[→鋏角類目次] 🐪 ■■■ 2018年4月23日 ■■■ 日避虫日避虫は熱帯性気候下乾燥地帯棲。 日本には該当地域は皆無だが、2017年に新潟県柏崎市豊町の新築住宅で偶然に発見された。科博専門家は輸入材と共に渡来と推定しているが[毎日新聞2017年12月21日]、蜘蛛マニア向けペットとして販売されているから、逃げ出し隠れていて運ばれてしまった可能性もなきにしもあらず。 夜行徘徊性だし、寿命は短いだろうから飼育はどんなものかとも思うが、気管はかなり発達しているようで、歩脚運動性能が抜群らしく、マニアは是非にも飼育してみたいとの心境になるらしい。 ペットとしての渡来種の場合、ほとんどの場合は棲息地の地面は砂漠的。砂掘営巣能力も高い筈で、温湿度環境を整えさえすればなんとかなるようだ。 この虫、外見の一番の特徴は、頭長を越える鋏角である。 → [PHOTO by (C)Valter Jacinto@Encyclopedia of Life コレ脚にしか見えないので、石炭紀から生き延びてきた10脚の奇虫とされてしまう。しかも、その鋏角のお蔭で実体よりかなり大きく見える。それでなくても体長が10cmに達することもあるようだから、クモ的な虫としてはかなりの大型。 マ、見かけ10脚でも、触脚は歩行用にはならないから、間違いなくクモ的ではあるが。しかし、腹には体節がありクモ的とも言いかねる。 矢鱈に頭デッカチでどこか兵隊蟻に似た印象も与える。 と言うことで、印象から言えば、いかにも威嚇的行動に出そうなお姿そのもの。そこらが、人気のポイントでもありそう。飼育者の話を読むと、ひっくり返って腹を出してライトを浴びるそうで、コオロギを鱈腹食べて大満足の様子も見れたりするらしい。冗談半分かとも思ったが、光に誘われる性質があるし、威嚇する時は立ち上がり腹を見せる筈だから、そのような体勢になってしまうこともあるかも知れない。 尚、輸入可能だから、無毒腺なのは間違いあるまい。 それでも狩に成功するのだから、顎の噛みつき力はかなりのものであろう。咬み付いて出血多量でフラフラにさせてからおもむろに食餌開始にありなるのでは。 奇虫的イメージを強めるのは、脚も含め全身が短毛に覆われているせいもある。しかも、最後部の歩脚は大きいし、小さなラケット形状の突起が並んで付いている。棲んでいる場所を考えると、そうそう観察できるものでもないからその機能がわかるとは思えない。常識的には、地面に当てて振動を検知し、チャンス到来か脅威にさらされているかの判定を行うための仕組みが備わっていると考えるしかなかろう。 鋏角類《蛛形 Aracgbuda》 ◆日避虫 Suspider or Camel spider Solifugae -Ammotrechidaeスナハシリヒヨケムシ@南米,北米南部 -Ceromidaeサメヒヨケムシ@アフリカ南部 -Daesiidaeコヒヨケムシ@広域 ○Gluvia European solifugid(dorsalis) -Eremobatidaeヒトリヒヨケムシ@米州砂漠域,中米 -Galeodidaeサメヒヨケムシ@アフリカ東/北部,中東,インド,モンゴル ○Galeodes イエロージャイアント日避虫(granti) フェザーレッグ日避虫(deserti) ブラックキラー日避虫(arabicus) Camel Spider(arabs)…サイズ15cm 歩行速度16km/h -Gylippidaeアジアヒヨケムシ@近東,南アフリカ -Hexisopodidaeアナホリヒヨケムシ@南アフリカ(Teddybear solifuges) -Karschiidaeカルシュヒヨケムシ@欧州南東部,アフリカ北部,中東,モンゴル -Melanoblossidaeウモウヒゲヒヨケムシ@南アフリカ,ベトナム,インドネシア -Mummuciidaeヒカラビヒヨケムシ@南米 -Rhagodidaeオオヒヨケムシ@アフリカ〜インド -Solpugidaeヒヨケムシヒヨケムシ@アフリカ -[化石]Protosolpugidae@米国イリノイ (調べた訳ではないが、上記の和名は仮名[新堀栄一命名]が多いらしい。) 「鋏角類」の目次へ>>> 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |