[→鋏角類目次] [→蜘蛛目次] "! ■■■ 2018年5月11日 ■■■ 脚長蜘蛛⎭⎭⎩⎩ 足長は 手長と夫婦に なりにけり 脚長蜘蛛とは良く言ったもので、歩脚が著しく細長い。その上、体躯はもえらく細長いからまずます目立つ。 歩く姿が目撃されるので、そのような体質に思われがちだが、えらく臆病で、にもかかわらず徘徊するのは新たな造網場所を捜すしかないからだろう。 歩けば目立つが、脚を伸ばしてジッとしていれば、草の茎にしか見えない筈で、本来的には擬態だと思う。 円網を造るといっても、水平タイプ。どういう訳か、中心部に穴がありハブ構造ではないそうだ。水でもかかると、網の機能が損なわれかねないのだろうか。 そんな感覚になるのは、生息場所がもっぱら渓流近辺というか、水飛沫がかからないかと心配してしまうような場所に造網するのである。 もっとも、それはもっぱら蜘蛛研究者の観察結果であり、一般家庭では、結構頻繁に登場してくる蜘蛛として知られている。 どこからか部屋に侵入してきてノコノコ壁を徘徊しているところを発見されることが多いようだ。(造網性は3爪だが、徘徊なら2爪でもよい訳で、そのタイプのようだ。)体躯が大きく目立つので、嫌がって駆除に精出す方も少なくない。 そんなこともあるのか、ゴキブリハンターとして最強だからそのママにしておくべしとのアドバイスだらけだが、実態はどうなのだろう。 甲虫の メタル色には 負けまいぞ 渓流付近に大きい水平円網を張る大銀[オオシロカネ]蜘蛛が結構知られているという。 真昼間にその網の中央に鎮座しており、大きさは1cm程度ではあるものの、体色がメタリック銀色で目立つからだ。 言われてみれば、そういえば、あそこで見かけたナとなる手の種である。 蜘蛛好きは、その光沢加減の美しさに見とれるらしい。お話として取り上げる際は、警戒心を抱くと突然にして模様が浮かび上がる能力が強調されるが。 普段は甲虫擬態で、危険が迫ると蜂擬態になるということだろうか。 写真を見ると、網の方が余程美しい印象があるが、かなり高度な頭脳活動を行っているのかも知れない。マリアナ銀蜘蛛の幼生は脳の占める割合が高くて、頭が膨れている程らしいから。 [「小さなクモに大きすぎる脳」2011.12.19 Nikkei National Geographic] 鋏角類 《蜘蛛 Araneae》 │ │┼┼中疣…出糸疣が腹の中ほどに存在 │┌──【古代風 Mesothelae】 ││┼┼◆Liphistiomorpha 腹節蜘蛛と木村蜘蛛を代表とする群 └┤ ┼│┌─【原始的 Orthognatha】…真っ直ぐの牙顎類 ┼││┼◆Mygalomorphae ┼││┼┼┼│┌─《Fornicephalae 戸立蜘蛛と地蜘蛛を代表とする群》 ┼││┼┼┼└┤ ┼││┼┼┼┼└─《Tuberculotae 漏斗蜘蛛とタランチュラを代表とする群》 ┼└┤後疣…出糸疣が腹の後端に存在 ┼┼│ ┼┼│↓脱地中穴棲 ┼┼│ ┼┼└─【新生型 Opisthothelae】…二軸鋏型牙類(Labidognatha) ┼┼┼┼◆Araneomorphae ┼┼┼┼┼┼└┬─《Paleocribellatae 古篩板類(単性域類有篩板)》 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼├─《Austrochiloidea》<Neocribellatae新篩板類>基底的群 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼│┌《Haplogynae 単性域類篩板退化》…性器単純 ┼┼┼┼┼┼┼└┤ ┼┼┼┼┼┼┼┼└《Entelegynae 完性類》…性器複雑 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼↓ ┌──────────┘ ├【Eresoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Eresidae 岩ガ根 │┼┼┼┼┼┼┼┼Oecobiidae 塵,扁 │┼┼┼┼┼┼┼┼Hersiliidae 長疣 │ ├【Palpimanoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Mimetidae 戦捷 │┼┼┼┼┼┼┼┼Malkaridae │┼┼┼┼┼┼┼┼Huttoniidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Palpimanidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Stenochilidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Micropholcommatidae 星 │┼┼┼┼┼┼┼┼Holarchaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Pararchaeidae 夜叉 │┼┼┼┼┼┼┼┼Archaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Mecysmaucheniidae │ └【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 ┼│ ┼├Orbiculariae 円軌道造網型 ┼│┼├Deinopoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Deinopidae 目玉 ┼│┼│┼┼┼┼┼Uloboridae 渦,招き.扇,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼├Araneoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Araneidae 黄金,鬼,芥,棘,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼└"derived araneoids" ┼│┼┼┼│ ┼│┼┼┼├───Nephilidae 女郎 ┼│┼┼┼├───Tetragnathidae 脚長,銀 ┼│┼┼┼└"reduced piriform/葡萄状腺" ┼└Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA" 【新生型蜘蛛類 Opisthothelae】 (後疣…出糸疣が腹の後端に存在) ◆Araneomorphae 《Entelegynae 完性類》 【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 {Orbiculariae 円軌道造網型} -- --"derived araneoids" -TetragnathidaeLong jawed orb-weaver【造網-ドーム】 [無篩板][3爪,8眼] ○Tetragnata・・・アシナガグモ類 脚長蜘蛛(squamata )…黄緑色 鱗脚長蜘蛛(praedonia)…緑色 優形[ヤサガタ]脚長蜘蛛(maxillosa)…水田周辺棲 絹脚長蜘蛛(lauta)…樹上棲 五角形網 緑脚長蜘蛛(pinicola)@北半球の温帯域 ○Diphya・・・ヒメドヨウグモ類 大熊姫土用蜘蛛(okumae) ○Leucauge・・・シロカネグモ類 …金属光沢(脅威を感じると黒模様表出) 大銀蜘蛛(magnifica)…大きな水平円網@渓流付近 中型銀蜘蛛(blanda) 雲母[きらら]銀蜘蛛(subgemmea) Orchard spider(venusta)@北米東沿岸 セレベス銀蜘蛛 Black-striped orchard spider(celebesiana)…社会性(網接続集団化) マリアナ銀蜘蛛(mariana)…幼生は脳の占める割合が高いとか ○Pachygnatha・・・アゴブトグモ類 (Thick-jawed spider) 姫脚長蜘蛛(tenera)…地上徘徊(幼生期:造網) ○Menosira・・・アズミグモ類 金曜蜘蛛(ornata)…林道〜渓流沿地上徘徊 ○Doryonychus (raptor)@ハワイ カウアイ島…徘徊性(爪で突き刺し捕獲) 「鋏角類」の目次へ>>> 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |