタリカ昆虫中心生活" 日本のエクスプローラー(C)Nikkei National Geographic 座頭と命名したのだから、すべて視力ゼロかと思ったら、該当するのは蜱座頭虫系と洞穴棲のようだ。 長い足を盲人用杖のように使って、地面を探りながら歩いているし、走れない訳でもないのにヒトが指を近づけても逃げないこともあり、そうみられてもおかしくはないが。 多分、足が触れても逃げないような生物を餌としているのだろう。弱り切って気力を失った生物か、死肉的モノにぶち当たるまで、ただただ歩き続けるのではなかろうか。 英名では、足の動きが鎌を用いた収穫作業そっくりということのようだから、欧米に多いのは多少は視力があるタイプなのだろう。"足長小父さん(Daddy longleg)"がズバリの命名だが、こちらは普通は水棲昆虫ガガンボの愛称である。 尚、クモ形に分類される種では唯一交尾用生殖器を保有するそうだ。にもかかわらず、クローン増殖タイプも存在しているとされるので訳がわからぬが。 鋏角類《蛛形 Aracgbuda》 ◆座頭虫 Harvestman Opiliones 【蜱座頭虫Cyphophthalmi】 -Sironidaeダニザトウムシ ○Suzukielus・・・スズキダニザトウムシ類 鈴木壁蝨座頭虫(sauteri) -Stylocellidae --- -Pettalidae --- -Troglosironidae -Neogoveidae -Ogoveidae 【開気座頭虫Eupnoi】 -Caddidae ○Caddo・・・マメザトウムシ類 豆座頭虫(agilis) ○Systenocentrus・・・ゴホンヤリザトウムシ類 五本槍座頭虫(japonicus) --- -Monoscutidae -Neopilionidae -Phalangiidaeマザトウムシ ○Gagrellula 黒帯座頭虫(distincta) 赤錆座頭虫(ferruginea) 甍座頭虫(nodulifera) ○Himalphalangium・・・ヒマラヤトゲザトウムシ類 五本棘座頭虫(spinulatum) ○Mitopus・・・スジザトウムシ類 筋座頭虫(morio) -Protolophidae -Sclerosomatidaeカワザトウムシ ○Leiobunum・・・スベザトウムシ類 平滑座頭虫(manubriatum) 大扁座頭虫(japanese) 萌黄座頭虫(japonicum) 東北滑座頭虫(tohokuense) ○Nelima 大並座頭虫(genufusca) 彦並座頭虫(nigricoxa) 佐藤座頭虫(satoi) ○Pseudogagrella 先島滑座頭虫(sakishimensis) 銀星座頭虫(amamiana) -[化石]Kustarachnidaeクスタムシ 【閉気座頭虫Dyspnoi】 -Acropsopilionidaeミナミマメザトウムシ ○Acropsopilio・・・ナミマメザトウムシ類 粟豆座頭虫(boopis) --- -Ischyropsalidaeアゴザトウムシ -Sabaconidaeブラシザトウムシ ○Sabacon・・・ブラシザトウムシ類 小刷子座頭虫(pygmaeus) -Taracidae ○Crosbycus 毛足座頭虫(dasycemus) --- -Dicranolasmatidae -Nemastomatidaeイトクチザトウムシ ○Cladolasma・・・カブトザトウムシ類 兜座頭虫(parvulum) -Nipponopsalidaeニホンアゴザトウムシ ○Nipponopsalis・・・サスマタアゴザトウムシ類 刺股顎座頭虫(abei) -Trogulidaeエボシザトウムシ 【赤座頭虫Laniatores】 -Nippononychidae -Paranonychidaeニセタテヅメザトウムシ -Travuniidaeタテヅメザトウムシ ○Yuria・・・ヒメタテヅメザトウムシ類 姫縦爪座頭虫(pulcra) --- -Synthetonychiidae -Triaenonychidaeミツヅメザトウムシ ○Kainonychus・・・アカマニセタヅメザトウムシ類 アカマニセタヅメ座頭虫(akamai) --- -Assamiidaeカケザトウムシ ○Bandona・・・ムニンカケザトウムシ類 無人闕座頭虫(boninensis) -Pyramidopidae --- -Epedanidaeカマアカザトウムシ ○Parabeloniscus・・・コシビロザトウムシ類 腰広座頭虫(nipponicus) ○Zepedanulus 石川赤座頭虫(ishikawai) -Sarasinicinae ○Kilungius 双紋赤座頭虫(bimaculatus) ○Pseudobiantes 日本赤座頭虫(japonicus) -Petrobunidae -Podoctidaeトゲアカザトウムシ ○Idzubius 秋山赤座頭虫(akiyamae) -Tithaeidae --- -Agoristenidaeカケザトウムシ -Cosmetidaeケショウザトウムシ ○Metagryne Bunny harvestman(bicolumnata) -Cranaidae -Cryptogeobiidae -Gerdesiidae -Gonyleptidaeスネボソザトウムシ -Manaosbiidae -Metasarcidae -Nomoclastidae -Stygnidae -Stygnopsidae --- -Phalangodidaeアカザトウムシ ○Proscotolemon 小赤座頭虫(sauteri) --- -Biantidae -Samoidae -Stygnommatidae --- -Sandokanidae --- -Escadabiidae -Fissiphalliidae -Guasiniidae -Icaleptidae -Kimulidae -Zalmoxidae 【Tetrophthalmi】 ・Hastocularis argus ・Eophalangium sheari ◇[化石]昔座頭虫 or 短腹 Phalangiotarbi [石炭紀後期] …見かけ、座頭虫と蜱[ダニ]の中間的姿 -Architarbidaeムカシザトウムシ -Ophiliotarbidaeオオナガムカシザトウムシ -Heterotarbidaeアシボソムカシザトウムシ 「鋏角類」の目次へ>>> 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |